■2011年1月16日 第10回 〜 講演「キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー」について (株)サカタのタネ 野菜統括部 吉田泰氏
◇(株)サカタのタネについて
  • (株)サカタのタネは、品種を作り、野菜や花のタネを販売している会社で、再来年100周年を迎えます。

  • 北海道から九州まで、全国に営業所・支店があり、農場は千葉県、静岡県、長野県、北海道の4カ所に持っています。

  • 世界では19カ国に拠点があり、タネの生産や販売などをしています。
(株)サカタのタネ 野菜統括部 吉田泰氏
  • 当社はホウレン草に強く、日本のタネのシェアの50%ぐらいを占めています。ホウレン草を中心に、その他の野菜各品目の育種を行っています。

  • 世界のブロッコリーの約7割は、当社のタネが占めています。次に多いのは、ニンジンです。

  • 海外の拠点は、ほとんどタネとりが目的です。その理由は、日本の気候はタネとりには向いていません。キャベツなどは春に花が伸びて実をつけ、タネがとれるのが6〜7月。梅雨時にタネがとれるので、病気が出たり、途中で芽が出てしまったり…。で、海外に持っていっています。雨が降らない砂漠のようなところに水を引いて、植物を植え、水が必要なときに与え、タネをとるという仕組みなので、病気も少なく、非常に品質のいいタネがとれます。 日本より、アメリカ、オーストラリアなど、雨がないところのほうがいい。
◇野菜統括部の仕事について
  • 野菜統括部では、今日のように、みなさまのところでお話をしたり、フーデックスなどのさまざまな展示会に野菜のブースを設けたりして、野菜に関する情報集めをしています。

  • 農場で作られてきた品種が、どのような地域に向いているかを考え、カタログにのせる品種を選ぶのも、私たち野菜統括部の仕事のひとつです。カタログにのるのは、数千、数百の品種群から選ばれたもの。それに名前がついて掲載される、という仕組みになっています。

  • キャベツやブロッコリーの品種を作るには、親を作るのに10年ぐらい、品種として売れるようになるまで5年ぐらいかかります。ですから、ひとつの品種が生まれるまで、最短で10年、最長では15〜20年かかっています。そのなかで勝ち抜いてきた品種なので、優秀な遺伝子を持っています。選んでいるのは、ブリーダーと呼ばれる社員です。

  • われわれ野菜統括部の仕事は、野菜の種子の生産計画、出荷計画、また、いつごろそれを出していけばいいか、また、出てきた品種をプロモートする、つまり、宣伝していくこと…。いわば、サカタのタネの野菜の心臓部のような仕事をしている部署になります。
◇キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーの特徴や来歴
  • キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーは、小松菜、大根と同じ「ブラシカ類」です。ブラシカは学名で、アブラナ科、十字花科(じゅうじばなか)ともいいます。花の形がひとつの基本になっています。

  • キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーの野生種はケールのようなものです。すべてそこに起源があり、原産地はヨーロッパの地中海沿岸部〜東部です。この3つは仲間ですが、植物体でいうと、キャベツは葉っぱのもの。カリフラワー、ブロッコリーは蕾の類です。

  • 日本へは、文明開化で、開国後に入ってきました。

  • キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーの3品目の中で、日本人が最初に飛びついたのは、キャベツです。明治末期には全国で栽培されており、種類も非常に多かった。この時代には、われわれ種苗メーカーの元になるような全国のタネ屋さんが、キャベツの開発を始めており、日本型の品種も生まれていました。

  • 日本でカリフラワーを最初に作ったのは、横浜の農家さんだそうです。横浜開港で、今の横浜市営地下鉄グリーンラインの東山田駅のあたりで栽培されました。横浜に外国人がたくさん住んだので、その人たちのために作ったのが始まりだといわれています。

  • カリフラワーとブロッコリーは、第二次世界大戦後、食が洋風化して、全国に広がっていきました。昭和53年を境に、カリフラワーは激減し、ブロッコリーがグンと伸びていきました。その理由として、緑黄色野菜が注目された、ということが挙げられると思います。確かに、色の濃い野菜のほうが栄養価も高い。そういったことで、カリフラワーがブロッコリーにとってかわられました。

  • 海外では、カリフラワーのほうが多く食べられています。西洋の人たちは、カリフラワーやブロッコリーを生で食べます。あとは軽くソテーしたり、ピクルスにしたり…。漬物にすると、カリフラワーは非常においしいのですが、ブロッコリーはパサパサになるので、向いていません。食文化の違いが現れているのだと思います。

  • ブラシカ類は、自殖劣性(じしょくれっせい)といい、自家授粉していくと、弱くなっていきます。また、自家不和合成(じかふわごうせい)という特性を持っており、自分の花の花粉がついてもタネにはなりません。自分の血を入れると、マイナスのスパイラルに入ってしまい、植物として弱くなっていくので、自分の遺伝子を守るために他の種類の花粉を入れます。

  • 私どもが親を作る際には、わざと自殖劣性(じしょくれっせい)の流れにのせて、形質の揃った親を作ります。顔も全部同じ。そのAとBを掛け合わせ、違う血を入れることで、非常に強くなる。これを雑種強勢といいます。遺伝子が遠いもの同士を組み合わせてタネをとるのが、「F1採種」といわれているものです。

  • キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーは、ヨーロッパ生まれなので、ヨーロッパの乾燥した気候を好みます。キャベツなどは石灰岩の海岸部で生きていた植物なので、日本でも石灰があるところはいいのですが、火山灰性の土壌では、石灰欠乏症などのさまざまな症状が出ることがあります。

  • カリフラワーは、3品目の中でも、温暖な地区の生まれなので、キャベツやブロッコリーより、やや暖かい気候を好みます。寒いところはあまり好きではなく、色が変わったりします。出荷量を見ても、寒い時期はあまり出てきません。
◇ブロッコリーの入荷量
  • alic(農畜産業振興機構)のホームページ(http://www.alic.go.jp/)に載っている東京市場のデータでブロッコリーの入荷量をみると、夏はものが少ない。また、ブラシカ類は、子孫を残さなければいけないので、春に花を咲かせます。そのため、春の花が咲く時期も減ります。

  • 今、高冷地でブロッコリーを増産していますが、温暖化の影響で単位面積当たりの収量は減っているはずです。暑くてもとれるように、品種を改良することはできますが、肉質はガリガリで、おいしくありません。当社はそうした育種はしていないので、何とか今のブロッコリーのままでいきたい、と思っているのですが、すでに海外メーカーが、そういうものを日本に持ち込んできています。

  • 今の時期、東京向けに多く入っているのは、愛知産、埼玉産です。当社のブロッコリーは、この時期は強くない。夏になれば、当社のブロッコリーの占める割合が7〜8割、たいていの方は当社の品種を食べていると思います。

◇品種を選ぶポイント〜ブロッコリー
  • ポイントのひとつは、まず、「色」です。量販や消費者の方々は、色の濃いものを好みます。濃すぎてもダメですが、色の薄いものは好みません。で、産地も色の濃いものを選びます。

  • アントシアンののったブロッコリーも嫌われるので、冬の産地は、アントシアンの出ないものを選びます。

  • 病気に強いこともポイントです。高冷地等で単位面積当たりの収量が下がっているのは、病気が増えている、ということ。べと病にしても、軟腐病にしても、ほとんどがカビの類です。日本が暖かくなってきているので、今までなかったカビの病気もいろいろなところに広がっています。

  • その他、障害果とか、春の産地はボトニング、夏は高温障害など、産地によって、選ぶポイントが違います。

  • ブロッコリーに、リーフィーという症状が出ることがあります。ブラシカ類は、低温で子孫を残そうとします。ある程度温度が下がると、冬になるので、花芽を作って、春に花を咲かせようとする。本来は、1回花蕾の形成を始めると、ずっと作り続けるはずなのですが、そこで高温に戻ってしまうと、「春じゃないんだ」と、また葉っぱを作るんです。本来蕾になるはずだった細胞が、葉っぱに戻ってしまい、花蕾と花蕾の間に入り込んでしまう。それをリーフィーと呼んでいます。だいたい産地で捨ててしまうので、あまり見かけないとは思います。

  • キャッツアイという症状は、ブロッコリーの花蕾が育つときに、通常は外と中の生育スピードは同じなのですが、高温になってくると、外が先に大きくなろうとして、中が負けるんです。「猫の目」みたいに、中がへこんだような形になり、色も違ってしまいます。ひどいと中が腐ったりもします。ただ、これも産地廃棄されるので、みなさんのところにまでは出てこないと思います。

  • 高温で蕾が死んでしまうのが、死に花といいます。これもあまり見かけないと思います。空洞症は、出てくることがあるかもしれません。だいたいほう素欠(ほうそけつ)が原因。高温の障害で、ほう素等が吸えなくなり、中の細胞が死んでしまいます。細胞が死んだところに茎ができていくと、そこが空洞になる。ブロッコリーは蕾のところを食べるので、別に問題はないのですが…。最近は茎も食べるようになってきましたし、流通サイドとしては、嫌う症状のひとつです。

  • 花腐れという症状は、カビの類がついて花が腐るものです。軟腐(なんぷ)も同じ症状ですが、両者の違いは、においをかげばわかります。軟腐はものすごく臭い。花腐れは、あまり臭いません。

  • 今は、ほとんどがアントシアンフリーの品種になっているので、アントシアンが出ません。ところが、アントシアンフリーの品種は、全体に緑の色が薄いので、本当に寒いと、「しらけ症状」といって色が抜けてしまいます。まれにC品で出てくるか、産地廃棄されているはずです。

  • 組織内べと病は、外側は何ともないのですが、中が黒く変色します。夏には出ません。寒い時期に出ます。2〜3年前までは薬も登録されていなかったので大問題になっていました。今は登録農薬がありますので、防ぐことができるようになりました。

  • ほう素欠というのは、かさぶた状の症状です。ひどくなると、表面に出てきますが、それほどでもないときは茎の中にできます。

  • その他、ボトニング、湿害など、農家さんは、こういった危険性をはらみながら、ブロッコリーを作っています。最悪の場合、出荷できずに畑1枚つぶしてしまいます。そうなると、種苗費も肥料代も出ません。今、ほとんどF1種ですから、ひとつがボトニングになると、回りもだいたいボトニングになり、その畑は出荷できなくなります。こういった障害果がみなさんの目に触れていない、ということであれば、生産者の方は相当苦労をして選果をし出荷している、と思っていただければいいと思います。

◇カリフラワーの入荷量
  • カリフラワーもブロッコリーと同じように、夏に減って平均単価が高くなります。

  • ブロッコリーとは産地が違います。ブロッコリー産地の方は、あまりカリフラワーを作りません。カリフラワーは作るのが難しく、面倒だからです。ブロッコリーは太陽に当て緑色にすればいいのですが、カリフラワーの色の身上は白ですから、太陽に当たると困るわけです。日が当たると黄色く変色するので、上にある葉っぱを結んだり、葉っぱを折ってかぶせたりして、太陽の光から花蕾を守ります。農家さんの作業としては、本当に大変。それもあって、 単価はブロッコリーよりもカリフラワーのほうが高い。

  • 私どもは、横浜中華街で品種発表会をすることがあります。中華料理の料理人の方々とお話をすると、ブロッコリーよりカリフラワーを使いたい、といいます。炒め物には、食感的に、ブロッコリーよりカリフラワーのほうがいいそうです。中国は、今、一気にブロッコリーを増産していますが、それまでは、カリフラワーが一般的でした。昔の日本がそうだったように、今、中国は、カリフラワーからブロッコリーに変わっています。とはいえ、中華料理の基本はカリフラワーを使うのですが、日本のカリフラワーは高くて使えない、ブロッコリーのほうが安くていい、といわれたことがあります。
◇品種を選ぶポイント〜カリフラワー
  • まずは、色が白く上がること。最近のカリフラワーと違い、昔からある品種は、この時期、中にアントシアンが入ります。外は白いのですが、割ると、中に紫の筋が入っています。煮ると黒くなったりしますし、スーパーなどでカット販売をすると、そこが黒く変色し、見た目が非常に悪くなります。ですから、われわれは、中にアントシアンの入らない品種を選んでいます。

  • 収量性がよく、病気に強いこともポイントです。

  • 当社の「美星(みせい)」というミニカリフラワーは、葉っぱが巻いて出てきます。花蕾を巻き込むようにしているので、折る作業、包む作業がいらず、白く上がりやすくなっています。

  • 美星のサイズでオレンジ色のものも、今年の3〜4月ぐらいから販売できると思います。「美星オレンジ」になるか、「オレンジ美星」になるかはまだ未定ですが…。今は、茨城と三浦に産地があります。

  • 通常の大きさのカリフラワーは、今の一般家庭では食べきれない。ところが、ブロッコリーサイズまで小さくなれば、一回で使い切れますから、当社ではミニカリフラワーの美星を発表しています。

  • 通常、カリフラワーは、一反あたり3000〜3500株入るのですが、美星は、6000〜7000株入ります。小さくなって単価が下がっても、生産費としては合う。出荷者が損はしません。今までのミニ野菜の欠点は、大きいものと同じ株間とうね間にしないと作れなかった。ミニにしたことで、収量は2/3ぐらいまで下がってしまうわけです。買う側は、普通の白菜が100円のとき、ミニに200円出しません。そうなると、作る側は、合わない。だから、需要はあっても、これまで、ミニ野菜は伸びませんでした。株数を増やしていけば、ミニ野菜もありではないかと思っています。当社では、ミニ白菜の仲間の「タイニーシュシュ」を12月から販売しています。毛のない白菜なので、サラダでも食べられますから、使い勝手がいいのではないかと思います。これも、反に1万何千株と、普通の白菜の何倍も入ります。今後、紹介していきたいと思っています。

  • カリフラワーの障害果に、ブロッコリーと同じく、リーフィーが出るものもあります。また、フィージーは、高温障害です。訳すと「毛羽立ち」という意味で、鳥の羽のような突起ができます。ライシーと呼ばれる症状も同じような小突起なのですが、発生要因が違います。フィージーは高温障害で、ライシーはある程度花蕾がしまってきて次の段階にいこうとしている状態です。ほう素欠で、空洞症になる場合もあります。それから、ネコブ。ネコブ菌という病原菌がつき、生育障害を起こします。根っこがやられてしまうので地上部の生育が悪くなり、花蕾はできますが、ボトニングみたいに小さくなってしまいますし、花蕾のしまりがゆるくなるため、出荷はできません。
◇キャベツの入荷量
  • キャベツは、明治末期から日本型の品種が出てきて、ブロッコリーやカリフラワーほど、季節による出荷量の差はなくなってきています。面積も多く、野菜の中では優等生だと思います。

  • 3〜4月はサワー系が多くなっていますが、加工の分野の方々は寒玉がほしい、とおっしゃいます。寒玉は、冬場に作るタイプのキャベツです。関西と関東の好みの違いもあり、寒玉は関西型の品種。4〜5月は寒玉の出荷量が非常に少ないんです。神奈川、千葉はサワー系の産地で、寒玉は作っていません。愛知の寒玉も、春が来ると突然なくなります。花を咲かせてしまうので、作れません。この時期は、植物として、栽培が難しいんです。

  • サワー系は花を咲かせる時期でも作れるというのは、人間のすごい知恵だと思います。キャベツだけでなく、ブロッコリー、カリフラワーも同じですが、苗がある一定の大きさになってから、何度以下が何日続くと花芽がつく、ということを人間は解明してきたんです。その何日か続くところを外すと、花芽がつきません。ですから、三浦の栽培には、定植期が大きく分けて2つあり、年内に大きい苗を植え、葉枚数ができあがったところで形を作っていく作型と、後ろのほうで小さい苗を植え、寒い時期を過ぎて、春に結球するという作型があります。生産者の方は、そういった形で苦労しながらキャベツを出してきている、ということです。

  • 今は、どうしても、寒玉系を作らなければならないという流れがありますので、各社、育種をすすめています。ただ、キャベツは、花芽ができてくると中の芯が伸びて、バリッと割って出てくる性質があります。そのため、芯が出てこないよう一部をかたくする育種が主流で、割ると中がとぐろをまいたようになっていて使いにくいので、純粋に栽培で何とかできないか、という試みもやっています。葉質は多少やわらかくなってしまいますが、加工業者さんに少し妥協していただけるのであれば、ちょっとサワーの血を入れて、栽培することはできると思います。

  • 当社では、九州で、寒玉と春系を掛け合わせた寒春(かんぱる)系統のものを、4〜5月に出せるようにしていますが、サワーの血が入っているので、寒玉ほどかたくありません。

  • サワー系キャベツのなかで、純系のサワーはごく少数で、ほとんどが寒春。見分けるにはお尻を見るんです。表からは見分けがつかないぐらいまで育種は進んでいるのですが、お尻を見れば違いが分かります。
◇品種を選ぶポイント〜キャベツ
  • キャベツもブロッコリーなどと同様に、まず、色が濃いことがポイントです。冬場はアントシアンがのりにくいものを選んでいます。

  • サワーと寒玉では、当然色も違います。春系は淡い黄色がかった緑ですが、寒玉は青いような緑色です。

  • その他、石灰欠乏、湿害、高温に強いこと。あとは、市場の好みによって、春系、ボール、寒玉を選ぶ。作型によっても選んでいます。産地の好む形と市場さんとの相談の中で、品種群が作り分けられている、という形になっています。

  • キャベツの障害で、特に夏場に多いのが石灰欠乏症で、割ると中の葉っぱが枯れて傷んでいる。今年は、横浜の産地の方々が、結球期に全然雨が降らなかったので、苦労されていたと思います。土の中にある石灰は、水に溶けて植物に吸われるので、雨が降らないと吸うことができません。また、植物は窒素が大好きなので、窒素をあげすぎると、石灰、マグネシウム、マンガンなどを吸わなくなってしまい、障害が出ます。食べても何ともありませんが、見た目が悪いので、出荷物としてはクレームになってしまいます。当社が今年横浜に入れた「藍天(らんてん)」という品種は石灰欠乏症が出ないので、非常に評価が高く、今後、増えると思います。

  • バカッと割れてしまう症状、劣球(れっきゅう)も、高温により今年出た症状です。船底型というのは、圃場で形が角張ったものが出てしまうこと。出荷されることはないので、みなさんの目に触れることはないと思います。

◇キャベツのブランド化
  • 当社が、今、東京青果さんと協力してやっているのが、おいしいキャベツをブランド化できないか、という試みです。大手スーパーの売り場などで、弊社社員が試食宣伝をしたりしています。

  • キャベツ、大根、白菜といった重量野菜は、キャベツはキャベツ、大根は大根、白菜は白菜という認識なんです。消費者の方は、おいしいかおいしくないかには感心がなく、キャベツはキャベツでしょ、と買っていく。

  • 当社の「新藍(しんらん)」という品種は、非常に甘くておいしいキャベツです。分析すると、キャベツ特有のちょっと辛いようなにおい成分のもとであるグルコシノレートが非常に少ないので、糖度的にはあまり変わらないのですが、甘さを特に強く感じる。食感、味がいいという評価を受けています。今出ている出荷名は「ラ・ウエスト」で、これは「新藍(しんらん)」で構成されています。

  • 今の時期は、「冬藍(とうらん)」という品種が占めています。今年横浜に入れた「藍天(らんてん)」は、夏の暑い時期でもキャベツらしい味がする品種です。

  • 当社では、この売り場に行けば必ずおいしいキャベツが手に入る、というブランド化を目指しています。いつもおいしいキャベツがあれば、そのキャベツ目当てにお客さまが来てくださって、ほかのものも売れるのでは?という提案をしていきたい。

  • 「藍天(らんてん)」、「冬藍(とうらん)」、「新藍(しんらん)」は、その名前から、「らん♪らん♪らん♪」シリーズになっています。

◇「サカタ食堂」について
  • 当社では、ホームページ上に「サカタ食堂」(http://www.sakataseed.co.jp/recipe/)を開設しています。展示会では、当社の商品をPRするために、品種本来のおいしさを感じながら野菜を食べてもらえるレシピを考えています。そのレシピをホームページ上に掲載しました。野菜統括部の女性社員ががんばって作りましたので、ぜひご覧ください。
 

【八百屋塾2010 第10回】 実行委員長挨拶副理事長挨拶講演「キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー」
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