■2012年1月15日 第10回 〜 商品情報 山形産「あさつき」

 山形県の酒田市で「あさつき」を栽培しています。

 「あさつき」は、ネギやニンニクの仲間。「あさつき」というと、薬味に使う細いネギを想像されるかと思いますが、JAそでうらで作っているのは、茎の部分を主に食べるものです。

 昔から、在来の野菜として、農家の方が作っていた野菜で、タネ採りも自分たちで行っていました。

 冬期の作物で、雪の中から掘り起こします。ちょうど今の時期、さかんに収穫しています。青物のない冬の期間の貴重なビタミン源として、昔から、食べられていたようです。

 

村上淳一氏

 出荷が始まったのは昭和50年代、と聞いています。かつては雪の中から掘り出して黄色い芽を食べていたのですが、それを東京に出荷したところ、黄色い野菜はあまり評判がよくなく、青いものはないかといわれて、今のような青と白が半々の状態で出荷されるようになりました。

 雪の中から掘り起こし、ハウスの中で光を当てて、緑の部分を伸ばしています。

 シャキシャキとした歯触りで、簡単に調理できるため、人気があります。カロテン、ビタミン等が豊富に含まれているので、健康的な野菜でもあります。「あさつき」のハウスに入ると強いにおいがするのですが、そこで作業をしている農家のおじいさん、おばあさん方は、風邪をひかないそうなので、何か体にいい成分が含まれているのではないか、と思います。

山形産「あさつき」

 8月頃、非常に暑い時期に植えます。暑くて大変な作業です。収穫も、寒い時期に雪の中から掘り起こすので、風が強く、地吹雪があったりして、非常に大変です。皮むきや根切りなど、手間をかけて出荷調整をして、きれいに並べて出荷しています。

 調理方法としては、和の定番、酢味噌和え。イカやタコと一緒に酢味噌で和えて食べるとおいしい。また、サッとゆでてマヨネーズやドレッシングをかけるとか、ハムやベーコンと油で炒めたり、パスタに入れたりと、洋風にしてもいい。その他、鍋物に入れるなど、さまざまな料理にお使いいただけます。

 作業が大変で、調整にも手間がかかります。この生産の中心を高齢者の方が担っているので、なかなか大変です。今までのようにきれいに並べて出荷するのがだんだん難しくなってきています。もし、バラでもいいとか、きれいに並べなくてもいいとか、それほどきれいに皮をむかなくても使ってもらえる、などの情報があれば、個別にご対応できるかもしれませんので、農協にご相談ください。

 
■2012年1月15日 第10回 〜 商品情報 山形・庄内の「山菜」
 冬期間の出荷主力品目である庄内の山菜をご紹介します。

 先ほどご説明のあったJAそでうらの「あさつき」は、だいたい12〜3月が出荷期間です。

 私どもの促成山菜は、12〜4月いっぱいまで。最盛期は1月下旬〜3月いっぱいです。

 品目としては、「行者にんにく」、「うるい」、「たらの芽」、「青こごみ」の4種類を出荷しています。

 

全農山形 庄内園芸課 山本真太郎氏

 30年ぐらい前から、山菜の促成栽培を始めました。庄内では、28年ぐらい前に協議会を立ち上げ、共同選果で出荷を始めています。

 「たらの芽」は、庄内、最上地区を中心に県内全域から出荷していますが、「行者にんにく」、「うるい」、「青こごみ」は庄内が主力で取り組んでいます。

 山菜の食べ方は、天ぷらが一番おいしいのは間違いないのですが、最近は家庭で天ぷらを揚げる人が少なくなっているので、厳しい部分もあります。

 「うるい」はアクがないので、サラダでも食べられる野菜です。市販のドレッシングで和えていただくだけでも、十分、おいしく食べられます。

 京浜市場さんにはほぼ出荷しております。ご注文等あれば、ぜひよろしくお願いいたします。

 
 

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