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■2015年10月18日 第7回 さといも・西洋なし 〜 勉強品目「さといも」について 東京青果(株) 吉井正人氏
◇勉強品目「さといも」
本日お持ちしたさといも「土垂」は、埼玉、JAいるま野のものです。関東では、さといもというと埼玉産をイメージされると思います。楕円形で肉質がやわらかく、煮崩れしにくいため煮物に向いています。
「蓮葉」は、蓮の葉のように葉が丸く水平につくため、この名前があります。
「海老芋」は、静岡、JA遠州中央。海老のように曲がっているところから「海老芋」と呼ばれており、京都などでよく食べられています。ねっとり感とほくほく感が味わえるさといもです。
東京青果(株) 吉井正人氏
「京芋」は、宮崎、JA宮崎中央。親芋を食べる品種で、形がタケノコに似ていることから、「タケノコ芋」とも呼ばれます。
「帛乙女(きぬおとめ)」は、新潟、JA新潟みらい一本杉。五泉という地域のさといもで、品種は大和早生。丸い形が特徴なのですが、今日お持ちしたものは3Lでやや大きめです。昔は関東には来ていませんでしたが、ここ4〜5年、生産量が増え、関東に出荷されるようになりました。埼玉の「土垂」に比べると、ゆでて皮をむいたとき、かなりぬめりが出ます。色が白くて、食感はきめ細かく、食べた人はほぼみなさん「おいしい」と言ってくださいます。産地の新潟は米どころで、米のあとの水田にさといもを植えて栽培しています。阿賀野川の近くで、昔はよく氾濫したそうです。田んぼにしては泥がつきにくく、きめ細かい肉質になります。
「女早生」は、愛媛、グリーンファーム協栄。大阪、名古屋などで中心の品種です。瀬戸内海の近くの田んぼで栽培されています。冬は強い風が吹き、夏は温暖な気候です。もっちりとして「土垂」と似た食感なので、関東の人の好みにも合うのではないでしょうか。切り口が赤くなりやすいのは、ポリフェノールが含まれているためです。
新潟などでは芋を親につけたまま掘り取り、ハウスなどで囲い、冬場に掻きながら出荷しています。愛媛や埼玉では、土の中に入れたまま置いておいて、その都度掘り出して出荷するのが特徴です。
富山や福井にも特徴のあるさといもがあります。これからが、さといもの本格的なシーズンです。おいしいさといもが店に置いてあると、ご高齢の方を始め、お客さまに喜ばれると思います。今日はぜひいろいろなさといもを食べて、それぞれの特徴を掴んでください。
◇さといもの写真
土垂
(埼玉)
セレベス
(千葉)
海老芋
(静岡)
京芋
(宮崎)
帛乙女
(新潟)
女早生
(愛媛)
◇西洋なしの写真
84(名称未定)
エルドラド
コルラ香梨
メローゴールド
ラ・フランス
リーガル・レッド・コミス
ロージー・レッド
月味
月味(実生)
【八百屋塾2015 第7回】
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