■2011年3月13日 第12回 修了式 〜 1年間の感想など

 修了式では、井口理事長より、塾生の方に修了証書が手渡されました。

 その後、塾生の方に、1年間を通しての感想を伺いました。

修了証の授与
[1年間の感想]
  • 今までこういった勉強会に出たことはなかったのですが、去年始めて八百屋塾があると知り、参加しました。野菜や果物に関して、いろいろな知識をいただいたことに加え、人との出会いもありがたかったと思います。
  • 仕事で野菜を売るとき、自信がなかった部分もあったのですが、八百屋塾で専門の方から教えていただいたことをお客さまにお伝えすることができました。自分の売り込み方法として、自信が持てたことがプラスだったと思います。

  • 自分で野菜を売っていても、それほど何種類も試食することはなかったので、八百屋塾でいろいろな産地の野菜や、自分の店では扱わなかったものなどを多く試食させていただき、よかった。

  • 高校卒業後、八百屋に12年勤めて、そのあとスーパーマーケットの青果部で7〜8年働きました。自分なりに、ある程度は、野菜の知識、販売方法、調理方法などが分かっていたつもりだったのですが、八百屋塾でいろいろ勉強になりました。これからも、もっと自分の知識を高めていきたいと思います。スーパーなどでは、いくらで売りたいから、いくらのものを探す、という面がある。個人としては、そうではなくて、お客さんに、味で喜んでもらえるような商売がしたいと思います。
  • 2年間、八百屋塾に通っている中で、いろいろな野菜を食べて比較し、感想を述べたことが多々あります。今までは、いろいろなものがあるな、というだけで終わっていて、素朴な感想を述べていたのですが、生産者のひとりとして、野菜を売っていただけるみなさん方に対してどういう言葉を発していけばいいのだろうか、と…。ただ単に、これはかたいとか、食味がいいとか、シャキ感があるとかではなく、もっとこういういい方をすればお客さんに買っていただけるのでは、というような…。一歩上の食味感を伝えられるように、自分自身鍛えていきたいと思っています。
塾生のスピーチ
  • 浅草の八百屋に勤めており、ほとんど料理屋さんに野菜を納めています。そのときに、お客さんに、八百屋塾で勉強した野菜を、「おいしいですよ」とすすめられるようになったので、よかったと思います。また、あまり、試食をする機会もなかったので、味の違いなどが分かり、とても勉強になりました。

  • 八百屋で働いていますが、口べたで、人前に立つことがすごく恥ずかしい。八百屋塾でこうしてスピーチすることで、少しは練習をして、お客さまの顔をちゃんと見られるように頑張ろうと思っています。また、うちの店は、お客さまと対面して売るというよりは、納めが基本で、品物を置いてきて終わり、みたいなところがあるのですが、最近のお客さまはネットなどで調べて詳しく情報を知っている人も多いので、試食などでいろいろなものを食べた中で、そういう野菜をお客さまに売ることができれば、と思っています。

  • 去年の暑い時期に体調を崩し、一部出席できなかったのが残念でしたが、また元気な姿で出てこられたことを大変嬉しく思っています。新しいことを吸収しようという気持ちは常に持っており、それをまたお客さんに伝えていきたいと考えています。店では、若い方には、「一品でもいいから手作りしてください」とお願いしています。高齢のひとり暮らしの方には、ホウレンソウや小松菜は1把はいらないと思うので、ゆでて、何パックかに分けて販売しています。

  • 横浜で納め業務をしていますが、現状、品物と価格など、本意でない部分がかなりを占めています。日々、戦いながら、仕事をしている。八百屋塾には、かなりの年数通っていて、スタッフのみなさまには大変感謝しています。来年度もまた足を運び、横浜支所の人たちにも情報を伝えていきたいと思っています。

  • 今まで、40年以上、子育てをしながら八百屋に携わってきました。ようやく時間もでき、詳しく勉強がしたいと思って八百屋塾に入りました。これまで、うちの店に入荷のなかったものなど、多くの種類の野菜をたくさん味わうことができて、すごくプラスになりました。

  • 2年間、八百屋塾に通っています。個人的にカブが苦手なのですが、カブの回には料理の仕方をたくさん教わったり、澤田さんがすごく品物をたくさん出してくださって、店に並ばないものがずいぶん覚えられました。料理は、家でやってみて、お客さんにも教えたりしています。

  • 八百屋塾に通って今年で4年目です。今年の冬、風邪をひき、血液検査をしたところ、正常というか、血液もサラサラで、むしろ健康そのものだといわれました。これも、毎日、野菜を食べているからかな、と…。ただ、野菜の機能性を追求していくのはいいけれど、それでは薬草になってしまう。おいしく食べて、その結果が健康であればいいのですが、まずいのに健康になるためだけに野菜を無理に食べるというのはちょっと違うのかな、という思いがあります。八百屋塾で、おいしい野菜や料理法を習い、お客さんにすすめて、結果、お客さんに、おいしいね、といってもらえて、それが健康にもつながったら、販売する人間としてはとても嬉しい。

  • 野菜ソムリエの資格を取得し、仲間と一緒に八百屋塾を受講し始めました。野菜ソムリエを取得したときは、数種類の野菜の栄養面、機能面、種類、品種などを覚えただけで、あまり身についてはいなかったのが現状で、八百屋塾に勉強しに来てからのほうが、勉強になったと思います。毎回来るたびに、ずらりと見たこともない種類の野菜がたくさん並んでいて、そういう野菜に出会えるのが一番楽しかったです。また、本物の八百屋さんの話がリアルタイムに聞けたこともよかったです。この八百屋塾を通して、これからも、自分で野菜の勉強を続けていきたいと思います。

  • 中央区で小売り中心の八百屋をしています。地震のあと、近くに住んでいるご高齢でひとり暮らしの方の顔を見に行ったりして、すごく感謝していただきました。昔だったら普通のことだったのかもしれませんが、スーパーで買い物をするようになったり、マンション暮らしが多くなった中で、「こういうお付き合いができてよかったわ」とお客さんに言ってもらえたことが、すごく嬉しかった。小売店舗というものの付き合いも重要になっていて、喜んでくれる人がいるんだな、というのを実感したできごとでした。ただ、やはり、販売の面では小売り店舗は厳しい時代だと思うので、ここで習得したことを、次の月曜日には店で実践したりしています。自分で食べておいしかったものは売りやすいし、話を聞いて面白いなと思ったものは、お客さんにすごく話をしたいので、そういうものもよく売れます。八百屋塾での経験が販売に生きていると思います。これからもなんとか販売につなげて、小売り店舗として生き残っていきたいと思っています。個人的な目標としては、まだ仕入れは親任せでめったに市場には行ってないので、もう少し市場にも足を運んで、八百屋として成長していきたいと思います。

  • 今までは、商品を食べたりはしなかったのですが、八百屋塾に入って、食べることの大切さを学びました。これからも野菜や果物をたくさん食べて、お客さまに提供できれば、と思っています。

  • 以前、八百屋塾でカブを勉強したときに、スーパーなどではあまりカブを売っていない、と聞いたので、次の日からカブをすごく広げて、たくさん売りました。店の近くに、八百屋の大先輩がいらっしゃるのですが、その方も私の話を聞いたり、店を見たりして、すごくカブを広げていたんです。ここで勉強した話が、まわりにもすごく波及しているな、と思ったら、とても嬉しくなりました。また、休みの日などにスーパーや他の八百屋さんを見に行って、例えば、「やよいひめ」がおいてあったとしたら、この商品は八百屋塾で勉強したな、と思ったり…。八百屋塾に来ていなかったら、「なんだこのイチゴは?」くらいにしか思わなかったと思うのですが、八百屋塾で「やよいひめ」を実際に食べて、おいしかったな、と思っていたので、「この店はもうおいてるんだ」と、新しい観点から見ることができました。売る側としても、自信を持って提供できる、ということが身について、この1年間、本当に勉強になりました。

  • 八百屋塾で学んで感じたことは、旬の大切さです。八百屋以外の仲間と話をすると、野菜のことなど全く知らないんです。そのときに思ったのは、食べないのは、知らないからだ、と…。じゃあ、自分たち売る側にもチャンスはある、お客さまときちんと接すれば売ることができるのかな、と実感しました。年配の方でも若い方でも、話をすれば、「ああそうなんだ、食べてみよう」といっていただけますので、そういうことが重要なんだな、と思いました。自分で食べてみて、旬のことも勉強して、お客さんに伝えられれば、と思っています。

  • 昨年まで大学生で、料理も全然しなかったので、野菜の知識が全然なかったのですが、八百屋塾で 1年間を通していろいろな野菜に触れて、多少なりとも知識がついてきました。レシピをもらえるので、調理方法などもお客さまに伝えることができるようになってきました。来年は復習しながらまた勉強して、しっかりとお客さまに商品を提供できるようにがんばりたいと思います。

  • 1年間、八百屋塾で、いろいろな野菜、果物の勉強をさせてもらいました。八百屋というのは対面商売なので、知識があれば、自信を持って説明でき、楽しくなったな、と実感しています。イチゴはこれまで、「とちおとめ」、「あまおう」、「さがほのか」の3つしかおいていなかったのですが、八百屋塾で「やよいひめ」を知り、店においたところ、すごく人気があります。今、うちで、一番売れているイチゴは「やよいひめ」ではないか、という感じになっているくらいです。非常に勉強になったので、来年度ももう一度参加して、また勉強したいと思っています。

  • 最近、市場で仲間と会うと、「売れない」、「ダメだね」が、ほとんど挨拶のようになってきています。でも、八百屋塾に来ると、「昨日はこれが売れた」、「ああやったら売れるよ」といった話が聞けるので、みなさん、こういうところに来るだけあって、前向きな方が多いんだな、と思いました。特に勉強になったのが、食べくらべと試食です。ホウレンソウなども食べるには食べますが、2〜3種類、同じ野菜を食べることがめったにないので、他の産地のホウレンソウなども食べられて、どれがおいしいとかがわかり、よかったと思います。

  • 卸売会社で、業務開発の仕事をしています。今年始めて八百屋塾に参加しました。仕事柄、お客さまから、品目の問い合わせをいただくことが非常に多く、正直、耳年増のようになってしまっていました。テキストで学習をするだけでは、知識ばかりが先行してしまって内容が伴わない、と感じることが非常に多かったので、八百屋塾で、実際に、産地によってどのように味が違うかとか、新顔の野菜はこういうものなんだ、こういうふうに調理したらおいしいんだ、といったことを学べて、非常によかったと思っています。まだまだ勉強不足だな、と感じるところもあるのですが、いろいろと教えていただいたことを、今後、仕事にも生かしていって、みなさまにもっと野菜のよさを伝えていけたらいいな、と思っています。