Q:とうもろこしの先端のほうに実がつかない原因は何ですか?
A:花粉がつかなかったことが原因です。雌しべに花粉がついて中の実が黄色く太っていきます。髭は出る順番があって、最初は真ん中あたり、それから両端に向かっていくのですが、雄しべが早く出て髭ができる前に花粉がなくなってしまうと、1番上か下の実がつきづらくなる。何千本も作っていれば他の株の花粉がかかることもありますが、家庭菜園などでは実がつかないものが出ることがあります。
Q:粒がきれいに揃っているとうもろこしと、ややガタガタのものは、品種による違いか、それとも生産技術の違いなのでしょうか?
A:品種によるところが大きいと思います。粒の揃いや並び方は品種によって違います。できるだけ揃うようにしてはいますが、収量性の高さや食味のほうが優先されることもあります。
Q:食味というのは、甘さの追求ということですか?
A:はい、基本は糖です。食べた時に人間が口の中で最初に感じる成分は甘みだそうです。
Q:「ゴールドラッシュ」だけでも5品種とのことでしたが、そうなると採種は大変ですね?
A:とうもろこしの種は、ほとんどアメリカで採っています。交雑しやすく、例えば、ホワイトコーンに黄色がかかると優勢な黄色になりますし、デントコーンがかかると紫色の粒が入ります。採種地は遺伝子組み替えの因子が入らないように、500メートルから1キロぐらい離します。最近は温暖化の影響でアメリカでも採種が厳しくなり、戦争の影響による小麦不足で畑に代わるなど、苦労しています。
Q:農薬の散布の頻度はどれくらいですか?
A:規模によります。北海道のような大規模の畑では、機械を使用し、膝からやや上ぐらいの丈に育って、オス穂が出るタイミングの時に、必ず1回は殺虫剤をかけています。病害は比較的少なく、そもそも穀物に登録されている薬種類が少ないため、殺虫剤をメインに、大体1〜2回ではないでしょうか。
Q:昔のとうもろこしに比べると、ずいぶん耐病性がついたということですか?
A:品種改良が進み、病気に強いものができており、葉枯れなどは出にくくなっています。その意味でも、薬剤は減っていると思います。
Q:皮を剥いたらしなびていた、というのは、外からは確認できないのでしょうか?
A:剥かないとわかりません。原因はおそらく収穫遅れ。適期から2〜3日遅れるとしなびたり、暑い時期は流通の過程でもへこんだりします。適期より早めの収穫も推奨しています。夏場は暑さに強い品種を作りますが、皮がかたいことが多いです。
Q:ヤングコーンの品種と栽培方法は従来のものと違うのですか?
A:ヤングコーン用の品種は特になく、スイートコーンの若採りです。1本の木に2本ぐらいつきますが、収穫するのは1本で、間引きしたものがヤングコーンとして出ます。最近は、ヤングコーン専用に栽培している方もいます。スイートコーンのどの品種でも作れます。
Q:輸入のヤングコーンは1年中見かけますが、いつでも採れるということですか?
A:輸入はタイ産などが多く、温度があるので1年中収穫が可能だと思いますが、種類が違います。草勢が強く背丈が2〜3mになる品種で、そうでないと暑さに負けてしまいます。穂の数も多めです。ただ、日本では作れません。
Q:とうもろこしを蒸かして売っています。日にちが経ってしなびたものでも茹でれば大丈夫でしょうか?
A:収穫して1日で糖度は1〜2度落ちます。収穫後、お店に並ぶまでに2〜3日。とすると、販売するときの糖度は14〜15度。なので、入荷から2日間以内に使い切るか、速やかに加熱することをおすすめします。加熱すれば、糖度が落ちるのはいったん止まります。
Q:皮を剥いても剥かなくても、糖度の落ちるスピードは同じですか?
A:皮を剥くと呼吸が多くなるので、剥いたもののほうが早いと思います。
Q:皮を剥いて袋詰めすれば大丈夫ですか?
A:剥くと日持ちは落ちます。その日のうちとか、翌日までに加熱すれば問題ありませんが、2〜3日経つと品質は落ちます。剥くと見た目はいいかもしれませんが、時間との勝負です。
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