■2015年7月12日 第4回 なす・桃 〜 勉強品目「なす」について 東京青果(株) 野路剛延氏
◇勉強品目「なす」
  • なすは、今、ピーマンを超えて子どもの嫌いな野菜1位になってしまいました。

  • なすの90%以上は水分です。

  • インド原産で、平安時代に日本に入ってきた野菜です。日本だけでも180種類、世界には1000種類ものなすがあるといわれています。
東京青果(株) 野路剛延氏
  • 日本では、短なすとやや大きめの長なすが、販売額の9割以上を占めています。暖かい西の地方で栽培されるなすは大きめで、関東から東北に行くにつれて小さめになります。

  • 1998年(平成10年)と比較すると、野菜の取扱量は82%になっています。なすは約70%と落ち込みが激しい品目で、特に、埼玉、茨城などの関東近在では都市化や老齢化が進み、産地が減少しています。

  • 年間の取扱量が最も多いのは高知県ですが、今の時期はほぼ終わりになっています。

  • 今日は、いわゆる「短なす」と呼ばれるものを3種類、千葉県産、茨城県産、栃木県産をお持ちしました。見た目はほぼ同じですが、品種が違います。栃木県産は「千両なす」。皮がやわらかく、最もポピュラーななすで、関東では生産量の半分を占めています。茨城県産は「くろべえなす」。北関東から東北の露地で作られており、「千両なす」よりはやや皮がかためです。漬物には「千両なす」が向いていますが、加熱して食べるのであれば「くろべえなす」もおすすめです。「式部」はハウスで作られていることが多く、皮は多少かためです。この3種が関東では主流になっています。

  • 関東は、昔は短なすだけだったのですが、今は「長なす」も入っています。「長なす」のほうが短なすよりやわらかく、年々取り扱いが増えています。

  • 大阪の「水なす」は、エグミが少なく、生で食べてもおいしいなすです。4〜5年前から関東にも入るようになりました。価格はやや高めです。

  • 熊本県の「大長なす」、「ひごむらさき」、「赤なす」は、いずれも「長なす」で、焼きなすにすると、とろりとしておいしい品種です。

  • 丸なす系の代表格は、京都の「賀茂なす」です。味噌田楽などにして食べられます。
◇なすの写真など
千両2号
(栃木)
式部
(千葉)
長なす
(茨城)
くろべえ
(茨城)
水なす
(大阪)
大長なす
(熊本)
ひごむらさき
(熊本)
絹かわなす
(愛媛)
賀茂なす
(京都)
丸なす
(奈良)
丸なす
(静岡)
米なす
(高知)
マルト直治郎の黒十全
(新潟)
茨曽根系黒十全
(新潟)
小国の黒十全
(新潟)
種権種苗の白十全
(新潟)
焼きなす
(新潟)
一日市なす
(新潟)
越の丸なす
(新潟)
越後白なす
(新潟)
鉛筆なす
(新潟)
丸えんぴつ
(新潟・上越)
賀茂なす
(新潟)
中島のほんとうの梨なす
(新潟)
米重種店の梨なす
(新潟)
中島巾着なす
(新潟)
島見なす
(新潟)
シチリアなす
(茨城・後藤農園)
ゼブラなす
タイなす
トロなす(青なす)
フィレンツェなす
フェアリーテイル
ホワイトベル
(大阪)
 
■2015年7月12日 第4回 なす・桃 〜 勉強品目「桃」について 石山由美子氏
◇勉強品目「桃」
  • 今日は、春日居の桃、笛吹の桃、岡山の白桃、和歌山・きのさとの桃、黄金桃の5種類があります。

  • 雨続きの天候で、まだ味がのっていないかもしれません。秀品率も少ないそうです。

  • 春日居と笛吹は、甲府盆地の真ん中に位置し、水はけのよい土壌で、雨が少なく日照時間が長い、昼夜の寒暖差がある、といった条件のため、品質のいい桃が採れる産地です。
石山由美子氏
◇桃の写真
白鳳
(山梨・春日居)
加納岩
(山梨)
白桃
(岡山)
白鳳
(和歌山・紀の里)
黄金桃
(山梨)
 

【八百屋塾2015 第4回】 挨拶|講演「新潟の在来なすあれこれ」勉強品目「なす」「桃」商品説明食べくらべ