■2011年9月18日〜19日 出張八百屋塾in山ノ内町 〜 講演「管内の果樹農業について」 北信農業改良普及センター 戸沢幸子氏
◇北信農業改良普及センターとは
  • 北信農業改良普及センターは、長野県の農政部の出先機関で、北信地域と呼ばれる長野県の一番北の端のエリアを担当しています。

  • 主に農家の方に農業技術や経営的なこと、販売に関することなど、農業に関するさまざまな支援をしている部署です。最近はマーケティングも重視しており、消費者の方にも目を向けた活動をしています。
北信農業改良普及センター 戸沢幸子氏
◇北信地域の概況
  • 管内は、山ノ内町、中野市、飯山市、木島平村、野沢温泉村、栄村の2市1町3村で構成されています。

  • 気候的には日本海型で、高社山(こうしゃさん)を境に、南のほうを岳南と呼び、比較的雪が少ない温暖な地域です。山ノ内町も岳南に入ります。飯山や栄村など、北側は岳北と呼び、日本有数の豪雪地帯です。範囲としてはそれほど大きな地域ではありませんが、このような気候の違いがあります。
◇農業の概況
  • 農家戸数は、約9300戸。

  • 岳南は雪が少ないこともあり、りんご、ぶどう、桃といった果樹栽培が盛んな地域です。岳北は雪が多いので木になるものは作りにくく、水田や野菜の産地になっています。品質の高いお米がとれる地域としても有名です。
◇果樹生産の特徴
  • りんごは、「ふじ」と「つがる」で8割弱を占めています。早い時期にとれる「つがる」、冬間近に出る「ふじ」、その間にとれる中生種を作っています。

  • ぶどうは「巨峰」が最も多く、近年は、「シャインマスカット」、「ナガノパープル」など、タネなしで皮ごと食べられる品種が増えています。

  • その他、梨もありますが、主要な品目ではありません。桃は「川中島白桃」が中心です。 スモモは早生から「太陽」など今頃までとれる品種を栽培しています。また、桜桃(さくらんぼ)も作っています。ブルーベリーも盛んに栽培されています。

  • 今年の傾向は、春先がやや寒かったせいか、りんごもぶどうも1週間ほど花が咲くのが遅れました。今はだいぶ持ち直しており、大きなダメージはありません。とはいえ、受粉時期に雨が多く、農家のみなさんは苦労されましたが、長年のテクニックで持ち直した、という状況です。
◇品種の紹介
  • 「シナノゴールド」は、黄色いりんごです。イタリアに進出することが決まっており、国際的にも注目されている品種です。皮が黄色いのはりんごらしくない、という方もいらっしゃるようですが、貯蔵性が高く大変すぐれた品種です。

  • 「秋映(あきばえ)」は、濃い赤色のりんごです。果肉がかたく、それなりに酸味もあるので、「ふじ」とはまた違う味で、酸味のあるりんごを楽しみたい方には「秋映」がいいと思います。

  • 「シナノスイート」は、その名の通り、甘い味のりんごです。「ふじ」より前に、「ふじ」のような味の品種を、ということで開発されました。以上3品種は中生種です。

  • まだあまり出回っていませんが、「シナノピッコロ」、「シナノプッチ」という品種は、手のひらサイズで、丸かじりできることをコンセプトに作られたりんごです。東京都で、一部、学校給食で使われました。果物離れが進んでいる中、皮をむかずにぱくっと食べていただける品種です。

  • 「ナガノパープル」は、タネなしで皮ごと食べられるぶどうです。甘みがあって、大変おいしい品種です。

  • 今、全国的に作られていて人気なのが「シャインマスカット」というぶどうですが、長野県では、方針として、粒の大きさよりは、味を重視して作っています。ぜひ、そのあたりにも注目して、みなさんのお店に並べていただければ幸いです。

  • 信州の果物は、ほかにもたくさんあり、お問い合わせいただければ、県が作ったパンフレットをご用意できますので、店頭に置いていただければありがたく思います。
 
 

【八百屋塾2011 出張八百屋塾in山ノ内町】
はじめに町長ご挨拶JA志賀高原常務理事ご挨拶講演「管内の果樹農業について」
りんご生産者よりぶどう生産者より共撰所りんご園ぶどう園畜産謝辞