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グリーンアスパラでも、産地によってどう違うかを、試食の際に見ていただきたい。
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ミニアスパラというのは、「間引きどり」をしたもの。立てて作っていると、わき芽が出てきます。おいておけば、そのまま花が咲いて終わりになってしまう。それも、いくらかでも収穫しよう、というものです。
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普通のアスパラを茹でて、下準備をしてから食べるというのは、単身者の方にとっては大変。ミニアスパラであれば、下の部分を切って、塩・こしょうで油炒めするだけで、酒の肴になる。ミニアスパラは、「単身者の友」といわれるぐらい評価が高まっています。
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「アスパラソバージュ」は、市場の中では、業務関係の方が多く使うもの。一般の小売り屋さんのほうから、「アスパラソバージュはある?」といわれたことはほとんどありません。今日は、高広青果さんに、築地から集めていただきました。フランス産だそうです。ヨーロッパでは、「春を呼ぶ野菜」という位置づけ。日本でいうフキや山菜のようなイメージのものでしょう。形状は、にんにくの芽の先端や、花ニラにも似ています。
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「オランダキジカクシ」という名称は、アスパラの和名です。アスパラは、江戸時代にオランダから来たわけですが、そのときは観賞用でした。かすみ草に似た花が咲く時期になると、非常に繁茂します。「キジが羽を広げても、その中に隠れてしまう」というような意味で、「オランダキジカクシ」というしゃれた名前がついた、といわれています。
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雌雄異株のアスパラですが、市場に出回っているのは、ほとんどが雄株系のもの。
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明治時代、最初に導入されたのが、北海道の道南地域です。北海道の岩内という町に、「発祥の地」という碑があります。農学博士の下田さんという方が、冬場の換金作物として取り入れた、といわれています。同じく北海道ですが、喜茂別町が生産を拡大していき、全国的に広まるようになった。アスパラの歴史からすると、特産地が2つある、ということになります。
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北海道は、栽培面積が約1,950ヘクタール。全国の3割を占めます。
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東京中央への去年の入荷量は、約7,800トン強。従来に比べると、去年の場合は若干少なかったようです。
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入荷量の多い産地は、第1位が佐賀県で約1,100トン。第2位がメキシコで950トン。第3位が福島県で860トン。第4位が長崎県で850トン。第5位がオーストラリアで約770トン。アスパラの主産地というイメージの北海道は第6位で550トン。長野は10位で280トンでした。前年については、非常に大きな主力産地の東京への入荷量が減った、ということになります。
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金額では、東京中央で、1年間65億円。それほど多くの売上げではありません。こちらも第1位は佐賀県で11億円。2位は長崎県、8億5000万円。3位は福島県、7億円。4位はオーストラリア、5億2000万円。5位はメキシコ、5億円。相当、輸入のウェイトが高くなっています。
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グラムあたりの価格は、時期によっても違いますが、第1位の佐賀県では、キロあたり830円。長崎県は、980円。福島県が、830円。輸入物については、オーストラリアが670円。メキシコは、510円となっています。
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主要産地は長野県、北海道ですが、近年は、関東、北関東でも栽培しています。栃木県あたりも相当力を入れているようです。その他、いろんな地域からアスパラは出回っています。
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主要産地は、作型によって異なってきます。1〜2月は、秋田や群馬の促成栽培のものが出回ります。3〜4月は九州。特に、佐賀や長崎のものが出回る。5〜7月、今の時期の露地物産地としては、長野県、秋田県、北海道等。その後は抑制になり、色が白っぽいアスパラが、秋田、長野、九州地域から出てくる。10月になると、国産のものが休眠になったりするので、輸入一辺倒に切り替わります。12月になると、また、促成が出回ってくる。これが、1年間の産地の移行です。
- 選び方のポイントは、まず、穂先が開いていないか。それから、裏表にグリーンがきちんと回っているか。最後に、切り口。軸を見て、白っぽいものがないかどうかをよく見てください。