■2024年2月18日 第11回 ブロッコリー・柑橘類 〜 勉強品目「ブロッコリー」 東京青果(株) 堀田耕平氏
◇「ブロッコリー」「カリフラワー」について
[東京青果(株)  堀田耕平氏より]
  • 福岡、宗像のカリフラワーの品種は「雪月」。量販店や八百屋さんから、高評価をいただいています。

  • オレンジカリフラワーは、熊本の農業法人、國崎青果さんが作っています。オレンジは、都内の駅ビルのスーパーさんなどで置いていただく機会が増えてきました。ちょっとシミが出やすいのが気になります。

  • ロマネスコは愛知県産です。クリスマス頃が需要の最盛期ですが、その前に旬が来るので、単価が高くなる傾向があります。全国的に作付けは増えています。今までは、クリスマス以外は売れませんでしたが、量販店さんにも並ぶようになり、安定して売れるようになっています。

  • カリフローレは、カリフラワーの相場に比例します。品質によって値段が変わる商品です。

  • ブロッコリーは、出荷形態が違うものを2つご用意しました。関東の産地は段ボールで袋に入ってきますが、香川はその下に吸水シートが入っています。氷も入れて出荷されているはずです。氷詰めで来るブロッコリーは熊本です。品種の構成は、全国的に差異はありません。収穫している畑や、農家さんの収穫時間、管理などの面で、香川県は優秀という認識は各社にあると思います。

  • スティックセニョールとアレッタは、ここ数年、売れるようになりましたが、なかなか売り場を展開していただけません。出荷が春先ぐらいまでですので、多少売りづらい野菜に入っています。

  • スプラウト系は、冷蔵棚に陳列され、ブロッコリーやカリフラワーの相場とは連動しません。スプラウト、スティックセニョール、カリフローレなどは、ブロッコリーとカリフラワーが高くても代わりには売れません。

  • ブロッコリーとカリフラワーは、どちらかが高いとつられて値段が上がり、ブロッコリーが高いとカリフラーが売れるとか、カリフラワーが安いとブロッコリーも値段を下げないと売れない、ということはあります。

  • オータムポエムも、量販店さんでは馴染みがない野菜。買われるのは都内の納め屋さんが多い。都内の百貨店さんだと、西洋野菜のコーナーで品揃えして売っているところもあります。
 
◇「ブロッコリー」などの写真
ブロッコリー
(熊本)
ブロッコリー
(香川)
スティックセニョール
(静岡)
オータムポエム
(新潟
はなっこリー
(山口)
アレッタ
(埼玉)
ロマネスコ
(愛知)
ロマネスコ
(愛知)
カリフラワー
(福岡)
オレンジカリフラワー
(熊本)
紫カリフラワー
カリフローレ
(熊本)
紫カリフローレ
(トキタ種苗)
ブロッコリースプラウト
(村上農園)
   
 
◇「ブロッコリー」についての補足説明
[杉本氏より]
  • ブロッコリーの茎の話は、何を今更という感じです。私は、15年ぐらい前から、食育で、花蕾と茎の食べくらべをしています。ほとんどの家庭では、茎は捨てている、といわれますが、花蕾は3分、茎は短冊にして5分茹でると、全員が茎のほうがおいしい、甘みがある、と言います。特にこの時期はおいしいから、ぜひ捨てないで食べてください、と口がすっぱくなるほど言ってきました。

  • 学校の栄養士から、「茎は捨ててきてくれ」と言われることがあり、ずいぶん説得したのですが、ダメでした。捨てずに茹でて、お客さまに食べてもらいながら、2個100円で、全部売りました。

  • 先々週、ブロッコリーが指定野菜に選ばれた件で、NHKから取材が来ました。そのときも福島大学の先生が、「茎には栄養価が豊富」という話をしていました。われわれ八百屋は、そういうことをどんどん啓蒙しなければいけない立場にあると思います。肝に銘じて、商売に励んでください。
 

【八百屋塾2023 第11回】 挨拶講演「ブロッコリーについて」「柑橘類」について勉強品目「ブロッコリー」食べくらべ