Q:生の状態で販売する緑色のとうがらしは、おいておくと赤っぽくなったり、へなへなになるものがあります。新しいうちに使ってもらった方がいいのか、赤くなってからでも大丈夫なのでしょうか?
A:緑の状態で食べた方がおいしいもの、赤くなってからも食べられるもの、これは種類によります。農家では、品種によっては、緑から赤になりかけの状態で少し置いて、追熟させて出す場合もあります。夏場の作物なので常温で2週間ぐらいはもちますが、いったん冷蔵庫に入れると腐りやすくなります。収穫後に農家で冷蔵保管して出したものは、お店で常温におくとくさりやすいので注意が必要です。
Q:調理の仕方によって辛さのレベルは変わりますか?
A:カプサイシンは油溶性ですから、料理に油を多く使うと辛さが油に移り、とうがらしそのものの辛さはやや減る感じでしょう。でも、料理全体としての辛さは変わりません。油気のないものを煮ると、とうがらし自体の辛さはそれほど変わらず、カレーのように油を使う料理では全体に辛さが移り、とうがらし自体の辛さは少し減るかもしれません。
Q:とうがらしの栽培をどういう風に研究されたのか、また、どんなご苦労があるのか教えてください。
A:日本で一般的に作られているとうがらしについては農家さんに教わりました。全然違うとうがらしを作りたいと思って、トキタ種苗さんから種苗を入手し、詳しく教えていただきました。後は独学半分と、とうがらしを研究している信州大学の先生のお話を聞きに行ったり、ベトナムに研修に行って栽培方法を見学したり…。メキシコ系の農業関連の人にも栽培方法を教わっています。品種や国によって全然違います。年中作るところ、ワンシーズンしか作らないところ。畑をかん水しているところ、自然の雨だけのところ…。私たちは基本的にオーガニックですが、慣行農法も知るために、両方の勉強をしています。
Q:病害虫の発生はありますか?
A:ウイルス病は多少あります。カメムシ、タバコガ、コオロギなどの虫によく食べられます。オーガニックだからではなく、農薬を使っていても出るそうです。虫が食べた穴に別の虫が入り込んだりすることもあるので、検品のときは気をつけて見ます。虫に限らず、傷があると腐りやすくなるので注意しています。
Q:世界のとうがらしの種の入手先はどこですか? とうがらしの販売ルートについても教えてください。
A:大手の種屋さんがいろいろな品種を持っているので、なくされないようにせっせと買っています。輸入専門の種屋さんに「今年、これ入れてみたけど、どう?」って言われたら、買います。知り合いから分けてもらうこともありますが、基本は種屋さんから入手しています。流通に関しては、さいたまヨーロッパ野菜研究会に所属しているので、そこから仲卸さん経由で購入していただいています。宅配便で直送するのはコストが高くなります。物流は農業全体で考えなければならない課題だと思っています。
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