■2023年10月15日 第7回 れんこん・香酸柑橘 〜 産地リモート中継「茨城のれんこん」 (株)れんこん三兄弟 代表取締役 宮本貴夫氏
◇「茨城のれんこん」について
[(株)れんこん三兄弟 代表取締役 宮本貴夫氏より]
  • 私どもの農場から、リモートでお伝えします。

  • 収穫したばかりのれんこんは赤い船に乗せて、出荷場に持ち帰ります。

  • 節の間に根があるので、それを切り取ります。だいぶ手間がかかる作業です。

  • 根を切ったれんこんは洗浄機に投入し、ブラシでコロコロ回して、満遍なく水が当たるように洗います。

  • 洗浄機から出てくると、スタッフが選別します。大きさ、重さ、へこみ、病気などを見て、分類します。

  • 4キロ箱が基本です。クラッシュアイスを入れて箱を満杯にします。ロゴマークを入れたシールも一緒に入れ、蓋を閉めて出荷します。

  • 私どもが工夫しているのは、品種と土と鮮度です。土作りは基本で、れんこんが育ちやすい環境を整えることが大切です。土の質と、品種が育ちやすい時期を管理して、時期によって作り分けています。

  • 収穫後は、氷でしめて送るまで素早く処理し、24時間以内、最短でお届けするようにしています。

  • 収穫期間は、7月から翌年の3月まで。夏、秋、冬のれんこんで、味わいが違うことを飲食店さんなどのお取引先にお伝えし、料理のレシピなどを工夫していただいています。

  • 和食店以外にも、イタリアンのお店やカフェなどでも多く使っていただいています。今後は、串揚げ店などでももっと使ってほしいと考えています。

  • 私がれんこんの栽培を始めた経緯は、社会に出て外から見たとき、農業が適正に評価されていない、と感じました。両親は楽しく農業経営をして私たちを育ててくれましたが、農業は斜陽産業で厳しいと見られていました。そこで、父から指導を受け、農業経営を続けていく形を工夫したいと思いました。家族経営プラスアルファでスタートし、経営が回ってきたタイミングで、法人化しました。農業で活躍したいという人たちの場所を作るために、会社を強く、大きくしているところです。

  • 今年の春の栽培面積は32ヘクタールで、生産量は年間500トンほど。4〜5年後に、50ヘクタール、 800トンを目指しています。産地の高齢化が進んでいますので、後継者がいない方々から農地を借り受け、産地として継続的にれんこんを届けられるような体制にしたいと考えています。
◇質疑応答より

    Q:昔、農業はお休みがないというイメージでしたが、今はどういう勤務形態なのですか?
    A:株式会社なので法定通りに休み、福利厚生も、社会保険、雇用保険、すべて用意しています。

    Q:近年は夏の暑さが尋常ではありませんが、病気や虫の発生はどうなのでしょう?
    A:れんこんは比較的高温に強い作物なので、昨今の暑さはあまり問題ではなく、課題は管理する人の熱中症対策です。台風が来ると、葉っぱが破け、収量が落ちるので、そちらのほうがやっかいです。

    Q:今年は野菜が軒並み高い中、れんこんは比較的安値が続いていますが、その理由は?
    A:去年、今年と、相場が低迷しているのは、豊作で収穫量が多いことが理由の1つ。また、れんこんは将来性があると考えて、参入してきた方が増えているのだと思います。