塾生のみなさんのご意見を聞いていると、江澤先生の意志がしっかり通じているな、と非常にありがたく感じています。
江澤先生は、よく、「売るのか、売れるのか」ということをおっしゃいました。市場に行くと、今、「昨日は売れなかったな」と、お互いに慰め、理解し合ってしまう。これが八百屋のいけないところだと思うんです。やっぱり、売らなくちゃいけない。売るには、お客さまと対話をしなければいけません。それには、やはり、知識を持っていなくてはならない。そういうことを、江澤先生は強くいわれまして、私どもも、肝に銘じて、商売をしています。
私は、今、商売が面白くて仕方ありません。お客さまとの対話を含めて、毎日が非常に楽しいです。八百屋塾でいいものをいっぱい教えていただきましたので、商売に生かしました。今までで一番成功した例は、サツマイモです。うちの店は、「ベニマサリ」しか売っていません。八百屋塾で食べたとき、本当に甘くておいしかった。今後はこれだな、と思ったんです。今、すごく急成長していますね。うちの店は3年前から取り入れて、大成功しました。小売りで一番売っているのでは、というくらい売っていて、お客さまも喜んでくれています。
学んだら、すぐ実行に移せるかどうか。これには、みなさま方の勇気も必要だと思います。ひとつの銘柄、商品がいいと思ったら、それをどう取り入れるか…。もちろん、自分で食べておいしいから売るわけですが、そのあたりが、これからの勝負の分かれ目ではないかと思います。
3月18日から、柿沼農園さんのセロリが始まります。伊藤さんという有名な江戸川の先生に習った方が、今、茨城でセロリを作っているんです。今年はまだ1回も売っていないのに、ここのところお客さんが毎日のように来て、「あのセロリどうしたの?」って聞かれるんです。私は、へたなセロリは売りません。柿沼農園さんのセロリが出てきたときに、3ヶ月くらい売って、あとは、気に入った商品がなければ、セロリは売らないんです。
かたくなになりすぎなくてもいいのですが、ときにはそのくらいの気持ちで、自分がおいしいと思ったものを、思い切ってお客さんに売ってみる。これは、絶対、知識がないとできないことだと思います。
また来年も八百屋塾は続きます。みなさんには、ぜひまた受講していただいて、いいものを持ち帰り、自分の店にどう生かすか…。この場でのみなさんとの対話の中でみつけていただいて、どんどん決めていくべきだと思います。
私は、次期責任ある立場に…、ということになりましたので、みなさんと一緒に、これからも教わりながら、八百屋塾を育てていきたい、と思っています。
今後とも、ぜひ、ご協力のほどをお願いし、簡単ですがご挨拶に代えさせていただきます。どうもありがとうございました。
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