■2011年12月18日 第9回 〜 勉強品目「かぶ」 東京青果(株)個性園芸事業部 副部長 野原秀司氏
◇勉強品目「かぶ」

かぶの入荷量

 (全体) 
  7,206 トン 
 1位:千葉県 
5,758 トン 
 2位:埼玉県
1,027 トン 
 3位:青森県
217 トン 
 4位:茨城県
85 トン 
 5位:栃木県
  84 トン 
 6位:東京都
  7 トン 

 ※2010年4月〜2011年3月、東京青果への入荷量

東京青果(株) 個性園芸事業部
副部長 野原秀司氏
  • 入荷量を見てもわかる通り、千葉県産が全体の約80%と大半を占めています。夏場だけは青森産が増えますが、みなさんが召し上がっているのは、夏場を除きほとんどが千葉県産です。

  • 本日お持ちした「小かぶ」は、千葉県のJA柏のものです。タネは、トーホク種苗さんの「白涼(はくりょう)」か武蔵野種苗さんの「雪峰」のどちらかだと思います。

  • 肩の色が紫色をした「あやめ雪」は、JAなめがたのもの。タネはサカタさんです。酢漬けにすると紫の部分が非常に鮮やかです。

  • 青森の「赤かぶ」は、酢漬けにするとアントシアンの色が溶けて、中まで赤くなります。

  • 千葉産の「天(てん)かぶ」は、「小かぶ」と「聖護院かぶ」の中間くらいの大きさのかぶ。大きさや形から「天王寺かぶら」を連想させるので「天かぶ」の名で親しまれていますが、種は土地のものだそうです。

  • 「聖護院かぶ」は、京都の伝統野菜。千枚漬けが有名です。今日は、「聖護院大根」も一緒に持ってきましたので、後ほど食べくらべてみてください。

  • 静岡の「黄かぶ」。外皮は黄色で、切ると、中はやや黄色みがかった白です。ヨーロッパ原産のタネをヤママツさんが日本に持ってきて、5年間かけて日本のかぶと交配し育成した、と聞いています。

◇かぶの写真
小かぶ
あやめ雪
青森の赤かぶ
天かぶ
聖護院かぶ
聖護院大根
黄かぶ
百万石青首蕪
CR雪峰
白馬
井上農園の有機かぶ
藤沢かぶ
最上かぶ
余呉の山かぶら
日野菜かぶ
愛真紅3号
芽かぶ
ルタバガ
   
 
■2011年12月18日 第9回 〜 勉強品目「かぶ」補足 高橋芳江氏
◇勉強品目「かぶ」補足
  • 石川県などでかぶらずしに使われるという、武蔵野種苗園さんの「百万石青首蕪」は、今日は塩でもんだものを食べていただきます。

  • 清瀬の石山さんが持ってきてくれたのは、「はくじゅ」というかぶで、テレビ番組でも紹介されたおいしいかぶ、とのことです。

  • 「井上農園の有機かぶ」は、羽村の農家で有機栽培されたものです。じつは私の娘の嫁ぎ先で、うちの店にこのかぶをおいたら、「このかぶ、絶品だね」といわれてリピーターになってくださった人がたくさんいたので、今日お持ちしました。

  • 「藤沢かぶ」は、山形の伝統野菜です。とても作物が育ちそうにないような急斜面で、畑を焼いて、それを肥料にして栽培されています。「宝谷かぶ」も山形の伝統野菜。生ではすごく辛いのですが、炒めるととても甘くなります。高齢化で作る方が少なくなっているので、希少価値が高い。山形に「アル・ケッチァーノ」の奥田シェフという有名な方がいて、みんなでかぶを守っていこう、という活動をされています。後藤さんに山形から持ってきていただいたのは、「最上かぶ」です。寒さにあたって赤くなる。主に漬物で食べられているそうです。山形はかぶの宝庫で、これらはまだほんの一部に過ぎません。

  • 林先生のお話にもありましたが、滋賀県は、ちょうど関ヶ原ラインのところにあるので、参勤交代で大名がおいていったりして、さまざまなかぶが残されています。18種類くらいかぶがあるそうです。今日、本当は、「万木(ゆるぎ)かぶ」を持ってきたかったのですが、手に入らなかったので、「余呉の山かぶら」と「日野菜かぶ」をお持ちしました。「余呉の山かぶら」は野趣豊かで、炒めたりするととてもおいしくいただけます。今日はベーコンと炒めましたので、召し上がってみてください。「日野菜」は、今、フレンチレストランなどでも扱われています。地元では一本漬けに加工したりされるそうです。

  • 葉っぱを食べるかぶといえば、「野沢菜」。今日は、40年来お付き合いしている長野の民宿のおばちゃんに頼んで漬けてもらった自家製の野沢菜漬をお持ちしました。温泉で洗って漬けているそうです。
 
■2011年12月18日 第9回 〜 勉強品目「ミカン」 橋本幾男氏
◇勉強品目「ミカン」補足
  • 木熟(きじゅく)の「201」は、生産者が10人くらい。木熟の中でも、特別にいいものだけを作っています。

  • 長崎の「出島の華」は、「尾崎」という品種です。雨が多い年はおいしいのができるので、今年はいいと思います。

  • 和歌山、「田村」のミカンは実がしまっていておいしい。今日のは早生ですが、もうそろそろ中生になっていると思います。

  • 今年は11月が暖かかったのと、雨が多かったので、ミカンがみんな膨らんでしまい、大玉が多い。大玉が安いのですが、持ちは悪いので、売るときには気をつけないといけません。特に発送するときは、傷みが出ますので、手間でも必ず1個1個見てから送ってください。
橋本幾男氏
◇ミカンの写真
JA有田
出島の華(長崎)
西海(長崎)
大西海(長崎)
田村ミカン(和歌山)
日の丸(愛媛)
木熟201(和歌山)
木熟(紀南)
 
 

【八百屋塾2011 第9回】 実行委員長挨拶|講演「かぶ」|勉強品目「かぶ」「ミカン」商品情報食べくらべレポートより