■2012年2月19日 第11回  〜 勉強品目「菜の花」 東京青果(株)個性園芸事業部 副部長 野原秀司氏
◇勉強品目「菜の花」

菜の花の入荷量

 (全体) 
 541 トン 
 1位:千葉県 
258 トン 
 2位:香川県
139 トン 
 3位:福岡県
51 トン 
 4位:徳島県
46 トン 
 5位:茨城県
  17 トン 

 ※2010年4月〜2011年3月、東京青果への入荷量

東京青果(株) 個性園芸事業部
副部長 野原秀司氏
  • 今日お持ちした中で最も見慣れているのは、千葉、安房の菜の花だと思います。昔から、菜の花というとこのイメージではないでしょうか。これは作るのが非常に大変だ、と聞きました。

  • 福岡のおいしい菜は、「博多菜花おいしい菜」が商品名です。西洋菜花のわき芽を掻いたもので、シュウ酸が非常に少なくて食べやすい。在来種と西洋系を比べると、西洋系のアブラナのほうが在来種より苦みが少なく、甘みが強い、といわれます。ただ、一方では、ややかたくて筋っぽくなりやすい、という声も耳にします。

  • 福岡の「蕾菜(つぼみな)」は、からし菜の変種のわき芽を掻いたもので、微妙な辛みがあります。期間限定で採れる野菜で、1月下旬〜3月中旬ぐらいまでの入荷となっています。

  • 京都の「花菜(はなな)」は、豊臣秀吉の時代に切り花用で栽培されていた伏見寒咲菜種を栽培したもの、といわれています。他の菜花に比べると、価格は高めです。

  • 千葉、ハレルヤの菜の花は、束ねないで出荷されます。地元の方は、味噌汁の具にしたり、マヨネーズ和えなどで食べるそうです。ビタミンCが多いので、サッと加熱するぐらいで食べてほしい野菜です。
◇菜の花の写真
安房の菜の花(千葉)
博多菜花おいしい菜(福岡)
蕾菜(福岡)
花菜(京都)
ハレルヤの菜の花(千葉)
 
 
 
■2012年2月19日 第11回 〜 勉強品目「晩柑類」 橋本幾男氏
◇勉強品目「晩柑類」
  • 晩柑は、かつては「はっさく」、「いよかん」、「ポンカン」ぐらいしかなかったのが、さまざまな品種が登場するようになりました。

  • 「津之輝(つのかがやき)」は、今のところ、ほぼ長崎県だけで作られています。よく売れますよ。2.5kg箱より、5kg箱のほうが単価的には安い。

  • 「デコポン」は、うちの店では鹿児島県産の「大将季(だいまさき)」というやや赤いものを売っています。普通はもっと白っぽい。
橋本幾男氏
  • 「甘平(かんぺい)」は、「西之香」と「デコポン」の掛け合わせで、平成17年に出てきました。実がシャキッとしていて、食べやすい柑橘です。

  • 「はるみ」は、「デコポン」と同じ掛け方。妹分です。

  • 「はれひめ」は、「クレメンテ」×「南柑20号」。皮がやわらかく、むきやすいのが特徴です。「せとか」も「甘平」も、あとから出てきたものは、総じて皮がむきやすい。「はっさく」や「いよかん」が、皮がむきにくくて手が汚れるなどと、いわれるようになったからでしょうか。

  • ミカンと同じく、晩柑類も、今年は気候の関係で大玉が多い。昨日から屋久島の「タンカン」も出始めましたが、2L、3Lといった大きいものばかりでした。

  • 「文旦」は鹿児島で多く作られていますが、今日持ってきた「水晶文旦」は愛知県でハウス栽培したもの。高級品です。
◇晩柑類の写真
はっさく
いよかん
ポンカン(愛媛)
ポンカン(鹿児島)
津之輝
デコポン
甘平
はるみ
せとか
まりひめ
水晶文旦
 
 

【八百屋塾2011 第11回】 実行委員長挨拶|講演「菜の花」|勉強品目「菜の花」「晩柑類」商品情報食べくらべレポートより