■2011年11月20日 第8回 〜 商品情報 山形産「赤根ほうれんそう」

 今日は、「赤根ほうれんそう」をお持ちしました。

 山形県天童市はほとんどが果樹地帯で、野菜を作っている農家さんはほとんどいません。ネギが1億円ほど、ほうれんそうはまだ500万円くらいの生産高です。私たち天童市野菜研究会では、在来の「赤根ほうれんそう」をPRしながら生産を伸ばしていこうとしている段階です。

 「赤根ほうれんそう」は在来の品種なので、病気に大変弱く、ほうれんそうのベト病に耐性がほとんどありません。

天童市野菜研究会 今野敬太氏

 西洋のF1品種は、ベト抵抗性で7くらいになっていると思いますが、「赤根ほうれんそう」は0。ほとんど防除でしか対応できないので、なかなか生産者が増えず、産出額も増えません。

 根っこがとても甘いので、切らずに根っこもぜひ食べていただきたい。葉っぱにもあまりアクがなく、大変おいしい品種です。

 みなさんのように、しっかり勉強されている八百屋さんに興味を持っていただき、販売してもらえればありがたいと思っています。PRのために、昨年から「赤根ほうれんそう」を使った料理コンテストを開催し、地元で普及拡大を図っています。その効果か、最近は地元のスーパーで取り扱ってもらっています。今後は、少しずつ東京方面に出していければ、と思っています。

赤根ほうれんそう

 今、関東には、新宿ベジフルさんに少し出しています。あと、山形のアンテナショップに、生産者が個人的に出していたようです。価格は、地元では1束198円。市場では100円くらいで取引してもらっています。

 10月下旬から露地が始まり、ハウス物が3月くらいまで続きます。寒くなると、どんどん甘くなります。「赤根ほうれんそう」のタネを保存していた方は、雪におおわれたなかから掘り出して洗って出していたそうです。手間がかかるので、天童市ではしていませんが…。天童にはもう何度も霜が降りており、そろそろ雪も降り始めます。これからますます甘みが増してきますので、「赤根ほうれんそう」を、ぜひよろしくお願いします。

 
■2011年11月20日 第8回 〜 商品情報 山形産「肘折かぶ」
 私たちの村には、肘折温泉という温泉があります。 もう1200年になるという歴史ある温泉です。 ここで昔から 細々と作っていたかぶがあり、「地かぶ」と呼んでいたのですが、3年くらい前に何か名前をつけたほうがいいだろう、ということになり、肘折温泉の肘折をとって、 「肘折かぶ」と名づけました。

 今、伝承野菜が注目されていますが、「肘折かぶ」はその認定を受けたかぶです。認定を受けるには、30年以上自分の家で作っていもので、タネは全部自家採種という決まりがあります。

肘折かぶ生産者 佐藤勝氏

 「肘折かぶ」は100年以上経っていると思います。ただ、作っていたのは私ひとりだけでした。伝承野菜ブームを受け、急に漬物屋さんなどからの問い合わせが増え、今、だいたい7トンくらい要望がありますが、3〜4トンしか作れません。そこで、仲間4人で、何とか要望にこたえようと思っています。

 ほとんどが漬物用です。生で食べる人はあまりいないと思います。私も生は食べたことがない(笑)。

肘折かぶ

 どうして漬物屋さんから「肘折かぶ」の要望があるかというと、かたいので目減りしないんです。100キロ買っていったら90キロくらいになります。普通のかぶの漬物は60〜70キロにしかならない。また、10何種類かのかぶを漬物にしたところ、これが一番よかった。1ヶ月くらい経つと真っ赤になります。食感はものすごくシャキシャキしていて、ちょっと辛みがあっておいしい。

 今日お持ちした「肘折かぶ」の漬物は、まだ漬けてから10〜15日くらいなので、本当の味は出ていないと思います。本当は1ヶ月後くらいに食べるといい。で、だいたい4〜5月まで食べられます。

 私の村では、もう1回雪が降りました。普通だったら、3〜4m雪が積もります。そういうところじゃないと「肘折かぶ」は育ちません。それが伝承野菜というものだと思っています。

 

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