Q:昔と比べると、がんは増えているのでしょうか? 食事の影響は考えられますか?
A:がんの多くは加齢にともなう病気です。寿命が延びているので、確実にがんは増えています。食事の影響で増えていると考えられるのは、乳がん、大腸がんです。昔のほうが高塩分食だったので、胃がんは減っていると思います。
Q:小児がんの要因は?
A:原因はあまりわかっていません。これとは別に、よく「がん家系」といいますが、家族は食事をはじめ生活習慣が似るから同じ病気になりやすいという場合がほとんどです。
Q:がんになったら、どういう行動をとればいいのかアドバイスをいただけますか?
A:私なら、まず、病院に行きます。診断が出たら、国立がん研究センター がん対策情報センターが「がん情報サービス」としてさまざまな情報を提供しているので、そこで勉強します。そして、どのような治療がいいのか、別の病院に行ってセカンドオピニオンをもらいます。また、必ず保険診療を受けます。
Q:伝統的に塩蔵して食べものを保存する文化があります。塩抜きして食べればいいのでしょうか?
A:胃がんの多くはピロリ菌が原因で、塩分をたくさん取るとさらにリスクが上がります。なので、胃がんの予防には、塩蔵品を食べないのではなく、塩分を控えたほうがいい、ということです。ごはんとよく合う塩辛いおかずを多く食べていた地域に胃がんが多いです。塩分の取り過ぎは血圧も上がりますので、取り過ぎには注意したほうがいいでしょう。
Q:がんになったとき、民間治療に頼る人も多いですが、身近にそういう人がいたとしたらどう説得すればいいでしょうか?
A:日本では効果のある治療はすべて保険診療になっています。このことを話すといいのではないでしょうか。もしいい薬があれば、製薬会社が見逃さないはずです。
Q:野菜はがんにいいということを、お客さまに言ってもいいのでしょうか?
A:確実ではないが野菜ががんのリスクを下げるという報告がいくつもあります、というのは言ってもいいと思います。他の疾患の予防にもなりますし、メリットとデメリットをトータルで考えたら、野菜はすすめてもいいと思います。
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