■2018年7月8日 第4回 とうもろこし・すもも 〜 商品説明・生産者紹介など

◇商品説明・生産者紹介など

 長野県の信濃町でとうもろこしを栽培している農家の森田容稙さんにお話を伺いました。また、クサマヒサコさんから岐阜の「朝生とうもろこし」、高橋芳江さんから千葉・小川農園のとうもろこし「ピュアホワイト」などの紹介がありました。青森県出身の田中党子さんは、「野辺地葉つき小かぶ」を紹介してくれました。
 
[森田容稙氏]
 大阪出身で、長野県の信濃町に新規就農しました。農業経験はトータル10年目です。

 野菜は嫌いだったのですが、ちょっと興味を持って農家さんに体験に行ったとき、そこで育てたなすを食べさせてもらいました。なすは最も苦手な野菜だったのですが、「なんだこれ? 食べたことないぞ!」というくらいおいしくて驚きました。そこで修行させてもらったのが始まりで、農業をやることになりました。「自分の一番好きなものを作りなさい」と言われて、子どもの頃から好きだったとうもろこしを作っています。

森田容稙氏
 信濃町にはたまたま知り合いがいて、北海道に似た気候でとうもろこしの栽培に向いていると聞いて決めました。今日は収穫が間に合わなかったので、また、機会があればお持ちしたいと思います。

 ほかの方が作ったとうもろこしを、これほどいろいろ食べる機会はめったにないので、今日は勉強させていただきたいと思います。

 私が栽培しているのは「めぐみ」という品種です。周囲の多くは「ゴールドラッシュ」を作っています。私はもう少し歯ごたえが欲しかったのと、後味まで残る甘さやジューシーさが気に入ったので「めぐみ」にしました。「ゴールドラッシュ」は早めから採れるのですが、「めぐみ」は早すぎると甘みがのってこないので、そのあたりはやや苦戦しました。販売は道の駅中心で、直売所にも出しています。

 「桃太郎」などトマトも作っており、それは農協に出しています。

 ご興味があれば、塾生の三上さんにおっしゃっていただければ、つないでもらえるので、よろしくお願いします。
[クサマヒサコ氏]
 岐阜羽島、備中農園の「朝生とうもろこし」をご紹介します。「朝生とうもろこし」というネーミングには、早朝に採ったものを、生の、いちばん甘くておいしい状態で食べてほしい、という思いがこめられています。

 おいしさを届けるためのポイントは2つあります。1つは収穫時期。通常は3〜4日といわれますが、ここでは1〜2日というピンポイントで、最高の状態を見極めて早朝に収穫するのが特徴で、ひとつひとつていねいに確認しながら採っています。

朝生とうもろこし
 2つめのポイントは鮮度保持。畑に冷蔵車を入れ、収穫したらすぐに冷蔵します。その後は氷温冷蔵庫で保管し、1本ずつ、鮮度保持にすぐれた「オーラパック」で包装します。配送はクール便で、発泡スチロールの箱に保冷剤が詰められて届きます。畑から家までずっと0〜1℃の間でキープをする努力をしているわけです。

 品種は「ゴールドラッシュ」、価格は高めなので、ギフト向きかもしれません。

 生で食べてほしいということです。のちほど試食して感想を聞かせてください。
[(株)果菜里屋 高橋芳江氏]
 八百屋塾での講師をお願いしたり、産地訪問させていただいた千葉の小川次郎さんが「ピュアホワイト」を届けてくださいました。すぐ交雑してしまうので、黄色いとうもろこしの近くでは作れないそうです。1本1本出ているめしべのようすを、のちほどぜひ近くでじっくり見てみてください。

 「ヤングコーン」はもう終わりです。何本か出てきたわき芽を掻いたもので、特別に作っているわけではありません。
(株)果菜里屋 高橋芳江氏
 輸入品の「ベビーコーン」は、日本のものとは品種が違うそうです。

 とうもろこしの新芽を集めた、「コーンスプラウト」という商品もあります。

 先日、北海道の有機栽培農家さんの産地見学に行ったとき、カラーコーンを見つけたのでお持ちしました。アメリカ産のデントコーンを自家採取して、観賞用に作っているそうです。

 皮をむくのが面倒だから買わない、という消費者向けに、加熱済みのとうもろこしをレトルトパックで販売しているものもあります。
[田中党子氏]
 私は青森県出身で、ご縁があり、野辺地の産品をご紹介する大使に任命されました。本日は「野辺地の葉つき小かぶ」をご紹介します。

 野辺地は陸奥湾に面した下北半島の付け根にあります。北前船の寄港地だったため、祇園祭など、京文化が残っています。

 「野辺地の葉つき小かぶ」は、首都圏に出荷するため、収穫が深夜0時からスタートします。真っ暗な中でトラックのサーチライトを当てて収穫します。

野辺地の葉つき小かぶ
 収穫したかぶは、外葉を一部はがして、ひげ根を切って、傷みにくくしています。専用の洗浄マシンで洗い、水を切り、箱に詰めます。皮がとてもやわらかいので、そっと持つのがポイントで、畑で抜くときも葉だけを持って、実は触りません。

 箱にダイレクトに入っているものと、スタンドパックに入っているものがあり、パックのほうが鮮度が保たれて葉がシャキシャキした状態で売れます。

 なめらかで糖度が高いのが特徴です。今日は早めに届けてもらったもので、4日ほど経っています。ややしんなりしていたかもしれません。もっと鮮度がいいものは糖度が高く、えぐみもありません。  市場にも入っていますが、産地にダイレクトに注文もできます。

 品種は時期によって変えていますが、基本的にF1のタネです。

 かぶは実が淡色野菜で、葉は緑黄色野菜です。全部食べるといろいろな栄養が摂れます。また、生で食べると消化酵素も含んでいますので、夏場は特にいいと思います。

 鮮度がいい小かぶは、手で皮がむけます。料理教室やワークショップなどで、サプライズしたいときにもおすすめです。

【八百屋塾2018 第4回】 挨拶講演「とうもろこし」について勉強品目「とうもろこし」「すもも」商品説明・生産者紹介食べくらべ