Q:培地によってきのこに違いが出るのですか?
A:そうです。エノキダケにも菌は数千種類あるので、培地に合う中から、揃いがよくて色の白いもの、ということで品種を開発していきます。私どもは、しいたけ以外は杉と糠の培地で品種改良を進めております。原木生しいたけだけでも数万種類ある中で、日本で流通しているのは約50種類というわけです。
Q:きのこにも品種があるとのことですが、一般の方にとっては、しいたけはしいたけ、という認識でしかないのでは?
A:業務用の場合は、「240という品種をください」など、品種を指定して取り引きすることがあります。
Q:原木栽培のしいたけはどういったところで違いが出てくるのでしょうか?
A:気候によって違いが出ます。大分、石川の能登、鳥取、静岡では、全部味が違います。鳥取のしいたけは雪の中に閉ざされて、一気に大きくなるので、やわらかいのが特徴です。気温が高いと早く大きくなる。九州では、2週間くらいで成長します。早く成長するものは、ヒビが入りやすい。いわゆる、「どんこ」です。空気が乾燥していると、コリコリした食感のしいたけになります。大分のしいたけでも、50〜60年の杉の中のしいたけや、標高が高いところのものは鳥取に近い食感で、落葉樹のところのものはコリコリしていると思います。
Q:きのこを冷凍すると味が変わる気がするのですが…?
A:きのこを冷凍すると、縦と横の繊維が分解され、アミノ酸が出てくるので、おいしさが増します。気をつけなくてはいけないのは、できるだけ空気に触れないように(酵素を活性化させないため)、冷凍庫から出したらすぐ料理に使ってください。私どもは業務用に冷凍生しいたけも作っていますが、それは冷水の中で解凍してもらっています。
Q:きのこの保存方法は?
A:ピープラスという袋は、きのこの呼吸量を計算して作ってあります。きのこがゆっくりと呼吸でき、冬眠状態になるので、袋は捨てずに、きのこが余ったらこの袋に戻すと長持ちします。パックに入ってぴったりとラップをかけられたきのこは、呼吸できず酸欠状態ですから、出して野菜袋に入れたほうがいいでしょう。また、きのこはほぼすべて23〜25℃で作っています。何度も冷蔵庫から出し入れすると、ストレスを感じて傷んでしまいます。呼吸ができる状態で、できるだけ一定の温度で保管してください。
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