■2011年7月24日 第4回 〜 商品情報 山形産「赤にんにく」
 山形県最上町から来ました、役場職員の板垣誠弘と申します。

 今回、私どもは、山形県最上町産の「赤にんにく」を持ってきました。ちなみに、先月ご紹介いただいたアスパラガスと、「達者de菜」というニラも、私どものほうでたくさん作っているものです。

 今回持ってきた「赤にんにく」は、地元で古くから栽培されている在来種です。昨今の伝統野菜ブームもあり、地元でも大切に保存しようという動きが高まっており、約20名の方が種の増殖に励んでいるところです。

にんにく生産農家の笠原忠志氏(左)と
山形県最上町役場 農林課 農林係長
板垣誠弘氏(右)
 「赤にんにく」という名前の通り、うっすらと赤い表皮をまとっているにんにくで、赤いタネを植えています。赤を生かすには、皮をつけたまま姿揚げにしていただく、といった使い方があると思います。赤い皮をむくと、なかは白くて、普通のにんにくと同じように、薬味やいろいろな料理に使っていただけます。

 山形にも国産、肉厚で、長期保存できるいいにんにくがありますので、ぜひここで紹介したいと思って、持ってきました。

赤にんにく
 「赤にんにく」を増やしているなかで、去年あたりから、ひとつ問題が出てきました。じつは、しっかり赤くなっているもののなかに、白いものが混じっているんです。いずれも同じような作り方をしているのですが、暖かい気象のせいなのか、もしくは、若干、機械乾燥を入れたせいなのか…。今回も、この会に間に合わせようと思って、機械乾燥をしたところ、赤が抜けてしまうという現象がありました。自然乾燥をすると赤が残るようです。

 赤いにんにく「最上赤」として、しっかり赤いものを選別して、みなさんのお手元に届けたいと思います。また、白くなったにんにくも、国産にんにくという枠のなかで、どれくらいの評価を得られるか、私どもとしても非常に興味があります。

 みなさんのお手元に届くよう、市場流通を目指してがんばっていきます。今年は、20人が増やしている状態ですが、1トンくらいの出荷しかできないと思います。市場に出回ったときには、ぜひ、見ていただきたい品物ということで、ご紹介にあがりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 
■2011年7月24日 第4回 〜 商品情報 山形産「わさび」
 山形県の東根市から参りました、大富農産の櫻井と申します。弊社は創立してまだ7年程度と、日は浅いのですが、東根で、わさびを栽培しています。

 わさびというと、静岡、長野が大産地です。この両県では、自然の沢の水を利用して、露地でわさびを栽培しているケースが多いのですが、弊社ではハウスでわさび栽培ができないか、ということで取り組んできました。

 親会社がボーリング、つまり、井戸を掘る会社なので、いい地下水をくみ上げて、ポンプの圧力でわさびの根元にその水をかけて、栽培しています。

大富農産(有) 代表取締役 櫻井清晴氏

 東根は、昔から、きれいな水が湧いている場所として有名です。環境省の名水100選にも選ばれている小見川という川があり、そこには、山形県の天然記念物にも指定されているイバラトミヨという魚もいます。そのような、非常に冷たくてきれいな水を湧水する場所で、わさびを栽培しています。

 湧水をそのまま利用するのではなく、地下100メートルからポンプで水をくみ上げ、わさびの根元にかける、という栽培方法です。それによって、大雨、日照りなどの自然の影響を受けにくく、計画栽培、計画出荷がができるようになりました。

大富農産(有)のわさび

 今日お持ちしたわさびの品種は、「まづま」です。辛み、香り、風味と、わさびのなかでも、一番人気の高い商品で、弊社では、この「まづま」を主に栽培しています。

 栽培はビニールハウスのなかで行っています。他の畑からの飛来農薬とか、農薬が雨などで用水路に集まってきたりすることがあります。そういう他の作物の農薬の被害がないように、地下水をくみ上げ、外部から来るものをできるだけ遮断して、ビニールハウスで栽培しています。

 わさびは江戸時代頃から、刺身や寿司などによく使われてきました。山形は蕎麦処でもあり、蕎麦にもわさびは欠かせません。また、最近は、焼肉やうなぎといった脂っこいものにもよく合う、ということで使われています。ぜひ、わさびの香り、辛みを、料理の引き立て役としてご利用いただきたい、と思っています。よろしくお願いします。

 
■2011年7月24日 第4回 〜 商品情報 山形産のいちご「サマーティアラ」

 今日は、「サマーティアラ」といういちごをお持ちしました。山形県が、2008年12月に、新品種として出したものです。

 もうそろそろ終わりかけで、時期的にはもう少し早いほうがよかったのですが、ぜひ八百屋塾で紹介したい、ということで、今日お持ちしました。

 本来のいちごの旬をずらして品種改良をしたいちごで、ケーキ用に使っていただいても大変おいしいいちごです。

 本日は、山形産のにんにく、わさび、いちごをご紹介しました。にんにくは青森、わさびは静岡など、産地はいろいろあります。ですが、山形でもこういうものを作っている、ということで、八百屋さんの店頭に並べていただき、お客さまからこんな評判があったよ、という生の声をいただけたら、それを生産者さんに届けたいと思いますので、よろしくお願いします。

山形県東京事務所 流通対策課 後藤信之氏
山形県産のいちご「サマーティアラ」
 
■2011年7月24日 第4回 〜 商品情報 秋田産「シシリアンルージュ」「ロッソナポリタン」

 秋田県横手市から参りました黒澤です。横手市は秋田県の南部にあり、冬の行事「かまくら」が有名な街です。

 今日は、露地ものの調理用トマト、「シシリアンルージュ」をお持ちしました。ハウスものもあり、普通、1パック300円程度で販売されていると思います。「シシリアンルージュ」は調理用のトマトなので、加熱して食べていただきたいのですが、ハウスものでは価格的に難しいため、露地ものの栽培方法を考え、今年の夏から、市場に流通させていただくことになりました。

横手市 産業経済部 実験農場 副主査
黒澤史子氏
 「シシリアンルージュ」は中玉なのですが、ミニトマトの「ロッソナポリタン」という姉妹品種も、同じメーカーさんが作っています。こちらも「シシリアンルージュ」と同じ栽培方法で、露地で作ったものです。

 「ロッソナポリタン」は、酸味が少なく甘みの強い品種になっていて、メーカーさんの推奨では、「シシリアンルージュ」2に対して、「ロッソナポリタン」1の割合で作ったソースがとてもおいしい、ということです。

 「シシリアンルージュ」と「ロッソナポリタン」は、3キロ箱、バラで、ヘタなしの状態でお届けすることになります。今年の夏から流通しますので、この形で仕入れていただいたものを、グラム売りとか…。ある程度の量で、ソースにして食べる、という提案をできれば、と思っています。

 このほか、「メグちゃん」というミニトマトもあります。栽培が難しく、なかなか量がとれませんが、とてもおいしいトマトなので、こちらもぜひ試食していただきたい、と思っています。よろしくお願いします。

シシリアンルージュ
ロッソナポリタン
 

【八百屋塾2011 第4回】 実行委員長挨拶|講演「かぼちゃ」|勉強品目「かぼちゃ」「」|商品情報食べくらべレポートより