■2011年6月19日 第3回 〜 商品情報 (株)ドール「バナナ」「パイナップル」など
◇バナナの概況
  • バナナは、中南米とフィリピンが主な生産地です。中南米というのは、エクアドル、コロンビア、パナマなどの国々で、主な供給先は、北米、ヨーロッパ、中近東など。フィリピンの供給先は、日本を含むアジア諸国、韓国、中国、中近東、ニュージーランドなどです。

  • 流通数量は、中南米から5億カートン、フィリピンから2億カートンが世界中に出回っています。
(株)ドールの「極撰」バナナ
  • 2001年、フィリピンから供給されるバナナの約50%は日本向けでした。その後、徐々に日本が下がって来て、中近東が伸び、2007年には逆転しています。オイルマネーで中近東の景気が非常によくなった頃です。2008年、2009年と日本が盛り返して、中近東が下がりましたが、その要因は、オイルマネーが少し落ち着いたこと、日本では、2008年の後半からバナナブームが起き、消費が飛躍的に伸びたことです。2009年は、かなりの差で日本がトップを奪還しました。2010年になり、中近東の景気が回復しつつあること、日本のバナナブームが落ち着いたことで、その差は縮まっています。中国、韓国も、ここへきてグンと需要を伸ばしています。現在、中近東、日本、中国、韓国が、フィリピンのバナナを奪い合う形になっており、なかなか安値では出回らなくなってきました。
◇日本向けの国別バナナ輸入量構成比
  • 63年にバナナの輸入が自由化されました。エクアドルは比較的暖かいので、年間を通してバナナを輸入できます。70年にはエクアドルがトップになっています。

  • 73年以降、フィリピンのミンダナオ島でバナナ栽培のプランテーションが拡大し、フィリピンバナナは日本のマーケットの主体となっています。

  • 現在、日本に出回っているバナナは、フィリピン産が約95%、エクアドルが2〜3%、台湾バナナが1%ほど。現在、日本のバナナマーケットにおいては、フィリピン産が最も重要なアイテムであり、売場にも欠かせない商品となっています。
◇日本のバナナ輸入量
  • 2009年の輸入量は、バナナブームの影響により、9千万カートンを超えて過去最高になりました。

  • 2010年にはバナナブームが落ち着きましたが、輸入量は、ブーム以前の2008年の輸入量を上回っており、バナナブームにより、マーケット全体の底上げができたことがわかります。
◇バナナの消費動向
  • 2004年以降、1世帯当たりの1年間の消費量がみかんを抜いて1位になり、バナナは日本で一番消費される果物になりました。2010年になると、みかんを大きく引き離しています。

  • 人口が少なくなって、青果物の消費量が落ちているなか、なぜ消費が伸びているかというと、バナナは食べやすく、手軽に食べられることに加えて、高地栽培などの付加価値商品といったアイテムの多様化も要因です。
◇バナナのアイテム別構成比
  • 現在、日本に輸入しているバナナのうち、約60%が価格が安いレギュラーバナナで、ミッドランドが12%、ハイランドが24%。量販店は、レギュラーバナナの構成比が低く、付加価値商品のハイランド系、高糖度系を多くおいています。

  • アジア諸国等でフィリピンバナナの奪い合いになっているため、安いバナナが出回らなくなっています。高地栽培のハイランド系商品は少々価格が高いのですが、こうした付加価値商品により安定的にバナナの消費を増やしていくことが、これからの売場作りのカギになっていくと思います。
◇ドールの「極撰」バナナ
  • われわれが、今、一番プッシュしているアイテムは、「極撰」バナナというハイランド系、高糖度のバナナです。ドールの高糖度アイテムとしてよく知られている「スイーティオ」よりも、ワンランク上の位置づけとなっています。甘み、食感、香りとも、スイーティオより優れています。この商品で、拮抗している高糖度系バナナのマーケットのなかで、ひとつ抜けだしたい、と思っています。
◇ドールのその他の取り扱い商品
  • 通年商材として、パイナップル、パパイヤ、マンゴー、ドラゴンフルーツ、季節商材として、ハワイ産のパイナップル、チリ産のブドウ、南アフリカ、フロリダのグレープフルーツ、オレンジなどがあります。

  • 輸入果物が一番求められるのは、国産が少ない3〜5月なので、この季節に多くの商材を用意したい。また、トロピカル商材は夏の果物なので、これから夏にかけて、みなさまの売上げに貢献できれば、と考えています。
◇パイナップルについて
  • フィリピン産パイナップルの入荷は、ここ5年間ほどほぼ横ばいですが、2010年は、一番少ない輸入量となっています。その理由は、去年、エルニーニョ現象やラニーニャ現象など、世界的に気候の変動が大きく、フィリピンの産地の天気も安定しなかったこと。また、バナナ同様、中近東、中国、韓国など、他のアジア各国との奪い合いもあり、2010年は少し輸入量が落ちています。

  • 国内で流通しているパイナップルのほとんどは、スムースカイエン種です。そのなかに、高糖度系のパイナップルと、昔ながらの酸味が強いパイナップルがあります。ドールが輸入しているのは「スイーティオパイナップル」という高糖度系パイナップル。スムースカイエン種から枝分かれした品種、MG3です。香りが特徴で、糖酸バランスが優れています。昔ながらの酸味が強い「レギュラーパイナップル」も輸入しており、爽やかなさっぱりとした味です。

  • フィリピン産パイナップルの産地は、バナナと同じミンダナオ島です。バナナ産地から150キロほど南に下ったところで作っています。面積は1万ヘクタール。コロボロック山という火山の麓です。パイナップルはサボテンの仲間なので、火山灰土壌の水はけのよい土地で生産されています。

  • パイナップルは植え付けから約1年半で収穫します。1個目を収穫したあとに、半年間かけて育てて、もうひとつ収穫します。1株から2年間で約2個、生産性は、バナナと比べると落ちる果物です。

  • ドールのパイナップルは、箱に番号が書いてあり、産地でトレーサビリティができるようにしています。

  • パイナップルは追熟しません。すぐに食べるのが一番おいしい果物です。おいておくと甘みが増す、という声も聞きますが、それは酸が抜けるために甘みを感じる、ということです。ちなみに、追熟するフルーツには、バナナ、パパイヤ、アボカド、マンゴーなどがあり、追熟しないフルーツには、パイナップル、レモン、オレンジ、グレープフルーツなどのシトラス、ドラゴンフルーツなどがあります。

  • トロピカルフルーツは冷蔵するとおいしいので、約7℃で保管していただくとおいしくいただけます。

  • 今期、ドールでは、ハワイのパイナップルを輸入する予定です。ハワイには年間100万人の日本人観光客が訪れます。品種はフィリピンと同じですが、また違うカテゴリーとして、ハワイ産パイナップルもよろしくお願いします。
◇ドラゴンフルーツについて
  • ドラゴンフルーツの認知度はまだまだですが、近年は、旅行ブームで東南アジアに行かれた方が現地で食べたり、沖縄でも栽培されており、少しずつ知られてきた果物です。

  • 産地はベトナム。ドラゴンフルーツはサボテンの仲間なので、水はけのよい土地で栽培されています。葉がたれていて、そこにポコポコと実が付く、かなり生産性がいいフルーツです。

  • 今、ベトナム産で輸入解禁になっているのは白肉種のみです。国内では、沖縄で赤肉種が栽培されています。果皮が黄色くてなかが白いイエローピタヤは、コロンビアなどで作られています。

  • 外観が鮮やかで、変わっているので、近年、東北などでは、お彼岸、お盆などにお供え物にしたり、篭盛りとしての需要もあります。

  • くし形切りにしてそのままとか、スプーンですくって、簡単に食べられます。

  • カロリーが低いわりには、葉酸、マグネシウム、カリウム、食物繊維を多く含みます。

  • すっきりとした味わいなので、料理にも適しており、今期はサラダフルーツとして消費をのばしていきたい、と考えています。ダイスカットしてサラダに混ぜ、シーザードレッシングなどのドレッシングをかけて食べていただいてもおいしいトロピカルフルーツです。
◇パパイヤについて
  • パパイヤは、ハワイ産とフィリピン産を輸入しており、フィリピン産が主流。宮崎、沖縄などの国産パパイヤもありますが、今、だいたい80%が輸入で、20%が国産です。

  • フィリピン産パパイヤの産地は、バナナの園地やパイナップルの園地の近くに散在しています。2年かけて育て、ひとつひとつ丁寧に収穫しなければいけない果物です。

  • パパイヤは追熟型の果物です。入荷時は、野菜として食べる青パパイヤのような状態で、それを室(むろ)入れして色づけし、4〜5日かけて食べごろにして出荷しています。

  • マンゴーやパパイヤは、ウリミバエという虫が入ってくるのを防ぐために、60度の蒸気で8時間ほど蒸してから入荷しています。
 
■2011年6月19日 第3回 〜 商品情報「うこぎ新梢(しんしょう)」
 山形の置賜で、伝統野菜の「うこぎ新梢(しんしょう)」を栽培している生産者です。 新梢というのは新芽のことで、摘めば3週間後にまた新梢が出てきます。それを次々につみ取って出荷しています。 まだ、首都圏では販売していないと思います。

 「秘密のケンミンSHOW」というテレビ番組で、「山形県民は雑草を食べる、生け垣を食べる」と話題になったのが、このうこぎ新梢です。

 体にとてもいい野菜で、ポリフェノールが多く含まれており、血液サラサラになるとか、脳梗塞や心筋梗塞を防ぐ、抗酸化作用やホルモン促進作用がある、などといわれています。健康のためには、本当にいいものだと思います。私も毎日、粉末にしたうこぎ茶を持って畑に行ったりしていますが、これのおかげか、薬も何も飲んでいません。

山形県のうこぎ新梢生産者 和田氏
 うこぎ新梢は、沸騰したお湯に塩を入れ、サッとゆがくのが一番のコツです。定番は、うこぎごはんや、うこぎのお浸し。山菜の仲間なので、天ぷらも非常においしい。現代風に、うこぎパスタ、うこぎペンネなどでもおいしくいただけます。

 山形の伝統野菜を知ってほしいとの思いから、毎年、小学校3年生に、うこぎ摘み体験をしてもらい、摘んだうこぎは、学校給食で食べてもらっています。

 八百屋のみなさんにも、ぜひおすすめして、これを機会に、うこぎがたくさん売れるようになれば、と思っていますので、よろしくお願いいたします。

 
■2011年6月19日 第3回 〜 商品情報「達者de菜」「アスパラガス」
 今日は、山形から、「達者de菜(たっしゃでな)」というニラと、アスパラガスをお持ちしました。どちらも、山形県北部に位置する新庄市最上町に大きな産地があります。

 「達者de菜」というネーミングには、2つの意味があります。1つは、山形県は高齢化が進んでおり、特に、生産されている方はだいぶお年を召しているので、「みなさん、元気で生産していきましょう!」と声掛けをする意味合い。もう1つは、山形県から東京など県外に出ていく方々に地元のものを送って応援しよう、ということです。「みなさん、達者で暮らしてくださいね」という意味が、この名前に込められています。

山形県東京事務所 川口氏

 5月末から出荷され、今日お持ちしたものは、一番刈りのやわらかくて葉肉が厚く、非常においしいものです。年に3回収穫しますが、それほど多くは収穫しないのも特徴のひとつです。

 ニラの生産面積は、166ヘクタール。生産者数は、406人。生産量は、2,800トン。昨年度、11億円を突破した、県内で有数の産地です。東京市場でも、6〜9月では一番のシェアを占めており、年間でも、栃木、茨城に次いで、3番目に多いシェアになっています。

 お浸しにしてもおいしいのですが、最近では、このまま生でサラダでも召し上がる方も増えてきています。

 アスパラガスは、JA新庄最上のもので、ちょうど本格的な収穫時期を迎えています。生産量は340トンで、約3億円。生産面積は、40ヘクタール。栽培者は約100名。1日約3トンが東京市場に出荷されています。

 地元では、食べ方のひとつとして、これをわらび漬けのように1本漬けにして召し上がる方が多くなっています。また、町をあげてアスパラガスを名物にしようと取り組んでいるところもあり、麺に練り込んで、アスパラガスラーメンを出しているお店も増えています。特に、赤倉温泉では、「温泉+アスパラガスラーメン」を楽しみに来られる方もたくさんいらっしゃいます。

 傷まないように、すべて縦詰めで出荷されており、暑い時期でも、ある程度は日持ちします。今後、さらに暑くなる時期は発泡スチロールなどを使って、フレッシュなままお客さまにお届けしたい、と考えています。

 山形県では、「さくらんぼ元気キャンペーン」をしています。さくらんぼは、お米についで重要な作物で、200億円くらいあります。キャンペーンでは、さくらんぼで、山形県と、震災で多大な被害を被った東北全体を元気づけたい、と一生懸命取り組んでいます。露地の佐藤錦などが少し出てきていますが、本格的な出荷シーズンとなりましたら、ぜひお取り扱いいただき、山形では、さくらんぼ狩りも行いますので、みなさまお誘い合わせの上、山形においでいただければ幸いです。よろしくお願いします。

 
■2011年6月19日 第3回 〜 商品情報 柿沼農園「ゴールドラッシュ」

 当農園では、だいぶ前からトウモロコシを栽培していますが、今日お持ちしたのは、最近作り始めた「ゴールドラッシュ」です。今年はかなりできがよく、粒も多くて、大変甘いとみなさまにご好評をいただいています。

 庭先販売を主体にしており、通販で全国発送もしています。農協への出荷はしておりません。

 4月に、八百屋塾で、当農園のセロリをご紹介しましたが、セロリを刈り取ったあとに、ハウスで裏作として育てているのがトウモロコシです。3月上旬から播種し、今年は6月10日から収穫が始まりました。収穫期間は6月末までと大変短いのですが、その短期間の間に出荷しています。

柿沼農園のゴールドラッシュ
 今日は、ゆでてご賞味いただこうと思っていますが、生でも甘いので、よろしければ、生でお試しください。

 当農園では、トウモロコシのゆで時間がどのくらいがいいのか、いろいろと試してみました。おすすめは、沸騰してから2分間ゆでて上げる。それ以上ゆでると、甘みが減り、トウモロコシ独特の食感も少し落ちてきます。

 ご注文先はお配りしたパンフレットに書いてありますので、よろしくお願いします。

 
■2011年6月19日 第3回 〜 リンゴ産地見学のご案内

 2010年11月、12月の八百屋塾に、志賀高原は山ノ内、夜間瀬というところから、リンゴ生産者の方がプレゼンに来てくれました。

 山ノ内町は、スターキングで一世を風靡した夜間瀬の農協がある町です。リンゴ作りでは、長野県で第一級の町だということは、間違いありません。

 彼らは、自分たちの作ったこだわりのリンゴを、こだわりを持った小売店で売ってもらいたい、というのが希望なんです。

杉本晃章氏

 山ノ内町の行政と、行政が支えている北信農業普及センターの認定農業者の会から、「ぜひ、八百屋塾で産地見学に来てください」というご提案がありました。9月の連休を利用してはどうか、とのことですので、みなさん、ご検討ください。

 生産現場を見るということは、自分の知識になり、他店との差別化など、将来すごく有効になると思います。

 

【八百屋塾2011 第3回】 実行委員長挨拶|講演「トマト」|勉強品目「トマト」「ハウスみかん」|商品情報食べくらべレポートより