■2011年7月24日 第4回 〜 勉強品目「かぼちゃ」 東京青果(株)個性園芸事業部 副部長 野原秀司氏
◇勉強品目「かぼちゃ」

かぼちゃの入荷量とピークの時期

 (全体) 
8,207 トン 
 1位:北海道 
2,796 トン 
 8〜11月 
 2位:ニュージーランド
1,945 トン 
2〜4月
 3位:メキシコ
1,414 トン 
12〜1月
 4位:鹿児島
708 トン 
5〜6月
 5位:茨城
  464 トン 
7月

 ※2010年4月〜2011年3月、東京青果への入荷量

東京青果(株) 個性園芸事業部
副部長 野原秀司氏
  • 今日は、東京青果(株)の一般営業部に入っているかぼちゃと、個性園芸に入っているかぼちゃを両方持ってきました。

  • 一般営業部に入っているかぼちゃは、三浦の「みやこ」、茨城・古河の「ほっこり」、茨城・県西VFSの「栗将軍」、茨城・江戸崎の「えびす」と、「くりゆたか」です。

  • 個性園芸に入っているかぼちゃは、栃木・小山の「イーティー」、愛媛中央の「栗味」、山形マルトの「九重栗」。個性園芸では、栃木、茨城、福島、北海道と連携して「イーティー」を扱っています。

  • 三浦で変わったものを栽培されている生産者の方がいて、「コリンキー」(生食で食べられるかぼちゃ。サラダや漬けものに向く)、「バターナッツ」、「金糸瓜」などを作っています。「金糸瓜」は能登野菜としても知られていますが、今日の「金糸瓜」は三浦で作っているものです。

  • 今日お持ちした「坊ちゃん」は、千葉・佐原で作っているものです。「坊ちゃん」のおいしいものは本当においしくて、ひとりで1個全部食べたくなるくらいのものがあります。

  • 「打木赤皮甘栗」は、加賀の伝統野菜です。普通のかぼちゃの食べ方とは違い、だしを多用して食べたり、皮の色を生かして彩りとして使われるものです。

  • 京都の「鹿ヶ谷」。これも加賀かぼちゃ同様、京料理で、だしを利かせて食べる、という食べ方が多いです。
◇かぼちゃの写真
みやこ (神奈川三浦)
ほっこり (茨城古河)
くり将軍 (茨城県西VFS)
えびす (茨城江戸崎)
くりゆたか (茨城江戸崎)
イーティー (栃木小山)
くりあじ (愛媛中央)
九重栗 (山形マルト)
コリンキー (神奈川三浦)
金糸瓜 (神奈川三浦)
坊ちゃん (千葉佐原)
鹿ヶ谷 (京都)
宿儺
飾りかぼちゃ各種
打木赤皮甘栗
バターナッツ
 
■2011年7月24日 第4回 〜 勉強品目「桃」 橋本幾男氏
◇勉強品目「桃」
  • 今の時期とこれから出回る桃の主な産地は、山梨、福島、長野、新潟など。今のところは山梨が中心で、8月中旬以降は、福島、新潟が中心になってきます。

  • 今年は、ちょっと早めの桃「八幡白桃」がいい。うちの店では、最初、「日川」から売り始め、その後は「加納岩白桃」を売っていました。その他、どこの産地のものを食べても、結構おいしいです。ここのところ、「浅間白桃」もすごくいい。 八代の「てっぺん桃」もおすすめです。
橋本幾男氏
  • 昨日、東京青果の売場で、山梨の春日居の桃の品評会をしていました。全部6個入れの化粧箱で、1個1個全部糖度が書いてありました。糖度が一番高かったのは17.9でした。ご祝儀相場で高かったけれど、確かにいい桃でした。

  • 春日居の桃は、お盆前までは、16玉はそれほど高くなかったのですが、15玉になるといきなり高くなっていましたね。デパートに入っているくだもの専門店などは、春日居の15玉を中心に扱っています。13玉というのもあります。

  • 今、大田では、春日居が一番人気があります。ただ、春日居も、昔は組合が別々になっていたのですが、今はみんないっしょになってしまっているので、どれがどこの桃だかよくわからなくなっている、という面もあります。

  • 手頃なところでは、長野の「たまき」という桃や、山梨の新府の桃などがあります。

  • 今年は、福島の桃「暁星(ぎょうせい)」もしっかりしていて、おいしい。「八幡」が終わると「暁星」になります。ただ、残念なことに、みなさんあまり手を出さないようです。去年は、新福島から「さくら白桃」というのが出て、ちょっとかための桃で、それがすごくおいしかった。お客さんから褒められたぐらいでした。今年はどうなるのか、心配しています。個人的には、震災で被害を受けた地域にがんばれという気持ちを込めて、福島産の桃を売ってあげられればいい、と思っています。

  • ちょっと変わったところでは、毎年、八百屋塾に持ってきている白い桃があります。今年みたいな年は、結構もっちりしておいしい。これから出てくる「黄金桃」もなかなかおいしい桃です。

  • 今年、気をつけなければいけないのは、天気がよすぎて温度が高いので、夜温も下がらず、味ののりが悪いものや、やわらかいものがある、ということ。熱帯夜が続いていると、どうしても、品質は落ちます。市場でサンプルを見るときに、そのあたりにも気をつけたほうがいいと思います。

  • 今、どこの産地も、色をつけるためにシルバーを敷いている。シルバー敷かなければ、それほどやわらかくはならないはずなのですが…。

  • 天気がいい年、雨が少ない年は、桃でもぶどうでも、露地物は渋が抜けないことがあります。そのあたりもちょっと気をつけたほうがいいと思います。

  • 市場で選ぶ際は、お尻を見れば、ちょっと青いかな、回りすぎているかな、というのがわかります。

  • 大きさは、店で売るにはある程度大きいほうがいい。16〜18玉あたりが一番売りやすい。15〜13玉といった大きいものは、見た目がいいので、高い値段をつけて売られています。
◇桃の写真
てっぺん桃(浅間白桃)
てっぺん白桃(山梨)
みかさ(山梨)
暁星(福島)
白桃(春日居)
白鳳(八代)
八幡白鳳(新潟)
たまき(長野)
 
 

【八百屋塾2011 第4回】 実行委員長挨拶|講演「かぼちゃ」|勉強品目「かぼちゃ」「桃」商品情報食べくらべレポートより