■2018年11月11日 第8回 だいこん・みかん 〜 食べくらべ

◇だいこんの食べくらべと試食

  • だいこんは、A:青首だいこん、B:練馬だいこん、C:源助だいこん、D:聖護院だいこんをゆでたものを食べくらべた。ゆで時間は、それぞれ竹串がスッと通るくらいやわらかくなるまでで、品種によってまちまち。

  • 辛みだいこん2種、ひとつは群馬のもの、もうひとつはこの日の講師である新倉聡氏が開発したまだ名前のない辛みだいこんもすりおろして食べくらべた。

  • 料理は、だいこんの下半分を使ったサンラータンスープ、上半分を使ったごま酢和え、カラフルだいこん(ビタミンだいこん、紅芯だいこん、紅しぐれ)のごま油和えなどを試食。

  • みかん各種も食べくらべた。
だいこんの食べくらべ
辛みだいこんの食べくらべ
紅しぐれ+酢
安家地だいこん+酢
カラフルだいこんごま油あえ
だいこんサンラータン
だいこんのごま酢和え
菜めしのおにぎり
みかんの食べくらべ
 
◇調理について
[石井玲子氏より]
  • 今日は少人数のご家庭でもまるごと一本だいこんを料理してもらえるようなレシピをご提案しました。だいこんの特徴は上半分が生食向き、下半分が加熱調理向きなので、上は生でごま酢和えに、下はサンラータンという酸っぱいスープにしています。

  • サンラータンは、だいこんの味を楽しむため酸味は控えめにしてあります。中華の顆粒だし、しょうゆ、酒と、最後にお酢を入れて溶き卵で仕上げます。
石井玲子氏
  • 最近のスライサーは万能で、せん切り、つま、おろしにも使えるものがあります。スライサーで上半分をおろすと繊維が壊れてやわらかく仕上がります。薄くリボン状にヒラヒラにしてしゃぶしゃぶにしてもいいし、丸い形を生かしてスライスすると、ギョーザの皮の代わりにも使え、糖質制限メニューの提案もできます。

  • だいこんの葉っぱにはβ-カロテンやカルシウムが豊富に含まれているので、ぜひ食べてください。

  • だいこんおろしは、細胞から消化酵素がたくさん出てきます。おろしてからすぐに食べるほうがいいので、食べる直前におろすといいでしょう。
 
◇食べくらべ、料理、八百屋塾の感想
  • 「青首」は食べなれているせいかおいしいと思った。煮ものに合いそう。「練馬」はやや苦みがあって、漬物向きかもしれません。「源助」はおいしかったが、もう少し太いものが食べたかった。「聖護院」はまだ少し早いのかもしれない。切り口は筋っぽく見えたが、やわらかくて甘みもあってよかった。味噌田楽で食べたい。

  • 個人的に一番だいこんらしくておいしかったと感じたのは「練馬」。どんな料理にも合いそうなのはトーホクさんの「青首」。煮ものには「源助」がいい。「聖護院」は今日初めてゆでたものを食べたが、とてもおいしかった。漬けもののイメージなので、ゆでたものがここまでおいしいと思わなかった。

  • ゆでた状態では「練馬」が一番だいこん臭が強かった。無難だったのは「青首」。「聖護院」は別格として、「源助」が一番甘みが強かった。煮ものにして味をつけた場合を考えると、「青首だいこん」がオールマイティーかなという気がした。

  • 「練馬」がおいしかった。甘みがあって食感もやわらかかった。「聖護院」はあまり食べたことがなかったが、最後に甘みが出てきておいしかった。

  • 一番無難だったのは「青首」。みずみずしくて食べなれていておいしかった。好きだったのは「源助」。「練馬」はひと口食べるごとにいろいろな味がした。深いというか、苦みもあったしだいこん臭い感じもした。「聖護院」は今回のようにゆでて食べたのは初めて。意外とおいしくて、「源助」の次に好きだった。

  • ゆで時間によるのか、「青首」は青臭さと水っぽさが残ったのが印象的。「練馬」は「青首」に比べると、しっかりしているけれど水っぽさはなくやわらかい感じ。「源助」は「聖護院」と比べると甘みが残り、やわらかくて食べやすかった。「聖護院」は「源助」ほど甘みは感じなかったが、甘みと辛みの調和がとれていて、肉質がしっかりしているわりにはやわらかく感じた。

  • 「青首」はいつも食べている味で、ふだん食べなれないほかのだいこんと比べると青臭さや辛みを感じた。「練馬」が一番マイルドでおいしかった。食べた部位にもよるのかもしれない。「源助」と「聖護院」はやわらかく、煮ものにして食べたいと思った。

  • 辛みだいこん2種類は、水分が多い群馬のほうがまろやかで、水分が少ない新種のほうが辛みが強かった。カラフルだいこんのごま油和えに、辛みだいこんのおろしをあわせて食べたらすごくおいしかった。

  • 名前がついていない辛みだいこんのほうが深みがある味のように感じた。お酒のおともやお蕎麦にいいと思う。

  • 群馬の辛みだいこんは普通のだいこんおろしを少し辛くした感じで、名前がないほうは辛みが強くてうまみもあったのでこれでお蕎麦を食べたい。ワサビがなくてもおいしく食べられるのではないかと思う。

  • 水分が少ないほうは、辛みのあとから甘みが出てきておいしかった。辛みだいこんはお蕎麦に合いそう。

  • 水分が少ないほうが辛くて、水分が多いほうは甘みとコクがあった。少し時間をおいて食べたらやや辛みが減って、うまみも感じられておいしかった。

  • 食べやすかったのは群馬のほうですが、おろし蕎麦に使うならパンチがあったほうがいいと思った。味が濃いので加熱したものも食べてみたい。

  • 新品種のほうは辛みがあっておいしかった。時間をおいて食べたらマイルドになって、それもおいしかったので、焼き魚と合わせて食べてみたい。
 
◇その他
[石山由美子氏より]
  • 去年のマルシェでポタージュを試飲で出したところ評判が良かったので、今年は販売しようと思っています。紫は赤キャベツ、緑はブロッコリー、白はさといものポタージュです。味つけは塩だけで、素材によって玉ねぎやじゃがいもを加えています。牛乳ではなく豆乳でのばしました。みなさんに試飲していただき、評価がいいものを販売しようと思います。
石山由美子氏
[JAしみず理事 望月稔之氏より]
  • 静岡県の清水で栽培している「朝福みかん」をお持ちしました。お歳暮に使える、12月に入ってからがおいしいみかんなので、今日のものはまだ少し早いと思います。

  • 注文書をお配りしましたので、八百屋塾のみなさんで購入ご希望の方がいらっしゃったら、まとめてお知らせいただけると助かります。

  • 12月9日(日)のマルシェでは試食コーナーを出し、みなさんといっしょに「朝福みかん」を売りたいと思っています。よろしくお願いいたします。
JAしみず理事 望月稔之氏

【八百屋塾2018 第8回】 挨拶講演「だいこん」勉強品目「だいこん」「みかん」食べくらべ