昨年の4月に消費税が8%になりました。中小企業は恩恵どころかますます苦しくなったような気もしますが、みなさんはいかがでしたでしょうか。去年は、野菜の価格の乱高下もあり、厳しい経営だったと思います。今後もいろいろな場面があると思いますが、がんばってください。
その反面、インバウンドといわれる通り、2015年は1973万人もの外国人観光客が来日しました。爆買いなどといって、電器製品や化粧品などをたくさん買って帰ってくれる。中国だけではなく、さまざまな国から来てくれているわけです。それだけの人たちが、ホテルに泊まって、町に出て食事をして…と考えると、われわれの仲間でも、その恩恵を受けている人がいるはずです。
日本でお金を落としていってくれれば、日本経済も潤うでしょう。それがいつまで続くかはわかりませんが、これをチャンスと考えて、カットフルーツ屋さんでもやってみるとか、発想の転換をして、何か行動を起こす八百屋さんがいてもいいのでは、と期待しています。
また、TPPも大きな問題です。輸入・輸出含め、国として相当動きがあると思います。この品物の関税が撤廃されるとか、どれだけ下がるとかによって、これから市場も変わると思いますので、みなさんも真剣に考えていかなければいけません。
小泉進次郎さんが自民党の農林部会長になり、卸売会社はこのままでいいのか、などと問題提起をされています。いろいろな面で、動きが出てくると思います。消費税はまだ上がるし、軽減税率の問題もある。八百屋さんが否応なしにかかえなくてはならない問題はたくさんあります。漬物ひとつとっても、成分表示をしなければいけません。塩分がどれくらいか、病気などで制限されている人はどうしても気にしています。そうしたこともこれからの八百屋の仕事になるでしょう。
これからは、お客さま目線で商売をしないと、買ってくれません。商品知識はもちろんですが、自分が変わっていかないといけません。そうした中で、若い人がたくさんいるのは非常に頼もしく思いました。ぜひ、みなさんに奮起していただき、諸先輩方の知識やノウハウを貪欲に吸収して、いい八百屋さんになってください。今日の講演もよく聞いて、今後の指針にしてはどうかと思います。
来年もまた八百屋塾に参加していただき、今後の八百屋のあり方などについてもみんなで話し合っていければ、と考えています。今後ともみなさんにご協力いただければ幸いです。
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