■2023年12月17日 第9回 青菜・きんかん 〜 勉強品目「青菜」 東京青果(株) 鈴木氏
◇「青菜」について
[東京青果(株)  鈴木氏より]
  • ほうれん草は、江戸時代以前にネパールなどを経由して東洋種が入り、江戸時代末期、開国と同時に西洋種が入ってきました。今、販売されているのは、ほぼ、この2つを掛け合わせたハイブリッド品種です。両方のいいとこ取りで、種のメーカーによって、葉が広かったりギザギザだったりします。産地などは、販売の担当に聞いていただけたらなと思います。

  • 天候等の問題もあり、年末に向けて、相場的には荒れる展開も含んでいます。

  • 今日の「ハウスほうれん草」は、群馬JA太田市薮塚産。秋冬から春先にかけてほうれん草のメインになる産地で、これからどんどん数が増えてきます。

  • 群馬の「ちぢみれん草」の産地は、藪塚の隣町です。東北生まれで、和種がベース。寒さにあたり、地面に広がってるものを食べたらおいしかったことから、作られるようになりました。糖度は普通のほうれん草に比べてかなり高く、甘くておいしいとアピールされています。先日、鍋に入れて食べましたが、独特の渋みを感じたので、軽くゆでてから使うとか、少し手を加えるとおいしく食べられると思います。

  • 「ちぢみれん草」や「ちぢみ小松菜」は、寒じめ野菜ということで、年末より年明けてからがメインとなります。必要でしたら、早めにご連絡ください。

  • 「小松菜」、本日は、FGと、西船橋の束のもの。束の小松菜は、江戸時代から地場で作られている方の「江戸川小松菜」。FGの小松菜はスーパーなどに並んでいるもので、主力産地は茨城です。

  • 「ゆき菜」は仙台名産の地場野菜で、タアサイを品種改良したハイブリッドです。このゆき菜と小松菜をかけたのが、茨城旭村の「ちぢみ小松菜」です。今の小松菜はチンゲン菜の血が入り、すっきりした姿ですが、「ちぢみ小松菜」は根元が膨らんで、葉っぱも肉厚、緑も濃く、食べておいしい、個人的にも広めたい品種です。年明け1月には、見た目も味もさらに魅力が出てくると思います。

  • 「菜の花」は、千葉。アブラナ科の花芽を掻いて束ねて出しています。柔らかくて、えぐみが少ないのは、この千葉のような株が細い方。太めのものは、しっかり緑の部分を出して売りたい時に選んでもらうといい、と思います。春先に黄色い花が咲くと、関東では商品価値がなくなるとされますが、関西ではちょっと花が咲いたものを楽しむ食文化があります。香川でも、花は全然問題がなく、ちょっとほろ苦さも出ておいしい、ということなので、あまり気にしないで販売していただけたらありがたいです。
 
◇「青菜」の写真
小松菜
(茨城)
小松菜
(千葉)
小松菜
(東京)
ちぢみ小松菜
(茨城)
ちぢみほうれん草
(群馬)
ほうれん草
(群馬)
うぐいす奈
(埼玉)
チシャトウ
(茨城)
もみ奈
(埼玉)
山東菜
(埼玉)
山東菜
(埼玉)
菜の花
(千葉)
三河島菜
(東京)
品川かぶ
(東京)
三関せり
(秋田)
ゆきな
(宮城)
京しろ菜
(京都)
京壬生菜
(京都)
畑菜
(京都)
かつお菜
(福岡)
カーボロネロ
(山形)
カステルフランコ
(山形)
ツリーケール
(山形)
プチベール
(山形)
 

【八百屋塾2023 第9回】 挨拶講演「小松菜について」伝統野菜の「ツケナ類」について勉強品目「青菜」食べくらべ