■2023年5月21日 第2回 とうがらし 〜 食べくらべ
◇「とうがらし」の食べくらべについて
[タナカトウコ氏より]
  • とうがらしの食べくらべは4種類、万願寺、伏見甘長、ししとう、パレルモ。それぞれ、生と加熱したものをお出しします。生で食べるのはしんどいと思ったのですが、食べてみたいというご意見があったので、用意しました。無理して食べなくても大丈夫です。

  • 万願寺は大きいので1/4にカットしました。ホットプレートで、ちょっと多めのなたね油で揚げ焼きにしています。伏見甘長とうがらしは、生は1/2カットで、焼いたものは1本そのままです。万願寺と同じ調理法です。
タナカトウコ氏
  • ししとうは千葉県産を使いました。

  • パレルモは、プリンセスパプリカ極甘を使いました。赤と黄色で1パックになっていたので、赤い方を焼いて、黄色い方を生でお出ししています。1/4カットです。先ほど生で試食してみたところ、赤の方が甘くて、焼きと生を逆にすればよかったかなとは思いましたが、味の差異は感じやすいと思います。

  • 試食は、先ほど講師のサカール祥子さんにご紹介いただいたサルサソースと、ホットプレートで揚げ焼きにしたししとう、ししとうの焼き浸し、山椒の佃煮もあります。

  • さくらんぼの食べくらべは4種類の予定でしたが、高級な箱入り佐藤錦を追加し5種類です。
とうがらしの食べくらべ
さくらんぼの食べくらべ
 
◇レシピの説明
[石井玲子氏より]
  • 調理班から、本日は、ししとうの焼き浸しをご紹介します。

  • ししとうにつまようじで少し穴を開け、多めのなたね油で焼いてから、めんつゆに漬けたものです。

  • 今日使っためんつゆは3倍濃縮のタイプです。つゆ1に対して、水8を入れています。穴を開けると、中につゆが染み込んでいくので、食べたときにじゅわ〜っとつゆの味が味わえます。ししとうの味がそれに負けないように、薄味でほんのりした色合いのつゆに仕上げています。
石井玲子氏
ししとうの焼きびたし
 
◇食べくらべと試食の感想
  • パレルモ以外は生で食べる機会がなかったので新鮮でしたが、残念ながら、生だと、万願寺、伏見ともに、ほとんど味も感じないし、香りも特別なかった。パレルモは、生の状態でも非常に甘く、肉厚で、おいしかったです。油との相性という面では全部違っていて、ししとうは、油にマッチングするのですが、万願寺、伏見は、かえって油が邪魔になるような感じがしました。パレルモは、まるでトマトを食べているような、トロトロ食感になっていました。火を入れたときと、入れないときの違いが面白かったです。

  • (タナカトウコ氏より)最初に万願寺と伏見を焼いたので、時間の経過により、より油っぽさを感じてしまったのかもしれません。なお、加熱したとうがらしについて、味付けの質問がありましたが、塩も何も振っていなくて、油で焼いただけです。

  • 今回のものを生で食べる機会がなかったのですが、パレルモは生でもおいしく、野菜スティックで使えそうかなと。あとは焼くだけでみんなおいしかったので、お客さまにおすすめしやすいと思いました。

  • 生であまり味はしませんでしたが、万願寺の方が伏見よりも食感がシャキシャキしていたかな、と。伏見は、柔らかで、ほんのりと甘さを感じられました。ししとうは、青臭さが際立っていた気がします。焼くことで甘さを感じました。パレルモは、生でも焼いても、非常に甘くておいしかったです。

  • (大石さん)「こんにゃくと山椒の煮つけ」を作りました。粒山椒は和歌山のもの、冷凍品です。山椒は地域によってだいぶ味が違うので、考えて料理に使っていただきたいと思います。チリメン山椒にするときは、煮たあとに電子レンジなどで乾かすといいでしょう。ちなみに、「いわしの有馬煮」とか、有馬煮という名前の料理には山椒が入ります。「しそ巻き南蛮」は岩手のとうがらしを使いました。スーパーなどで売っているしそ巻きは揚げてありますが、これはテフロンのフライパンでころころ焼いたタイプです。夏に作って、食欲のないときにお茶漬けにしたり、ご飯といっしょに食べるそうです。今日は全量に対して入れたのは2本です。3本入れると辛いことがあるので、やや控えめにしました。

  • アメリカンチェリーはあまり好きではないのですが、今のものは昔ほど渋くなくて、バランスもよく、おいしく食べられました。紅さやかは十分甘いのですが特徴がなく、紅秀峰が最も甘くて好みでした。1番の佐藤錦は表現はよくないかもしれませんがべったり甘いというか…。高級なほうの佐藤錦は、甘味ばかりではなく、酸味とのバランスのよさもあって、だからこその高級品なのかな、と感じました。

  • 紅秀峰が1番甘みを感じました。紅さやかは甘さはあまりなく、酸味がありました。高級品以外で1番食べたいと思ったのは、紅秀峰でした。

  • とうがらしの食べくらべは、緑の3つは、生ではあまり違いを感じませんでしたが、焼いたものは、いい具合に焼かれていて甘みも出ていました。パレルモは衝撃でした。うちの畑では露地だとうまくいかず、パレルモにあの色がついてくると同時に溶けてきたり、あっという間にダメになってしまいます。まわりの農家さんでも、パレルモはハウス栽培の人が多い。でも、このおいしさは、うちの畑でも作って食べたいと思いました。さくらんぼは、私は紅秀峰が1番好きでした。今度見かけたら買いたいと思います。

  • さくらんぼはまだ早くて、ほとんどがハウス物です。妥当なのは紅秀峰と佐藤錦。農家さんに聞いたところによると、紅さやかは完熟しないとおいしくないそうです。アメリカンチェリーももう少し経つと甘みがのってくると思います。

  • 辛いもの大好きなので、サルサソースがすごくおいしかったです。今度、とうがらしをやるときはカントリーマアムも用意するようにします(笑)。
こんにゃくと山椒の煮つけ
しそ巻き南蛮