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■2024年1月21日 第10回 さつまいも・いちご 〜 「伝統野菜のさつまいもについて」 伝統野菜プロジェクト 領家彰子氏
◇伝統野菜の「さつまいも」について
[伝統野菜プロジェクト 領家彰子氏より]
来歴と在来のさつまいもを一部ご紹介します。
さつまいもの原産地は中南米のメキシコから西インド諸島を含むグァテマラ地域と考えられています。
メキシコでは紀元前3000年以前には栽培され、紀元前2000年頃にはペルーなど熱帯アメリカに伝わったと推定されています。ペルーの海岸では紀元前1000年前ごろの乾燥した根が出土し、インカ文化を築いた糧になったとみられています。さつまいもはジャガイモやキャッサバなどほかのイモ類と異なり、有毒成分を含まないので、日常的に重要な食用とされました。
伝統野菜プロジェクト 領家彰子氏
世界に伝播したルートは、3つあるとされます。「クマラ・ルート」。ポリネシア諸島へは種子や果実の漂流などによる伝播、とされていましたが、両地域にさつまいもの呼び名に共通する点があり、コロンブス以前にタロやヤムなどの根菜農耕文化と融合しつつ、フィリピン付近まで伝播したことが判明しています。次に、「バタータス・ルート」。コロンブスがスペインに伝えましたが、熱帯作物のため広がらず、アフリカ、インド、東南アジアに持ち込まれました。アメリカ合衆国へは17世紀に伝わったとされます。最後に、「カモテ・ルート」。スペイン人が香料を求めて太平洋を横断、ポリネシアへの航路を開拓したおりにインドネシア、フィリピンへと伝えたといわれています。
フィリピンは東西ルートの接点といわれ、中国には16世紀末福建に、17世紀初め琉球に、薩摩には1705年に入ったとされますが、諸説あります。沖縄の風土に適していたさつまいもは南西諸島を北上し、九州では、鹿児島、?崎両県で普及しました。1732年の蝗(イナゴ)の害による凶作で多くの人々を救ったことが幕府に伝わりました。関東では青木昆陽が『蕃薯考』を著し、小石川薬園で試作が始まります。各地で救荒・代替食料や炭水化物資源としての役割を果たしてきました。
さつまいもの在来品種をご紹介します。鹿児島県の「山川紫」。1985年に山川町で発見。高アントシアニンを含む。加工用・焼酎として使われます。
「安納芋」は、種子島の在来種。カロテンを含み肉色は淡橙色。皮色は褐と淡黄褐。粘質で、東京では安納芋の焼きいもが高級品となっています。
「種子島紫」は古くから自家用栽培されてきた紫肉の在来品種で、皮色は淡紫と白。粉質。「種子島ロマン」と「種子島ゴールド」が開発されました。
「こうきいも」は、屋久島。大正10年、岡山県より「七福」を導入、導入者の名前、幸吉にちなみ命名。焼くと粘性で、糖度が高まります。鹿児島県の伝統野菜として扱われています。
香川県の「坂出金時」は、「高系14号」をもとに1957年から10年かけて濃い皮色のものを選抜、1977年命名。塩田跡地の粗い砂地で栽培され、粉質と粘質の中間。香川県の伝統野菜です。
「五郎島金時」は、石川県の伝統野菜・加賀野菜です。五郎島村では1700年頃からさつまいも栽培が始まり、元は村のイモの総称でしたが、「高系14号」を導入して1984年に命名されました。砂丘地帯で栽培されています。
今日は「山川紫」など在来の品種が来ています。現在の品種と食べくらべてみてください。
【八百屋塾2023 第10回】
挨拶
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講演「さつまいもについて」
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伝統野菜の「さつまいも」について
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勉強品目「さつまいも」「いちご」
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いちごに関する調査研究の発表
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食べくらべ
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