■2015年4月12日 第1回 開講式 〜 勉強品目「トマト」について 東京青果(株)大杉幹夫氏
◇勉強品目「トマト」
  • 高齢化や次世代が育たないことなどが原因で、野菜の生産量は、この20年の間に25%減少していますが、その中で、トマトは生産額1位の品目です。

  • トマトは、大玉、ミニ、フルーツ、中玉に大別されます。出荷量の割合は、大玉が55%(前年59%)、ミニが32%(前年29%)、フルーツが6.6%(前年6.5%)、中玉が6%(前年6%)。この20年の間、大玉の出荷量はほぼ横ばいで、ミニトマトが1.8倍に伸びています。
東京青果(株) 大杉幹夫氏
  • トマトは、10年前に比べると、相当カラフルになりました。特にミニトマトは、ここ5年くらいの間にすごく進歩しました。

  • 佐賀県、川副の大玉トマトは、「サンロード」という品種で、市場では「光樹トマト」と呼ばれています。今の時期の大玉の中では一番評価が高いトマトです。佐城川副は粘土質の強い土壌で、水分調整をして、普通のトマトにはない濃厚な味わいを実現しました。1〜6月に出回り、4月が一番おいしい時期です。

  • 愛知県、ひまわり農協の大玉トマトも、大田市場では評価の高い産地のひとつです。品種は「桃太郎」系が主力で、10〜6月に出回ります。

  • 愛知県、伊良湖半島の「ファーストトマト」は、「桃太郎」に押されて年々生産量が減っています。3〜4段以上になるととんがりが出ます。これがおいしくなった印です。ゼリーと肉の間にすき間があり、サラサラとした肉質が特徴なので、春向きの商材です。

  • 熊本県、興農園のミニトマトは、赤、黄、緑、オレンジ、ゴールド、パープル、ホワイトなど、多くの色があります。この中のグリーンは、「みどりちゃん」という品種で、リコピンがないため、おいておいても赤くはなりません。

  • 愛知県、豊橋南部農協のミニトマト「麗」は、赤、黄、緑、オレンジがあります。糖度にこだわっており、8度以上で販売しています。その分、収量は少ないのですが、おいしいミニトマトです。

  • 愛知県、愛知みなみのミニトマト「アイコ」。女性が好みそうなネーミングと、おやつ感覚で食べられるサイズで、酸味は少なく、食感がいいトマトです。円錐形で果肉がしっかりしているのも特徴で、今、伸びている品種のひとつです。12〜6月まであります。

  • 千葉県、ちばみどり干潟のミニトマト「トマトベリー」。ハート型で、皮がやわらかく、酸味が少ないのが特徴です。トマトの酸味が苦手という方でも食べやすいと思います。12〜6月まであり、夏場は北海道の産地でも作っています。

  • 佐賀県、唐津の「華クイン」と「フルティカ」は、どちらもミディトマトです。「華クイン」のほうが皮がやわらかく、デリケート。「ファースト」同様、とんがりが出てくるとおいしくなります。「フルティカ」は、「華クイン」に次ぐ皮のやわらかさと食感のよさがあります。中玉系はミニトマトより果肉がしっかりしており、一口サイズなのでおやつ感覚で食べられます。水分が少ないので、料理にも適しています。この産地は生産者の顔写真つきで、安全・安心をアピールしています。

  • 房つきトマトの品種は「シンディスイート」。愛知県の産地では、「つくつく房枝」という名前で出しています。三重県など、他の産地のものもあります。房つきは作るのが難しく、上から下まで、すべて真っ赤にきれいな色がついているのは、技術があるからです。茎とヘタの鮮度も重要で、枯れていると商品性がありません。

  • 静岡県、大井川のフルーツトマト「アメーラ」は、水分調整しながら、長い期間をかけて、普通のものより糖度が2〜3度高いトマトを作っています。静岡県が主力ですが、長野県にも産地があります。100%養液栽培です。

  • 同じく静岡県、大井川の「アメーラルビンズ」は、ミニトマトより小さい楕円形で、品種はヨーロッパから持って来たものです。普通に育てれば大きくなるのですが、水分調整をして小さく甘くしています。糖度は常に10度以上ありますが、皮はかたいです。静岡県産と長野県産があります。

  • 愛知県、ひまわり農協のフルーツトマト、「匠」。6名の生産者が専属で作っています。大玉同様、優れた品質のトマトを作る産地です。

  • 茨城県、NKKアグリドリームの「スーパーフルーツトマト」。4町歩もある大きなハウスで栽培されています。品種は外国から持って来たもので、大きくなる品種ですが、水分を絞って作っています。果肉がしっかりしているのが特徴で、ゼリーが少なく、果肉が多いトマトです。

  • 熊本県、八代のフルーツトマト「ロイヤルセレブ」。フルーツ感覚で食べるには、かためかもしれませんが、味は濃厚です。

  • 愛知県、豊橋南部農協の「ボンジョルノ」と「クックゴールド」は、調理用トマトです。肉が多く、果汁が少ないのが特徴で、業務用に多く使われています。
◇トマトの写真など
サンロード(光樹)
(佐賀・佐城川副)
大玉トマト
(愛知・ひまわり農協)
パワーファースト
(愛知・愛知みなみ伊良湖)
アイスレモン
(熊本・興農園)
イエローミミ
(熊本・興農園)
スノーホワイト
(熊本・興農園)
チェリーゴールド
(熊本・興農園)
トスカーナバイオレット
(熊本・興農園)
ピンク
(熊本・興農園)
みどりちゃん
(熊本・興農園)
リコピーナブラック
(熊本・興農園)
千果99
(熊本・興農園)
小鈴
(愛知・豊橋南部農協)
ピッコラカナリア
(愛知・豊橋南部農協)
アイコ
(愛知・愛知みなみ)
トマトベリー
(千葉・ちばみどり干潟)
華クイン
(佐賀・唐津)
フルティカ
(佐賀・唐津)
つくつく房枝
(愛知・海部の協立田支店)
アメーラ
(静岡・大井川)
アメーラルビンズ
(静岡・大井川)

(愛知・ひまわり農協)
スーパーフルーツ
(茨城・NKKアグリドリーム)
ロイヤルセレブ
(熊本・八代)
味恋トマト
(栃木)
マイクロトマト
ボンジョルノ
(愛知・豊橋南部農協)
クックゴールド
(愛知・豊橋南部農協)
◇トマトの補足説明など 〜 (株)果菜里屋 高橋芳江氏
  • 今日は、産直品のトマトとして、高知県でご夫婦でトマトを作っている「ファーム輝」の「フルーツトマト」と、ミニトマト「アイコ」、「ラブリーさくら」もお持ちしました。

  • 津南の宮崎さんが作った雪下にんじんのジュースもあります。産直品は送料がかかるので、みんなで一緒に取り寄せたりできればいい、と思っています。
(株)果菜里屋 高橋芳江氏
フルーツトマト
(高知・ファーム輝)
アイコ
(高知・ファーム輝)
雪下にんじんジュース
(新潟)
ラブリーさくら
(高知・ファーム輝)
食用ほおずき(ほおずきトマト)
(愛知)
 
■2015年4月12日 第1回 開講式 〜 勉強品目「中晩柑」について 橋本幾男氏
◇勉強品目「中晩柑」
  • 今日は、甘夏、はっさく、アンコール、デコポンなどを持ってきました。

  • 和歌山の甘夏は、ブンタンが入っていて食べやすく、すごく評判がいい商品です。

  • 「さつきはっさく」は、果汁が多くておいしいはっさくです。

  • 「アンコール」は、愛媛中央、中島のものです。
橋本幾男氏
  • 「デコポン」は、愛媛中央のハウス栽培で葉っぱのついたものの売れ口がいい。蒲郡の「デコポン」もいいと思います。
◇中晩柑の写真
甘夏
(和歌山)
アンコールオレンジ
(愛媛・JA全農えひめ)
カラみかん
(三重・南紀)
はっさく(ゆら早生)
(和歌山・JA紀州)
 

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