「プリンスメロン」は、昭和30年代、皇太子さま(現在の天皇陛下)のご成婚記念のときに発売されたので、「プリンス」の名前が付けられました。マクワウリに西洋系のメロンをかけて作ったものです。当時は、絶大な人気を誇り、プリンスメロンが食べられる、ということがステイタスみたいな風潮もありました。やがて価格も下がり、みなさんにも馴染みの深いメロンになりました。プリンスメロンは過熟するとやや苦みが出てくるので、今は、販売する方も少なくなっていると思います。でも、日本発祥のメロンの大元だという説明をして売ると、その次のオトメメロンなども非常に売りやすくなるので、八百屋さんは、年に1回は、必ずプリンスメロンを売るように努力してください。
赤肉の「クインシー」は、独特の香りがするメロンです。これが好きな方は、「クインシーメロンないですか?」と探しに来るくらいですが、グリーンのメロンが好きな方は、においを嫌います。ですから、お客さまのニーズに合わせて、赤肉好きの方に、「おいしいクインシーメロンが入りましたよ」とすすめると、喜んで買ってくださいます。赤肉メロン全般に関して、そういうことがいえるのではないか、と思います。
「レノン」は、宮崎産の赤肉メロン。クインシーよりもさっぱりしています。赤肉といえば、夕張メロンが代表格ですが、夕張が有名になったので、2番手、3番手として出してきたのがクインシーやレノンです。レノンは大型で、玉数の少ないものを買ったほうがいいと思います。
「肥後グリーン」は、いいお値段なのですが、味もすごくおいしい。3〜4年前、松山で青年会の会議があったとき、会場に、肥後グリーンのタネの開発をした方がいらっしゃいました。メロンが持っている本当の風味を出したくて、一生懸命開発した、というお話でした。原価が最低でも1個1,000〜1,500円くらいになってしまい、安くは作れないそうです。食べた感じは、マスクメロンに近い味で、マスクより実がしまっている、という印象を受けました。
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