■2023年7月23日 第4回 とうもろこし・えだまめ 〜 食べくらべ
◇「とうもろこし」「えだまめ」の食べくらべについて
[タナカトウコ氏より]
  • とうもろこしの食べくらべは、「味来(千葉)」、「ピュアホワイト(千葉)」、「ドルチェドリーム(埼玉)」、「小川さんのとうもろこし(千葉)」。薄皮を残して皮を剥き、鍋に水から入れて、沸騰後5分でおかあげしたものです。小川さんのとうもろこし(品種は不明)については、電子レンジで加熱したものもご用意しました。皮つきのまま、600ワットで2分半、裏返して2分半が目安ですが、電子レンジはメーカーや機種によってだいぶ加熱の感じが違います。今日は、2分半ずつでは火が通らなかったので、皮つきのまま1本ずつラップを巻いて3分、裏返して3分加熱しました。置く場所によってもばらつきがあるので、途中で確認して、場所を変えたり、裏返したりするといいと思います。よく、電子レンジで加熱したものがカピカピになる、というのを聞きますが、それが嫌な時は、氷水にラップごとパッと入れて急冷するとふっくら仕上がる、と個人的には思っています。

  • えだまめは、「天狗印 味緑(群馬)」、「天狗印 味匠(群馬)」、「JAにったみどりのえだまめ(群馬)」、「茶豆(新潟)」。今回は、えだまめそのものの味を味わっていただきたいと思ったので、産毛を塩でこすり取った後、水洗いして塩を落としました。加熱時間は3〜5分、サイズによって変わってきます。今回はかなり量が多かったので、5分ぐらいは茹でています。茹で上がりの目安としては、鍋の中の4個か5個ぐらいさやが開いてきたらOKです。水に取らずにおかあげして、冷ましたものをご提供しています。
とうもろこしの食べくらべ
えだまめの食べくらべ
◇レシピの説明
[石井玲子氏より]
  • 今回、調理班からご紹介するレシピは、とうもろこしのムース。デザートです。参考にしたのは、ベトナムあたりで食べられているデザートです。それはココナッツミルクがベースのようですが、本日は、杏仁豆腐のもとで作りました。2層に仕上げていますが、中に混ぜ込んでも構いませんし、粒々の食感がお好みでない方は濾してから固めてください。

  • えだまめはペペロンチーノ風としてご用意しました。塩茹でにしないで後から塩を振っています。ニンニクと鷹の爪の香りで、塩分控えめでお召し上がりいただくことができるレシピです。えだまめはさやつきで1回茹でたものにフライパンで焼き目をつけます。それからオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪で調味します。今日は、みなさんに唐辛子の部分が行き渡るように、鷹の爪ではなく糸唐辛子にしました。ペペロンチーノ風のほか、食べるラー油和えや、チーズを振って食べてもおいしいと思います。
石井玲子氏氏
  • お配りした資料には、「とうもろこし真丈香煎焼き」、「とうもろこしのスパイシー炒め」、「えだまめピクルス」、「えだまめのチーズ煎餅」の4品もご紹介しています。

  • 「とうもろこし真丈香煎焼き」は、芯から外したとうもろこし、彩りの赤と緑のパプリカ、はんぺん、片栗粉をジッパー付きポリ袋に入れて揉みます。卵白を絡めて、柿の種を砕いたものをまぶし、揚げ焼きにします。おつまみにも、お弁当の一品にも向く一品です。

  • 「とうもろこしのスパイシー炒め」は、とうもろこしを縦1/4か1/6に切り、ホットプレートかフライパンで焼いて、塩コショウ、ケイジャンスパイスをまぶして食べる一品です。

  • 「えだまめピクルス」は、さやつきのえだまめを、お酢、砂糖、塩で好きな味加減に調整していただいた液につけるだけです。すし酢のような便利なものもありますので、それを使ってもいいと思います。ハーブなとどを入れるとちょっとおしゃれな感じになります。瓶にさやが縦になるように入れると、SNS映えする写真も撮れると思います。

  • 「えだまめのチーズ煎餅」は、溶けるタイプのスライスチーズをそのままフライパンにおき、豆だけのえだまめ、赤と黄色のパプリカを乗せて焼くだけです。チーズがパリパリになるまで焼いたら、ブラックペッパーをアクセントにふるといいでしょう。

  • とうもろこしは胚芽の部分に一番栄養があるといわれていますので、そこも残さず食べてください。

  • えだまめには、これからお子様を望まれる方や妊娠初期の方に必要な葉酸が含まれており、大豆と同じようにイソフラボンやタンパク質も含まれています。アミノ酸の一種でお酒の分解を促してくれる成分も入っており、お酒のあてにもぴったりです。

  • 今日のレシピも、調理班の黒津が考えたものです。詳しいレシピを聞きたいという方は、黒津までお願いします。
とうもろこしのムース
えだまめのペペロンチーノ風
 
◇食べくらべと試食の感想
  • とうもろこしの「味来」は、正直、味がしなくて、これがお客さまのところに行ったら文句を言われてしまうのではないか、と思いました。ホワイト系はあまり信用していなかったのですが、今日の「ピュアホワイト」は結構おいしかったです。「ドルチェドリーム」は、今回の中で一番おいしくて、歯ごたえもよく、食べごたえがありました。塩をつけて食べてみましたが、これだったらそのままで十分おいしいと思います。「小川さんのとうもろこし」の電子レンジ加熱のほうは、やや食べにくい感じがして、茹でたほうがよかったです。味はおいしかったです。

  • 私は、「味来」が甘く感じました。皮もやわらかかったです。「ピュアホワイト」は、「味来」ほど甘くなく感じましたが、皮は「味来」よりやわらかかった。「ドルチェドリーム」は水っぽく感じました。ただ、その水気があるからか、すごく実がプリプリしていて、歯を入れると弾けるくらいの食感でした。電子レンジで加熱した「小川さんのとうもろこし」は、甘みはあるのですが、皮がかたくなってしまっていてカチカチな感じでした。

  • 「ドルチェドリーム」が一番おいしかった。2番目は「味来」。「ピュアホワイト」も甘くておいしかったのですが、とうもろこしらしさが少ない気がしました。「小川さんのとうもろこし」もおいしくいただきましたが、電子レンジのほうはやや水分が飛んでしまっているような感じがしました。

  • 「小川さんのとうもろこし」は、昔食べたようなどこか懐かしい味で、生産者の小川さんの顔も浮かぶので、「今年もありがとう」という思いで食べました。味の感じ方って、そういう部分でもかわるのではないか、と思いました。私は、電子レンジのほうが茹でたものよりも甘みを強く感じました。茹でたほうはシャキシャキした食感。それぞれに特徴があっていいと思いました。

  • 「味緑」はいつもの食べ慣れた味というか、スタンダードな味に近い。「味匠」は正直、食べる前までは、色がちょっと悪いなと思ったのですが、食べてみると味が濃くて、実も大粒でしっかりしていて、手に入るのであればこれからはこれを食べたい、と思います。「にったみどり」はスーパーの特売で買うような普通の味というか、居酒屋の味という感じでした。「茶豆」に関しては、個人的に、口の中に残る味が好みではありません。

  • 「味匠」は初めて食べましたが、甘みがものすごく強くてびっくりしました。茶豆の鼻に抜ける風味は確かに好みがわかれると思いますが、私は嫌いではないです。
 
◇おわりに
  • 2023年8月27日(日)、新宿のアグリパークで、「野菜の日フェスタ」というイベントを行います。全国からさまざまな野菜を集めて、即売会をしながら、野菜の日をアピールしましょう、というイベントです。東京はもちろん、北海道、仙台、名古屋、岡山、広島、福岡、大分など、各県の特色のあるものを持ってきていただける予定なので、ぜひご来場ください。

  • 8月の八百屋塾のテーマは、なすとぶどうを予定しています。シャインマスカットの食べくらべをしたい、と考えていますので、来月もよろしくお願いします。

  • 9月は産地視察を予定しています。5月に来ていただいたとうがらし農家のサカールさんの唐辛子ファームと、埼玉のヨーロッパ野菜研究会で西洋野菜も見学できると思います。