下仁田ネギにはいろいろな歴史があります。江戸時代に、江戸の旗本が、「郵送代がいくらかかってもいいからネギを200本送れ」と書いた文書が下仁田の古民家に残っています。このことからも、下仁田ネギが、江戸時代から作られていたのが分かります。ただ、あまり外には出ていませんでした。広い地域で作り始めたのは、明治・大正以降、とのことです。戦後、食糧増産の時代があり、そのとき、下仁田ネギも系統がバラバラになってしまいました。太いものと細いものが混在している産地になってしまったんです。それを、昭和27年に、馬山(まやま)地区の農家の方が、太いものの選抜に取り組み、今の状況になった、ということです。
今日お持ちした太い下仁田ネギは、「下仁田葱の会」から出荷されています。タネも自家採種で、伝統を守って作っているそうです。年に2回植え替え、選果・選別も、厳しい基準を設けています。青箱で、主に贈答用に流通しており、大変人気があります。下仁田葱の会については、下仁田町役場のホームページ(http://www.town.shimonita.gunma.jp/)にも情報が載っていますので、ぜひ、詳細をご覧ください。
袋入りの下仁田ネギは、甘楽冨岡のものです。この地区でも、タネ取りをして、生産している人がいます。また、群馬では、それ以外の地区でも下仁田ネギを作っています。自家採種をしている方もいれば、タネ屋さんから出ているものを使って生産している人もいます。
上州ネギは千住群のネギです。下仁田ネギと一本ネギのいいところを掛け合わせたもの。以前は、上州鍋ネギという名前だったのですが、鍋ネギというと用途が鍋だけになってしまうので、上州ネギという名前に変更されました。お客さまに応じて、下仁田ネギがいいか上州ネギがいいか、どちらか選んでいただくことができます。群馬には、ネギのバラエティがある、ということです。
ちなみに、下仁田ネギは、霜に当たって葉っぱが黄色くなったほうが味がのる、とご理解ください。量販店では、葉っぱが黄色いと、お客さんが買っていってくれないのですが、八百屋さんには、そのあたりを説明して売っていただければ、と思っています。
次に、大和イモ。昭和30年頃から、群馬県では、生産性の高いものを作ろうということで、同じイチョウイモの中でも、形状のきれいなもの、スラッとしているものを選抜し、商品性の高いものを作っています。11月頃から新イモが出始めました。今、出ているものが新イモですので、ぜひ、早いうちにご賞味ください。今日はせん切りで食べていただきますが、ほかにもさまざまな食べ方ができると思います。
べにばないんげん、通称、花豆は、標高が高いところでないと実をつけないため、嬬恋、北軽井沢、六合(くに)村といった地区でしかとれません。今日は花豆の缶詰をお持ちしました。とても甘くておいしいので、私も大ファンのひとりです。価格は195グラム入り、420円です。ご注文はJAあがつまの西部営農経済センターまで、直接ご連絡お願いします。
最後に、キウイフルーツ。先般、「群馬にもキウイフルーツはあるの?」と、市場関係者から聞かれました。甘楽冨岡地区のキウイはものがよく、選果・選別もいいので、とても評判がいい。群馬県では果実もがんばっていますので、ぜひ、覚えておいてください。群馬では、緑のヘイワードと、黄色いかいみつを作っています。
今回ご紹介したもののうち、花豆の缶詰以外は大田、築地市場にありますので、ぜひ、よろしくお願いします。
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