■2024年3月17日 第12回 修了式 〜 食べくらべ
◇レシピの説明
[石井玲子氏より]
  • 今日は山菜を使ったレシピを6品ご紹介します。山菜というと、おひたしや天ぷらが定番ですが、八百屋塾では、「脱・定番レシピ」を目指しています。

  • 「こごみ香煎揚げ」。せんべいの香りでいただくので、香煎揚げといいます。こごみは、アスパラガスのようにポキッと手で折れるところで折って、筋を取りました。薄力粉を薄くはたいて、卵白をくぐらせ、柿の種を砕いて衣にしました。卵白は、卵黄と分けたら混ぜないのがポイントです。混ぜると、サラっとして扱いづらくなる、とレシピ考案者の黒津が言っていました。柿の種は、細かく砕いてください。柿の種をたくさん買って、残りが湿気てしまった、というようなことになる前に、砕いて揚げ物に使うといいと思います。普通のおせんべいでもいいですし、辛みの強い柿の種なら、ピリッと辛い揚げ物になります。

  • 「たらの芽 赤柴白あえ」。たらの芽をクリームチーズと赤い柴漬けであえた、桜色のあえ物です。たらの芽の下の茶色いところは、ぐるっと包丁で落とします。上の方の茶色く残ったところも包丁で取り除き、お尻にバッテンの切り目を入れて、茹でます。ボウルにクリームチーズを入れます。クリームチーズはサイコロぐらいの大きさに切り、よく練ります。練ることで、桜色がきれいに出ます。柴漬けは細かく刻み、ようすを見ながら入れていきます。少し置いておくと、色が馴染んでピンク色になります。すぐ食べるのでしたら、漬け汁を入れてもいいと思います。茹でておいたたらの芽を入れ、さっくりと混ぜて、クリームチーズの衣がなじんだら出来上がりです。衣の味を見ていただいて、めんつゆ、顆粒だし、砂糖、塩など、お好きな調味料で自分好みの味にカスタマイズしてもいいと思います。たらの芽は、素揚げや焼いたものを使ってもおいしくできます。
石井玲子氏

山菜料理の試食
  • 「花わさび醤油漬け」は、大きな瓶に入れて作りました。今日は浅漬けですが、時間を置くと辛みが増してくると思います。切った花わさびを瓶に入れ、砂糖、めんつゆを加え、シャカシャカと振るだけです。瓶がなければ、ジップロックや蓋の閉まるタッパーでも。お子さんと一緒に作れ、保育園など食育でもおすすめできます。振ったら置いておき、また振って…を繰り返して、お好みの辛さに調節して召し上がってください。

  • 「うるい辛子浸し」。うるいは茹でました。顆粒だし、醤油、砂糖、みりん、めんつゆ、練り辛子をボウルに合わせておき、茹でたうるいを加えておひたしにしました。簡単に作れます。

  • 「行者ニンニク中華炒め」。がっつりご飯が進む系の中華炒めです。豚肉でもチキンでもいいのですが、今日はヘルシーに厚揚げを使いました。厚揚げを焼いておき、行者ニンニク、調味料を入れて、炒め合わせたものです。味付けは、豆板醤とオイスターソースで、ピリ辛です。

  • 最後はデザート、「ふきのとうケーキ」です。ほろ苦い、ちょっと大人味のケーキになっています。このままホイップクリームと一緒に食べるのがおすすめですが、チョコチップや砕いたチョコレートを入れたり、味噌を入れたり、とアレンジもききます。給食施設などで、おやつにこのケーキを出しているところがあります。季節の行事食とおすすめできるメニューです。
 
◇試食の感想など
  • 料理はどれも大変おいしかったです。そして、1年間ありがとうございました。私が面白いと思ったのはたらの芽とクリームチーズのあえ物。クリームチーズが強くたらの芽の香りが感じにくいのは残念ですが、ワインにも合うと思いました。ふきのとうのケーキはまだ食べてないのですが、甘い味なんですよね。さっき、塩だけで作るケーキがある、という話をしていて、その方がふきのとうには合うのでは、という話も出ましたが、これはこれでいいのではないかと思います。

  • たらの芽の白あえは、クリームチーズと香りがよくあって、とてもおいしかったです。

  • 1年間、いろいろと楽しいお料理をありがとうございました。特に今日は、6種類も力が入った料理がいただけて、どれもがおいしかったです。私は、こごみの揚げ物がとても香ばしくて気に入りました。

  • 今日初めて参加しました。とても楽しく、面白い会でした。ありがとうございました。料理は目から鱗で、 こんな山菜の食べ方があるのか、と。本当においしかったです。ふきのとうのケーキもおいしかったし、その他はどれもお酒がほしくなりました。今、墨田区で、ボランティア仲間と農園を作り、寺島なすのPRや普及活動につとめています。機会があれば、ぜひ寺島なすを使ってください。

  • 山菜の食べ方って難しいですよね。天ぷらだけでは飽きる。今日のようにいろいろな味を試してもらえれば、違う面白さとかがありますね。家庭で食べてもらうのはなかなか難しいと思いますが、こうしてちょっとアイデアを出した食べ方であれば、もう少しアピールできるかもしれません。ただ並べるだけで、「ふきのとう、いかがですか?」って言ってもなかなか出ないので、今日はありがとうございました。

  • 修了者のみなさん、本日はおめでとうございます。毎日、山菜売っていても、家で食べる機会はあまりないですよね。料理屋で天ぷらの山菜ぐらい。私は、普段、山うどの酢味噌和えは自分で作ってよく食べていますが、今日は、いろいろな種類の山菜を一度に食べられて、とても贅沢でした。これは絶対、商売に活かさないといけません。山菜自体がブームも下火になり、最近、なかなか売れなくなってきていますが、納品とかでプッシュすれば、もう少し販路も開けるのではないかと思います。
 
◇終わりに
  • 受講生のみなさま、調理班の方、そしてスタッフ、1年間ありがとうございました。来年度以降も、勉強だけではなく、受講生同士のコミュニケーションがとれるような楽しい八百屋塾を目指していきます。野菜は年々味が変わっていきます。今後とも引き続き、八百屋塾をよろしくお願いいたします。来月は、4月21日。開講式と、テーマは「バナナ」を予定しています。さまざまなバナナの食べくらべ も行いますので、よろしくお願いします。(実行委員長 柴田)