■2018年5月13日 第2回 アスパラガス 〜 勉強品目「アスパラガス」 東京青果(株) 酒井慧太氏
  • 東京青果で洋菜、特にアスパラガスやセルリーなどを担当しています。今日お持ちしたアスパラガスについてご説明します。

  • 秋田産のグリーンアスパラガスは県南地域、横手地区のものです。この産地は夏でも色が濃いので、市場でも高く評価されます。関西方面にはほとんど出まわらず、関西の大手百貨店から色の濃い秋田産がほしい、というオーダーが来ることもあります。今が春芽のピークです。4月下旬〜9月を通して味がのっているので評価が高く、需要が多い産地です。今日は2LとMの太さ違いで試食を用意しました。
東京青果(株) 酒井慧太氏
  • 福島は会津産。今がピークです。根強い人気があり、京浜市場では、5月の入荷量は福島産がナンバーワンです。

  • 栃木の那須塩原は、全国流通が少なくなる4月にピークが来る産地で10月上旬まで出荷されます。生産者さんは約100軒、みなさん非常にまじめで、今年出荷規格を確認する「目合わせ会」に98軒が参加されました。10年前の3億から去年の8億5千万へ、ずっと右肩上がりの優良な産地です。ハウスを作らないと部会に入れません。自信があるということでしょう。

  • かつて長野県は北海道に次ぐ大産地でした。露地が多かったこともあり、病気が蔓延して、最近はズッキーニに転作する農家が増え、若干減っています。そのなかで上田市にはハウスや選果施設があり、生産が盛んです。県としても苗を配ったりして、減らさないように力を入れています。

  • 長崎産の今シーズンの春芽のピークは終わりました。昨年は非常に出荷が少なく、今年は前年対比150%。ただ例年対比では90%です。壱岐農協では減農薬、減化学肥料に取り組んでおり、エコファーマーを取得しました。アスパラ生産団体としては全国初で、農林水産大臣賞を受賞しています。

  • 栃木の那須や、長崎の壱岐は畜産が盛んです。アスパラ栽培に必要な堆肥がとれ、アスパラの残さを牛に食べさせるなど、循環型の取り組みができています。

  • 本日のホワイトアスパラは香川産。1月下旬〜8月下旬の出荷です。私はこの生産者さんのところに10年間通っていますが、テレビ取材を含め、外部の人間は一切入れずに、栽培技術を守っています。束ねるテープに顔写真が入っており、自信があることがわかります。

  • 香川県には「さぬきのめざめ」という長さが特徴のアスパラガスもあります。

  • パープルは福島産です。これからピークを迎え、色もしまりもいいアスパラです。緑、白とあわせてお店で販売すると目をひくのではないでしょうか。

  • ミニアスパラは2011年にタイの洪水による病気の蔓延で、輸入量が一気に減少しました。現在、国産のミニアスパラに期待が高まっています。

  • ホワイトアスパラは蛍光灯の光に当たるだけでうっすら緑色がついてしまうので、佐賀では黒い袋に入れて遮光しています。表が黒くて、裏返すと商品が見えるようになっています。今年はもう終わりましたが、来シーズンぜひ取り扱いをご検討ください。

  • ペルーのホワイトアスパラは、周年輸入があり、価格も安定しています。

  • 海外のグリーンアスパラは、オーストラリアが8月下旬〜10月で、メキシコが12月上旬から。その間を埋めてくれるのがペルーとニュージーランド。輸入量が多いのは圧倒的にメキシコ産です。出荷期間が長く、12月から4・5月くらいまで出回ります。

  • アスパラソバージュは、それほど売れるものではないので、市場では取り扱いがむずかしい商品です。
◇「アスパラガス」の写真
グリーンアスパラ
(青森)
グリーンアスパラ 2L
(秋田)
グリーンアスパラ M
(秋田)
グリーンアスパラ
(福島)
パープルアスパラ
(福島)
グリーンアスパラ
(栃木・那須)
グリーンアスパラ
(長野・上田)
グリーンアスパラ
(長崎・壱岐)
採りっきり栽培
グリーンアスパラ
(明治大学)
採りっきり栽培
パープルアスパラ
(明治大学)
グリーンアスパラ
ウェルカム
(新潟・津南)
グリーンアスパラ
スーパーウェルカム
(新潟・津南)
ホワイトアスパラ
(香川)
ピンクアスパラ
ミニアスパラ
(佐賀)
グリーンアスパラ
(メキシコ)
ホワイトアスパラ
(ペルー)
アスパラソバージュ
(フランス)
   
 

【八百屋塾2018 第2回】 挨拶講演「アスパラガス」について勉強品目「アスパラガス」商品説明・生産者紹介食べくらべ