■2018年9月9日 第6回 韓国料理・ペポかぼちゃ・梨 〜 食べくらべ

◇ペポかぼちゃなどの食べくらべと試食

  • 韓国料理でよく使われる「ペポかぼちゃ」、「ズッキーニ」、和かぼちゃの「内藤かぼちゃ」をさっとゆでたものを食べくらべた。

  • 料理は李美栄さんのデモンストレーションを見学後、「えごまの葉キムチ」「豆もやしのナムル」「即席きゅうりキムチ」「エホバッ(韓国かぼちゃ)のジョン」を試食。

  • 梨各種も食べくらべた。
食べくらべ
(ズッキーニ、エホバッ)
食べくらべ
(コリンキー、内藤かぼちゃ)
韓国料理の試食
えごまの葉キムチを巻いたおにぎり
韓国料理の試食
豆もやしのナムル、 即席きゅうりキムチ、
エホバッのジョン
梨の食べくらべ
 
 
◇調理について
[李美栄氏より]
  • えごまの葉キムチ
    えごまの葉キムチの作り方は、お配りしたレシピにありますので、ごらんください。今日めしあがっていただくのは、家で4日前に漬けたものです。「ごはん泥棒」と呼ばれるくらいアツアツのごはんに合いますが、今日は小さなおにぎりを包んでお出しします。ぜひ香りを楽しんでください。
    えごまはシソ科です。シソとはまた違う独特の香りが特徴で、好きになると病みつきになります。シソより一回り大きくしっかりとした葉で、お肉を包んだり、薬味にしたり、ひき肉ダネを包んで焼いたりといろいろな食べ方があります。えごまの葉は乾燥を嫌うので、保存する際は濡れたペーパーに包むか、コップにさして冷蔵庫に入れ、お水をかえれば1週間くらいはもちます。

  • 豆もやしのナムル
    作り方はレシピをごらんください。
    もやしには、緑豆、ブラックマッペ、大豆もやしがあります。
    もやしのひげ根には栄養がありますが、ここからにおいが出ます。お店では味を重視してひげ根は取ります。小さいものでしたらそのままでいいと思いますが、味をとるか栄養をとるか、ですね。
    豆もやしは、発芽する段階でビタミンCが生まれるだけでなく、発芽するときにその他の栄養素も生じるので、大いに召し上がってください。韓国では毎日のように食べます。ナムルのほか、チゲに入れたり、チヂミにもします。豚肉のこま切れ少々に酒などで味をつけたものといっしょに炊飯器で炊き上げ、もやしごはんにしてタレをかけながら食べたりもします。

  • 即席きゅうりキムチ
    韓国でもよくきゅうりを食べます。韓国のきゅうりは太くてかたく、白っぽいのですが、歯切れがよくておいしいです。

  • エホバッのジョン
    「エホバッ」は、韓国語で「子どものかぼちゃ」という意味です。日本では「韓国かぼちゃ」、「朝鮮かぼちゃ」などと呼ばれます。韓国では豆もやしと同じくらいよく食べ、ジョンやうどんの具、キムチチゲにも入ります。「エホバッのジョン」は、簡単なのでぜひ作ってみてください。ズッキーニで代用できます。
    ジョンは宮廷料理の一種です。いろいろな種類の野菜や、しいたけ、エビ、肉などに卵液をつけて焼くものをジョンといいます。お正月、法事など、お客さまがいらしたときには必ず作ります。

  • ビビンバに必ず入るのが、ぜんまいのナムルです。水煮のぜんまいはサッとゆがきます。小鍋にごま油を入れて炒め、おろしにんにく、水、しょうゆ、砂糖、粉唐辛子を入れ、落し蓋をして、じっくりと煮からめて中までしっかり味を含ませます。手間はかかりますがとてもおいしいものです。すりごまは最後に加えます。
 
◇食べくらべ、料理、八百屋塾の感想
  • 「コリンキー」はちょっとかび臭かった。「ズッキーニ」は後味がよくなかったように感じました。「エホバッ」は初めて食べたのですが、「ズッキーニ」に近い。「内藤かぼちゃ」は生で食べるなら薄切りのほうがいいと思いました。

  • 私は食感がシャキシャキしている野菜が好きなので、「ズッキーニ」、「エホバッ」、「コリンキー」などは好みの食感でした。

  • 今日は初めてゆでた「コリンキー」を食べました。ゆでてもカリカリしているので食べやすかったです。でも、やはり生か漬物をおすすめしたいです。

  • 今日の「コリンキー」は生ではかび臭いと思いました。

  • 「内藤かぼちゃ」は、甘さもあって色鮮やかで、生に近い状態で食べられるのが面白いと思いました。「エホバッ」は「ズッキーニ」より少しやわらかくて食べやすかった。「コリンキー」はコリコリしていて、味は残念でしたが、何かもう一工夫すればおいしく食べられるような気がしました。

  • 韓国かぼちゃの「エホバッ」は、「ズッキーニ」に近い感じで甘さがありました。「内藤かぼちゃ」も甘みはありましたが、ゆでるだけだとかたさが気になりました。

  • あまり違いがわからなかったのですが、「ズッキーニ」は油で炒めたほうがおいしいと思いました。「エホバッ」は思ったより甘みがあっておいしかったです。「コリンキー」と「内藤かぼちゃ」は、もっと甘いのかと思っていたのですが、それほど甘くなかったです。

  • 足立区在住ですが、韓国食材屋さんがたくさんあり、水キムチも食べたことがあります。韓国の方は肌がとてもきれいで、それは野菜をたくさん食べているからではないか、と思っています。今日のお料理はどれもおいしかったです。さっそく家でできそうだな、と思いました。

  • 今日のお料理はどれも簡単にできて野菜がいっぱいとれるレシピでよかったです。ジョンが特においしかった。太いもやしもすごくおいしかったです。

  • 「チャングムの誓い」を見てから、韓国料理に興味がわきました。もっと辛い料理をイメージしていましたが、今日の料理はそれほど辛いものはなくて、食べやすかったです。自分で作ると辛さが調整できていいですね。

  • エホバッのジョンは初めて食べましたが、おいしかったです。豆もやしをナムルにしてもっと食べよう、と思いました。

  • レシピを見ると、だいたい、すりごま、ごま油、にんにくが入るので、どれも味が似てしまうのではないか、と思ったのですが、実際に食べると素材そのものの味がよくわかり、新鮮に感じました。

  • 韓国料理が大好きなので、今日はどれも大変おいしくいただきました。水キムチの水は私も残していたのですが、乳酸菌豊富でもったいないことと知り、反省しています。

  • ジョンは辛いものが苦手な人でも食べられるので、子どもにも食べやすくていいと思いました。直売所で試食販売をしていて、ペポかぼちゃの消費拡大を図るのにとてもいいヒントをいただけた、と思っています。

  • 梨は、総合的に一番バランスがよかったのは「秋麗」だと思います。暑さのせいか、いまひとつ味が薄いような気もしました。食べた5種類の中では、「新甘泉」と「秋麗」が抜けていて、バランス的には「秋麗」がおいしかったです。

  • 「秋月」は、酸味が少なく果汁もありましたしが、甘みは普通。やや味が物足りなかったかもしれません。どちらかというと熊本より千葉のほうが味が濃かった。「新甘泉」は酸味が少なく甘みがありましたが、飽きてしまう味かも。「豊水」と「秋麗」が、酸味と甘みのバランスがよく、食感も好みでした。味の濃さでいえば「秋麗」。

  • 一番好きだった梨は「豊水」。香りがよくて、少しやわらかかったのですが、酸味と甘みがほかの梨とは違う味がして好きでした。「秋月」は熊本のほうが甘さも酸味もちょうどよかった。売るとしたら「秋月」が万人受けしそうでいいかな、と思いました。

  • 梨は全般的に甘くておいしかったです。今年、「新甘泉」を食べて、びっくりするくらい新鮮な味だと感じました。新しい味で食感もシャキシャキしていていいと思います。「豊水」も梨らしい味で、おいしかった。

  • 甘さは熊本の「秋月」が一番。バランス的には、千葉の「秋月」と「秋麗」がよかったです。「秋麗」は水分も多くて好みでした。

  • 熊本の「秋月」と「豊水」がよかったです。「秋月」はかためでシャキッとしていて歯ごたえがよかった。「秋麗」はメロンのような独特の甘みがあるように感じました。「新甘泉」は、酸味がないのが寂しいです。

  • 梨は全体的に良かったのですが、個人的に好きだったのは「秋月」です。熊本のほうが味がのっている感じ、千葉は、ちょっともやっている気がしました。「豊水」はいつも食べているのですが、酸味と甘みがあるんだ、というほかの梨との違いが今日わかってよかったです。

  • これほど一度にたくさんの種類の梨を食べくらべる機会はないので、貴重な体験でした。最初に「秋月」を食べておいしいと思い、次に食べた「豊水」もやっぱり梨っぽくていいなと感じて、「新甘泉」は「新甘泉」で甘みが強くてこれも好きでした。
 
◇その他
[李美栄氏より]
  • 韓国ではお料理によく梨を使い、キムチ、水キムチ、冷麺などに入れます。さっぱりさせるためです。日本では一年中梨を売っていませんので、私は冬に使うために冷凍しています。韓国では一年中梨が売られています。業者さんが冷蔵しておいたものだと思います。品種はわかりません。

  • 赤い実を絞った「五味茶」は韓国のお茶です。甘い、酸っぱい、苦いなどいろいろな味がするのが特徴で、自分の調子によって味の感じ方が違う、といわれています。夏は冷たく、冬は温かくして飲むポピュラーなお茶ですが、日本には輸出していません。ビタミンCなどが豊富で身体にいいので、韓国に行ったらぜひ飲んでみてください。

  • 韓国では、よく雨の日にチヂミを食べます。雨の音がチヂミを油で焼く音と似ているので、外に出ないで、家でチヂミを焼いて食べる風習があり、そのときはマッコリを飲みます。

  • お誕生日には必ずワカメスープを食べます。真っ黒に見えるくらいワカメがたくさん入っています。ワカメは鉄、葉酸、各種ミネラルなど栄養豊富なので、妊娠中や産後は毎日のように食べます。自分を産んでくれた母に感謝する意味を込めて、お誕生日にはケーキは食べなくてもワカメスープは絶対食べよう、という習慣があります。
[田中党子氏より]
  • とうもろこしの「ひげ茶」は、韓国でよく飲まれているお茶です。とうもろこしのひげには、水の流れをよくするはたらきがあるので、二日酔いなどでむくんでいるときに飲むといい、とされています 。

  • 「五味茶」が日本に輸入できないのは、漢方の生薬扱いだからです。一般の方は販売できませんが、漢方薬局に行けば生薬として処方してくれます。
田中党子氏
  • 薬膳では、梨には肺を潤すはたらきがあると考えられています。秋は、気管支や肺が乾燥します。西洋医学では肺は乾燥していたほうがいいと考えられていますが、東洋医学的には肺は潤っているもので、乾燥するとから咳が出たり、痰が絡まったり、水分が足りないことから乾燥性の便秘も引き起こすことがあります。秋に咳や便秘が気になる方には、梨とはちみつがおすすめです。甘みと酸味をいっしょに摂ると潤いが生まれるとされているので、甘みが強い梨なら柑橘類といっしょに摂るといい、という考え方もあります。白ごまも潤いがあるといわれており、秋におすすめの食材です。
[高橋芳江氏より]
  • 10月に「江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座」があります。チラシをお配りしましたので、ご興味のある方はぜひ受講してみてください。

  • 10月5日から3日間、東京都主催の「味わいフェスタ」が行幸通りで行われます。東京産の農産物、野菜だけでなく肉や牛乳も購入できますし、丸ビルのレストランなども出店します。江戸野菜のプレゼントも配りますので、よかったらいらしてください。

  • 9月7日〜30日まで、錦糸町の駅ビルテルミナで「江戸東京野菜フェア」をやっています。「寺島なす」、「内藤かぼちゃ」といった野菜を使った料理を各店舗で出していますので、お近くの方はぜひお立ち寄りください。
[吉野元氏より]
  • 10月の八百屋塾はれんこんの産地視察で、バスで茨城に行きます。営農センターに着いて、畑の視察、ホテルで昼食、帰りに道の駅に寄ります。東一さんがコーディネートしてくれます。れんこん掘りがメインですが、実際に畑に入れるのは数名だと思います。ぜひやってみたいというご要望があれば、行きのバスの中でお聞かせください。先着順なので早めのお申し込みをお待ちしています 。

  • 11月の八百屋塾は、11月12日、テーマは「大根」の予定です。

  • 12月は「やっちゃばマルシェ」を開催します。すでにお手伝いいただける方にはメールをしていますが、まだまだご協力いただける方を募集中です。ご意見・ご要望もあればぜひお寄せください。