■2023年10月15日 第7回 れんこん・香酸柑橘 〜 勉強品目「れんこん」 東京青果(株)  橘満千留氏
◇「れんこん」について
[東京青果(株)  橘満千留氏より]
  • れんこんは、本日、新潟、徳島、石川、茨城のものが並んでいますが、生産量は茨城県産が1番多く、佐賀、あと、徳島、熊本が続きます。関東の方が食べているれんこんは、ほとんどが茨城県産だと思います。先ほど、(株)れんこん三兄弟さんの中継にあった通り、近在の産地で、発泡スチロール氷詰め、運送時間も短く、非常にクオリティのいい状態で送られてきます。

  • れんこんの圃場では他の野菜はできません。リレーする品目ではなく、私どもは基本的に同じ生産者さんと1年間商売しています。
東京青果(株)  橘満千留氏
  • 年1作なので、出荷調整が必要です。数量が少ない年は、早く終わります。年末と3月3日のひな祭りに特に需要があり、そこで大体出し切るのですが、4〜5月まで出せるように、茨城に加え、徳島、熊本のハウスれんこんも取り扱っています。

  • 秋になり、涼しくなると発泡スチロールが段ボールに変わります。どの野菜もそうですが、今、本当に資材が高騰していて、コストが高くて困っています。

  • 2〜3年前までは、茨城県産の次、2番手はずっと徳島でした。佐賀が作る量や輸出を増やしたり、関東のお客さん向けに出荷するようになって、このところは佐賀が2番手になっています。

  • 6年ぐらい前はれんこんの相場が高く、徳島、熊本のハウスれんこんが売れていました。単価が高いので、耕作放棄地をれんこんの圃場にして作り始めた新規生産者さんなどが増え、今はどちらかというと、食べるほうが追いついていない状況なので、ここ2〜3年は比較的安価になっています。

  • 私はれんこんのセリをしていて、茨城、徳島、佐賀、熊本の圃場を見学に行ったりしています。徳島は今年、掘らせてもらいました。徳島県産はすごく長くて、私の身長よりやや長いものが採れます。

  • 石川、佐賀、名古屋や岐阜あたりの中京地域には、泥れんこんの文化があります。茨城は洗いの文化で、佐賀は関東の市場に向けての栽培を増やしているので、洗いれんこんを増やしています。
◇質疑応答より

    Q:佐賀のれんこんが増えているというお話でしたが、時期的にはいつ頃ですか?
    A:露地に力を入れており、基本的に年間あります。関東の量が少ない時期を狙う熊本、徳島といった産地があり、佐賀は関東と同じ時期が多い。作り方は茨城とほぼ同じですが、暖かいので生育のスピードが違います。関東は「れんこん=シャキシャキ」がお客さまの嗜好なので、同じような食味を求めるなら茨城が空く時期は佐賀がいいのではないでしょうか。佐賀は地元の品種を使っていましたが、ターゲットを関東に向けてから茨城の品種を作っています。最近は千葉からもいい品物が出回っています。れんこんは栽培やパッケージに手間やコストがかかります。生産者さんのためにも、れんこんは味にクセもなくおいしいこと、いろんな野菜にも合わせられ、ちょっと工夫すれば料理のバリエーションも広がることを、八百屋さんから消費者の方にすすめてもらえると嬉しいです。

    Q:私どもはMを仕入れることが多いのですが、Sは一般に売れるのでしょうか?
    A:基本的にM が相場の中心になり、S はMより安い。たとえば、そのまま袋詰めするとか、工夫できる人向けで、Mのように切らなくていいというメリットもあります。れんこんは芽のほうがやわらかく、その部分がたくさん入っているのもSで,知っている方は小さいものを好んで買われます。ただ、1個でボリューム感を出したり、すり下ろして使ったり、量販店さんのようにどんどん売りたい、となるとやはりMのほうがいいので、出荷比率的にはほとんどがMです。まず最初に親ばすが出て、それから小ばすが発生するので、出るタイミングも違います。今、ようやく、S、2Sが出てきました。Sは形状がいびつになるものも多く、売り方に工夫は必要になると思いますが、需要はあり、おでんなどで2Sを丸ごと煮るからほしいとか、特に年末になるとほしいといわれることが多いです。

◇「れんこん」について補足説明
[(株)果菜里屋 高橋芳江氏より]
  • 今日は、産地から「大口れんこん」をご提供いただきました。早生の品種は「エノモト」、結構シャキシャキしていて、色が白いのが特徴です。「だるま」のほうは晩生種で、これから出てくる種類になります。GIも取ったりしていて、なかなか県外には出さない農家さんのものなので、ぜひ今日はこの2つを味わって、ご意見を聞かせてください。

  • 徳島れんこんも肌が白いのが特徴だそうです。洗うと肌が白くなる。食感は多少シャキシャキ感があるというか、中間ぐらいだと思います。

  • めずらしいところでは、ピンク色のれんこん。火を入れても色は変わらないので、炒めたりして食べます。のちほど、試食があります。おせちに紅白で入れるとさらに縁起がいいのでは。ただ、本数が少ないため、入荷がなかなか難しいのが現状です。
(株)果菜里屋 高橋芳江氏
◇「れんこん」の写真
れんこん
(茨城)
れんこん
(茨城)
れんこん
(茨城)
れんこん三兄弟
(茨城)
加賀れんこん
(石川)
エノモト 早生
(新潟)
大口(だるま) 晩生
(新潟)
れんこん
(徳島 JA 大澤松茂)
紅れんこん(友弘)
(徳島)
     
◇「香酸柑橘」の写真
かぼす
(大分)
種の少ないかぼす
(大分)
シークワーサー
(沖縄)
辺塚だいだい
(鹿児島)
レモン
(チリ)
メイヤーレモン
(ニュージーランド)
小笠原レモン
(東京)
広島レモン
(広島)
ベルガモット
(広島)
ライム
(メキシコ)
ライム
(三重)
フィンガーライム
(オーストラリア)
フィンガーライム
(高知)
フィンガーライム
(静岡)
水晶文旦
(高知)