■2011年5月22日 第2回  〜 勉強品目「マメ類」 東京青果(株)個性園芸事業部 副部長 野原秀司氏
◇勉強品目「マメ類」
  • 今日のピースは、JA熊本うきの「南海みどり」です。ピースの旬は5月、ちょうど今頃の時期で、産地としては、南の地方が多い。

  • ソラマメは千葉の山武、「打越一寸」という品種です。ソラマメは、年間を通じて5月が一番多くなっています。

  • サヤエンドウは、収穫に非常に手間のかかる野菜なので、外国産が多くなっています。国産と中国産の価格差が3倍くらいなので、輸入を使っているところが多いと思います。
東京青果(株) 個性園芸事業部
副部長 野原秀司氏
  • インゲンは7月と10月がピーク年間では沖縄が一番多くなっていますが、7月に一番多いのは福島で、120トン。10月も福島が多いのですが、次いで鹿児島が多く、2つあわせて、125トンになっています。余談ですが、インゲンを日本に伝えた隠元禅師という方は、京都の宇治にある黄檗山 万福寺(おうばくさん まんぷくじ)の開祖で、茶祖(ちゃそ)といわれています。抹茶ではなく、煎茶の茶祖だそうです。こういったことも覚えておくと、お客さまにお話しする際のひとつのエピソードになると思いますので、参考にしていただければ幸いです。

  • 「マーメラス」は、古橋さんという方が自家採種をして、ずっと作り続けているもので、名前は英語の「マーベラス」にかけた造語です。

  • エダマメは「フクダルマ」と、「サカイニシキ」を持ってきました。エダマメの入荷のピークは、7月です。

  • トウミョウは村上農園の商品で、栄養価が高いので、スプラウトブームというか…。近年、ブロッコリーや蕎麦など、さまざまなもののスプラウトが作られています。

  • ピース、ソラマメ、インゲン、サヤエンドウ、エダマメの東京青果への入荷量(2010年)は以下の通りです。
【ピース】 【ソラマメ】 【サヤエンドウ】
 鹿児島  
28 トン 
 福岡
13 トン 
 栃木
6 トン 
 千葉
5 トン 
 和歌山
  4.7 トン 
 鹿児島  
219 トン 
 千葉
117 トン 
 茨城
105 トン 
 宮城
93 トン 
 愛媛
  83 トン 
 中国(輸入)  
70 トン 
 愛知
57 トン 
 福島
51 トン 
 鹿児島
47 トン 
 タイ(輸入)
  46 トン 
 長崎
44 トン 
 ベトナム(輸入)
  39 トン 
【インゲン】 【エダマメ】  
 沖縄  
  221 トン 
 福島
 199 トン 
 鹿児島
130 トン 
 千葉
112 トン 
 群馬  
431 トン 
 埼玉
419 トン 
 千葉
339 トン 
 山形
263 トン 
 秋田
  205 トン 
◇マメ類の写真
ウスイエンドウ
グリーンピース
ソラマメ(打越一寸)
ソラマメ(ファーベ)
キヌサヤ
インゲン(グリーンタッキー)
インゲン(サーベル)
インゲン(ステイヤー)
インゲン(鴨川グリーン)
マーメラス
モロッコインゲン
シカクマメ
エダマメ(フクダルマ)
エダマメ(サカイニシキ)
トウミョウ
 
■2011年5月22日 第2回 〜 勉強品目「メロン」 安蒜俊男氏
◇勉強品目「メロン」
  • 「プリンスメロン」は、昭和30年代、皇太子さま(現在の天皇陛下)のご成婚記念のときに発売されたので、「プリンス」の名前が付けられました。マクワウリに西洋系のメロンをかけて作ったものです。当時は、絶大な人気を誇り、プリンスメロンが食べられる、ということがステイタスみたいな風潮もありました。やがて価格も下がり、みなさんにも馴染みの深いメロンになりました。プリンスメロンは過熟するとやや苦みが出てくるので、今は、販売する方も少なくなっていると思います。でも、日本発祥のメロンの大元だという説明をして売ると、その次のオトメメロンなども非常に売りやすくなるので、八百屋さんは、年に1回は、必ずプリンスメロンを売るように努力してください。

安蒜俊男氏
  • 「タカミメロン」は、ここ数年で非常に人気が出てきました。その理由は、店持ちがいいこと。若いころはちょっとかたいですが、甘みは薄くなく、食べることができます。追熟してくると、果肉が少しやわらかくなってきて、また違う味になる。その期間がすごく長いメロンです。やや大きめ、5玉、4玉のほうが味はいいので、そのあたりを狙って売ってください。

  • 赤肉の「クインシー」は、独特の香りがするメロンです。これが好きな方は、「クインシーメロンないですか?」と探しに来るくらいですが、グリーンのメロンが好きな方は、においを嫌います。ですから、お客さまのニーズに合わせて、赤肉好きの方に、「おいしいクインシーメロンが入りましたよ」とすすめると、喜んで買ってくださいます。赤肉メロン全般に関して、そういうことがいえるのではないか、と思います。

  • 「キンショーメロン」は、プリンスメロンと同様に、マクワウリにスペイン系のタネをかけた黄色いメロンです。あっさりとした味で、初夏、ちょうど今頃の時期が非常においしい。また、キンショーは、縦に実割れしてくると、味がのってきて、違う味になるという不思議なメロンでもあります。

  • 「アンデスメロン」は、ここ何年か、ずっとメインの商材だと思います。名前の由来は、「安心です」からきています。足の早いメロンですが、甘みが強く、かたいうちでも食べられます。店に並べたら、早めに売るように努力したほうがいいでしょう。

  • 「味の香(あじのか)」は去年あたりから出始めた、不思議な色のメロンです。去年の時点では、生産者が1人だけで、大田市場にしか入っていない商品でした。今年は別の市場にも入っているようです。とれたてのころはシャキシャキとして、キンショー系の歯ざわりがするメロンなのですが、追熟してくると、ねっとりとしてクリーミーになり、とてもおいしくなります。色も変わってきます。最初はグリーンだったのが、だんだん黄色くなってくる。黄色くなっても、実の中身は崩れないメロンです。これから期待できるメロンだと思いますので、覚えておいてください。

  • 「レノン」は、宮崎産の赤肉メロン。クインシーよりもさっぱりしています。赤肉といえば、夕張メロンが代表格ですが、夕張が有名になったので、2番手、3番手として出してきたのがクインシーやレノンです。レノンは大型で、玉数の少ないものを買ったほうがいいと思います。

  • 「肥後グリーン」は、いいお値段なのですが、味もすごくおいしい。3〜4年前、松山で青年会の会議があったとき、会場に、肥後グリーンのタネの開発をした方がいらっしゃいました。メロンが持っている本当の風味を出したくて、一生懸命開発した、というお話でした。原価が最低でも1個1,000〜1,500円くらいになってしまい、安くは作れないそうです。食べた感じは、マスクメロンに近い味で、マスクより実がしまっている、という印象を受けました。

  • イエローキングは、ホームラン系で、キンショーに似ています。キンショーは、スペイン系のメロンをかけてあるので、縦長になる。イエローキングは丸いメロンです。
◇メロンの写真
プリンスメロン
タカミメロン
クインシーメロン
キンショーメロン
アンデスメロン
味の香
レノン
肥後グリーン
イエローキング
 

【八百屋塾2011 第2回】 実行委員長挨拶|講演「マメ類」|勉強品目「マメ類」「メロン」商品情報食べくらべレポートより