9月2日の商談会には、八百屋塾関係者のみなさまにも多数ご来場いただき、ありがとうございました。商談会では、りんごの新品種「ファーストレディ」、いちごの「サマーティアラ」などを出展しました。1月にもまた商談会を実施予定なので、ぜひ、よろしくお願いします。
今回は、山形の桃についてご説明します。桃の産地といえば、山梨、福島、長野、和歌山などを思い浮かべますが、山形県は桃の生産の北限にあたります。
生産量は、全国で5番目。 最近、ようやく認知度が少し上がってきたようです。
山形の桃は、甘さを売りにしています。山形は盆地なので、夏場は、昼間温かく、夜になるとグッと気温が下がるという気候です。通常、糖度は、光合成でできる炭水化物が変化するわけですが、気温が下がれば、呼吸しなくなり、それが消化されなくなります。こうして、糖度が増してくる、というわけです。
桃を作っている主な市町村は、東根市、天童市、寒河江市で、山形県の真ん中に位置しています。
東根の農協では、桃の糖度について基準を設けており、糖度12度以上が特秀か秀。この特秀と秀の違いは着色で決めます。さらに糖度15度以上になると横綱として出荷しています。ちなみに、一般的には、みかんの糖度が10度、スイカが11度、メロンが14度以上といわれています。
山形県では、8〜9月末ぐらいまで、いろいろな品種の桃を作っています。具体的には、「あかつき」が8月上〜中旬。「川中島白桃」が8月下旬〜9月上旬。「ゆうぞら」が9月上〜中旬です。そのほかに、あまりなじみがなく、量も少ないのですが、「伊達白桃」や「阿部白桃」という品種もあり、9月末ぐらいまで出荷しています。
今日は2種類の桃をお持ちしました。1つは、晩生種の「美晴白桃」。粒が大きくて、350〜600gぐらい。もう1つは、同じく晩生種で、白桃とあかつきを交配した「ゆうぞら」です。ゆうぞらというのは1日の終わりで、晩生を意識しているネーミングです。 美晴白桃もゆうぞらも晩生種で大玉なので、区別がつきにくいのですが、美晴白桃のほうが若干着色が濃い。大きさはだいたい同じです。8月下旬〜9月上旬頃の出荷となっています。
山形の桃は、リレー形式で、あかつき、ゆうぞら、伊達白桃、阿部白桃と、9月末ぐらいまでありますので、これからもどうぞよろしくお願いします。
今回は、群馬の伝統野菜、「入山(いりやま)きゅうり」と「幅広いんげん」の2つをご紹介いたします。
どちらも、群馬県中之条町の入山地区、旧六合(くに)村で作られています。六合村は、草津温泉の隣町で、標高が1,000メートル近いところにあります。
本日の「入山きゅうり」と「幅広いんげん」は、入山地区のものではなく、やはり標高1,000メートルあたりのところで、こういった伝統野菜を丹誠込めて作っている山口さんという農家の方から出していただいたものをお持ちしました。
「入山きゅうり」の来歴の詳細は分からないのですが、六合村で、主に自家消費のために作られていた、ということです。長さは大きくても20cm前後。通常は17〜18cmと短く、半白きゅうりのような姿をしています。皮が薄い黄色なのが特徴で、若干、黄色くなってきた頃がおいしい時期です。
果汁が多くジューシーで、柔らかい。みずみずしいきゅうりです。今日は、スティック状にして、金山寺味噌で試食するということですが、現地では、「調味漬け」といって、しょうゆやみりんなどに漬けて食べる調理法もありますし、薄い輪切りにして塩もみにしても歯触りがとてもいいと思います。味噌で和えてもとてもおいしいのですが、きゅうりの食感と風味を味わうには、スティック状やスライスで食べていただくのがいいと思います。
「幅広いんげん」も、同じ地区で、自家消費を目的に栽培されてきた伝統野菜です。見た目はモロッコいんげんのようですが、「幅広いんげん」のほうが柔らかい。筋を取らなくても、なり軸だけ取って、そのままゆでれば食べられます。ゆで時間は、柔らかくなりすぎないように、3〜4分がちょうどいい、と産地の方から聞いています。
来歴は、金時豆が六合村の地区に入り、その中から、幅広で甘くておいしいものを選抜した、ということです。草津温泉が近くにあるので、昔から、農家さんが引き売りで草津温泉まで行っていたそうです。
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