■2023年4月23日 第1回 開講式 〜 食べくらべ
◇「キャベツ」の食べくらべについて
[タナカトウコ氏より]
  • 食べくらべは、「寒玉キャベツ(愛知)」、「春系キャベツ(神奈川)」、「タケノコ型(埼玉)」、「愛知大晩生(愛知)」の4種類。生と、蒸したものをお配りしました。味はつけていないので、塩が欲しい方はおっしゃってください。

  • 今回から、3年ぶりにレシピ提案と試食が復活しました。調理班のひとりで、和食料理人の黒津さんにご提案いただいたレシピをみなさんにお配りします。
タナカトウコ氏
キャベツの食べくらべ
 
◇レシピの説明
[石井玲子氏より]
  • お配りしたレシピは、都内のホテルで和食の調理と管理栄養士をしている黒津さんが考案してくれたものです。

  • 1品目は、キャベツとアンチョビのマヨネーズ炒め。フライパンにマヨネーズを入れ、大きめの四角形にざく切りにしたキャベツを、刻んだアンチョビといっしょに炒めただけです。お配りしたレシピには、「塩、こしょうで味を調える」と書いてありますが、今回は振っていません。マヨネーズとアンチョビの塩味だけですので、血圧を気にされている方も食べられる健康的なレシピです。アンチョビは、カタクチイワシの塩漬けをオリーブオイルやひまわり油などに漬けたもの。輸入食品店や、最近ではスーパーでも缶詰や瓶詰の形で購入できます。今回の炒めものはアンチョビのオイルとマヨネーズの油分で炒めました。スパゲティーにも応用していただけます。野菜を使ったお酒のおつまみとしても、おすすめできる1品です。

  • 2品目は、キャベツとガリのコールスロー。火は使わないので、八百屋さんの店頭などでもおすすめしやすい簡単レシピです。スーパーで売っているガリをせん切りにし、ガリがつけてあった甘酢といっしょにあえただけです。キャベツはせん切り後に塩もみをして、水分はぎゅっと絞ってからあえてください。白いりごまをふることで、より味わいがよくなります。野菜をどうやって食べたらいいのかわからないとか、火を使う調理が面倒という方にもぜひおすすめしていただきたいレシピになっています。

  • 資料には、その他の参考レシピとして、キャベツのピザ、塩だれキャベツ、キャベツの塩昆布和えなどをご紹介しています。キャベツのピザは、キャベツに塩こしょうをして、ピザソースとピザ用チーズをかけてトースターやオーブンで焼くだけです。塩だれキャベツは、よく焼肉屋さんで出てくる一品です。塩昆布和えは、キャベツと塩昆布を和えるだけ、これも火を使わないレシピなので、ぜひ参考にしてください。

  • 今日はキャベツづくしの食べくらべと試食で、みなさんの胃腸もすごく健康になって帰れると思います。たくさん食べて、自分の体も健康になれるレシピをどうぞ楽しんでめしあがってください。
キャベツとアンチョビのマヨネーズ炒め
キャベツとガリのコールスロー
 
◇食べくらべと試食の感想
  • キャベツの食べくらべは、「寒玉」、「春系」、「タケノコ型」、「愛知大晩生」の順番で食べました。「寒玉」はやっぱり「寒玉」ですね。「春系」は少しやわらかく感じて、「タケノコ型」も「春系」に似たやわらかさでした。「愛知大晩生」はしっかりとしたかたさでした。蒸したものに関しては、「寒玉」は普通。「春系」は少し甘く、「タケノコ型」も少し甘いのですがなんとなく食感がいい気がしました。「愛知大晩生」の蒸したものは、とてつもなく甘くておいしく感じました。料理は、キャベツとガリのコールスローがすごくおいしい上に簡単でいいな、と思いました。アンチョビ炒めももちろんおいしかったです。後ろで焼いているときのキャベツの香りがすごくよかったです。

  • 「寒玉キャベツ」は、予想した通りのかたさで、よく噛むと甘みが出るのですが、そこに行くまでが大変という気がしました。「春系」の三浦は、みずみずしさとやわらかさはありましたが、甘みはやや少なかったです。「タケノコ型キャベツ」は、見た目はかたそうだったのですが意外とやわらかくておいしかった。「愛知大晩生」はかなりかたかったので頑張りました(笑)。私は蒸したキャベツの独特のにおいがちょっと苦手なのですが、「タケノコ型キャベツ」はそのにおいがわりと少ないように感じました。

  • 生のキャベツは神奈川の「春系」が非常にやわらかく感じました。「愛知大晩生」は、生でも蒸しても甘みが強く、今までのキャベツの概念とはやや違う、と思いました。「タケノコ型キャベツ」は薄めの味で、好みだとは思いますが、私としては個人的に「愛知大晩生」のほうが好きでした。キャベツとガリのコールスローは私でも作れそうなくらい簡単なレシピで、非常においしかったです。

  • たかがキャベツ、されどキャベツで、改めて味の違いを楽しむことができました。とても特徴的だと思ったのは、「愛知大晩生」。生でもとても甘く、肉厚で、揚げ物の横に置いてあったら、お口がサッパリしていいと思いました。味わいのバランスもいい。加熱したときのねっとり感も、ものすごくおいしいと思いました。特別なキャベツなのかもしれませんが、こういうものは残していきたい、と思います。
 

【八百屋塾2023 第1回】 挨拶講演「これからの八百屋の可能性」勉強品目「キャベツ」食べくらべ