■2017年4月9日 第1回 開講式 〜 講演「八百屋のありかた」 群馬県地域興しマイスター 担い手支援スペシャリスト シニア野菜ソムリエ  田村善男氏
◇はじめに
  • 私は築地市場での31年間を含め、46年間、卸売市場で仕事をしてきました。その間、セリ人をしたり、全国各地の産地を回ったりして、そうした経験から、シニア野菜ソムリエの資格を取りました。今、野菜の消費が減っています。その中で、野菜の知識がある人とない人に分かれていて、できるだけわかりやすく伝えることが大切ではないかと思い、さまざまな活動をしています。

  • よく流通業は変化適応業、対応業といわれます。変化に対応できるかどうかが、自分たちが生き残れる道になります。大都市の八百屋さんはまだ恵まれているほうで、地方の八百屋さんは本当に大変です。そこをどうやって生き抜いていくか。いろいろな業界が、変化についていけず衰退していきました。逆に、半歩先を読み、対応したことによって元気のある業態もあります。八百屋塾で学んだことを、消費者や飲食店などに伝えて、元気な業態として残れるように努力していただきたいと思います。
群馬県地域興しマイスター
担い手支援スペシャリスト
シニア野菜ソムリエ  田村善男氏
  • 今日は、現在、みなさんを取り巻く環境について私なりにお話し、のちほど、ふき、山うどといった春の野菜についても説明します。関心のあることをそれぞれが深く勉強して、役立てていただけたら嬉しく思います。
◇人口減少と高齢化
  • 時代の変化で、電子マネーが広がっています。お店に行ったら電子マネーが使えなかったので、買い物しないで帰ったという人が3割、というデータがあります。これからは、八百屋さんも多様な消費者に合った対応をしていかなければならないと思います。

  • 近年は、人口減少と高齢化という大きな波を受けています。100歳以上の人を「センテナリアン」と呼ぶそうですが、昨年のデータでは、日本には100歳以上の方が6万5千人います。そのうち女性が87.6%、男性が12%です。統計を取り始めた頃は153人だったので、わずかの期間でこれほど増えているわけです。世界的にも類を見ない高齢化が速いテンポで進んでいることがわかります。

  • 長寿の人が多い地域としては、イタリア、アメリカのロマリンダ、コスタリカ、ギリシャ、日本では沖縄がよく知られており、こうした地域では、どういうものを食べているか、関心が持たれます。沖縄では、ゴーヤー、ナーベラー、パパイア、島らっきょう、島にんじんなど。私が市場に入った頃は、これらの野菜はほとんどありませんでしたが、時代の変化の中で、売れるようになりました。

  • 昨年、65歳以上の人は27.3%でした。2015年(平成27年)は26.7%、前回の東京オリンピックが開かれた1964年(昭和39年)の高齢化率は6.2%でした。しかも、75歳以上が8人に1人となり、15歳以下の人口と逆転してしまいました。2025年には、団塊の世代が75歳以上になり、全体の3割を占めるとされています。その中でみなさんはどういう対応をしていくか、考えていかなければなりません。

  • ライフスタイルが大きく変化する中で、女性の社会進出があたりまえになりました。今、日本の所帯数は5400〜5500万です。専業主婦所帯は687万と減少しているのに対し、共働き所帯は1114万と増えています。そのうちの770万所帯は子育てをしながら働いているワーキングマザーで、負担は大変なものだと思います。家族の人数の平均は2.3人。単身所帯と2人所帯は右肩上がりで伸びており、3人所帯はやや頭打ち、4人所帯ともなると減少傾向にあります。
◇平均寿命と健康寿命
  • 2015年(平成27年)の平均寿命は、女性が87.05歳、男性も80歳を超えました。1947年(昭和22年)に初めて日本人の平均寿命は男女ともに50歳台になり、以降急激に長寿が進んでいます。

  • 今、健康寿命と平均寿命には10歳くらい差があります。動けなくなっても10年くらいは生活していくわけで、男女とも、その期間をいかに短くするかが課題になります。そのためには、食生活、運動などいろいろなことが大事になる、といわれています。
◇野菜摂取量とBMI(体格指数)
  • 野菜摂取量の全国平均は、1日当たり、男性297グラム、女性280グラムです。

  • 東京は、男性が332グラムで4位、女性312グラムで3位。BMI は男性35位と女性42位なので、意外に野菜を食べていて、BMIも低いことがわかります。

  • 日本一の長寿県、長野では、男性の野菜摂取量が379グラムで全国1位、女性も365グラムで1位です。BMI は、男性23.4で33位、女性が26位。つまり、野菜摂取量は1番で、肥満の割合は全国的に見ても下位に位置しています。

  • かつて長寿日本一だった沖縄は、男性275グラムで37位、女性246グラムで44位と、男女とも野菜摂取量が非常に少なく、BMIは男性24.3で3位、女性23.9で1位です。長野と沖縄を比較すると、野菜の摂取量が多いほど平均寿命が長いことになります。

  • 長野は、食塩の摂取量が多く脳卒中も多いのですが、平均寿命は日本一です。長野では10万人以上の食生活改善推進委員がさまざまな活動をしているそうです。減塩に取り組み、野菜を多く食べ、伝統食を取り入れていること、肥満率が低いこと、また、高齢者の就業率が日本一で、がん死亡率も低く、教育県としても知られています。野菜をたくさん食べればすぐに平均寿命が向上するわけではありませんが、ひとつの要素として考えられるのではないでしょうか。
◇「ほうしょく」の時代
  • 食生活ジャーナリストの岸朝子さんが言っていたことをご紹介します。昭和20年代は、飢えの時代。食べるものは「その日暮らし」どころか「そのとき暮らし」だったそうです。昭和30年代になると、舌で食べる時代になり、味を考えるようになりました。昭和40年代は、見た目で選べる余裕が出てきました。大阪万国博覧会が開かれた1970年(昭和45年)は外食元年といわれていますが、この頃、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルド、ファミリーレストランができました。昭和50年代にはコンビニが登場し、体にいいとか悪いとか、考えながら食べる時代になり、昭和60年代は、心で食べる時代になりました。

  • 平成10年代は食生活の乱れが指摘され、私は、「飽食」ではなく、「崩食」、「呆食」の時代と言っています。2000年(平成12年)に健康日本21、2005年(平成17年)に食育基本法が成立し、食育が見直されていますが、まだ食に関する問題はたくさんあります。八百屋さんは食の最前線にいる立場として、消費者に健康情報を伝えていただきたいと思います。
◇食に関するさまざまなアンケート・調査結果
  • 食の志向には、健康、経済性、簡便化があります。日本政策金融公庫の調査によると、現在は、健康志向が最優先されています。経済性とは、価格が安いほうがいい、ということ。簡便化は、高齢化、女性の社会進出もあって、さらに進むと予想されます。また、安全についても高い意識を持っており、今後は簡便化から安全性志向にシフトしていく可能性が考えられます。

  • 国産かどうかを気にかける人は、76%。ところが、外食では38%になってしまいます。中国の冷凍餃子事件で、消費者もお店の人も、国産に対する意識が高まりました。国産のイメージは、価格が高い、安全、おいしい、色・形がよい。海外旅行に行ったりすると、日本のレベルの高さが感じられます。多少割高でも国産を選ぶという人もいます。許容範囲はどれくらいかというと、「3割を超えても国産品」という人、「2割高までなら」という人もいます。

  • 料理をする女性に、「野菜が好きですか」と聞いたところ、「好き」が6割、「やや好き」も含めると90%以上。どんな野菜が好きかというと、トマト、じゃがいも、きゅうり、玉ねぎ、ブロッコリー、レタス、なす、だいこん、白菜、にんじんが上位にきています。

  • 調理済み食品が多くなり、食の外部化率は伸びています。コンビニ、スーパーなどの惣菜で済ませてしまう。八百屋さんはこれにどう対応するかを考える必要があります。

  • 1999年(平成11年)の新聞に、「家庭の調理代行」という記事がありました。アメリカで、「ミール・ソリューション」とか「ホーム・ミール・リプレースメント」と呼ばれる家庭の調理代行業態が伸びた時代です。日本でもこの頃すでにこういう話題が取り上げられていたんですね。

  • 小売店のバイヤーを対象にした日本経済新聞のデータによると、「今年の成長品目」は、1位がヨーグルト、2位は惣菜・弁当、3位が冷凍食品。また、5位にレンジ・レトルト食品となっていました。
◇野菜の消費量・流通量
  • 国は、1日350グラムの野菜摂取を推奨していますが、消費量は右肩下がりです。多いときは年間118キロあったのが最近は93キロくらいで、野菜は減る一方、サラダ関係の購入金額は増えています。

  • 世代別の野菜摂取量は、20〜30代が少なく、50代以上では増えますが、1日350グラムには達していません。5〜10年先、若い世代の消費量が増えていけばいいのですが、食生活が変わらなければ伸びないでしょう。どうしたらもっと食べてもらえるのか、考える必要があります。

  • アメリカでは、医療費の増加、野菜摂取量の減少、肥満の増加が問題となり、国を挙げて世界中の調査をしました。その「マクガバン・レポート」では日本の食生活がいい、とされていました。当時は野菜の摂取率が高かったこともあるのでしょう。ところが現在は、アメリカより日本のほうが野菜の消費量が少なくなってしまいました。アメリカは、「5 A DAY」など、野菜の消費拡大運動を国を挙げて行い、全米のスーパーマーケットも導入したことなどにより、野菜摂取量が増え、同時に健康問題も多少解消されました。ただ、また最近は肥満が問題になっているようです。

  • 今、日本の農家の平均年齢は66歳です。10年経つと76歳になり、そうなったときに、どれだけ供給ができるでしょうか。若い人がまったく農業をしていないわけではないのですが、今のままでは追いつかないのではないか、と思っています。

  • 野菜は今、国産が1200万トン、輸入が300万トンくらい流通しています。キャベツ、ほうれんそう、レタス、ねぎ、たまねぎ、白菜、きゅうりなどの指定14品目が75%を占めています。次いで、特定野菜35品目が、21%。うど、芽キャベツ、モロヘイヤ、冬瓜、くわい、ラディッシュなど、その他特産野菜が4%。これでほぼ100%です。めずらしい野菜も流通していますが、微々たるものです。

  • 地域特産野菜の中の減少品目は、あさつき、うど、かいわれ、くわい、しそ、食用菊、白瓜、タアサイなど。多くは最盛期が昭和の時代だった品目です。エシャレット、せり、じゅんさい、食用ゆり、芽キャベツなども減っています。増えているのは、ズッキーニ、青梗菜、スナップエンドウ、菜花、にがうり、パプリカ、水菜、ミニかぼちゃなどです。
◇小売の動向
  • 大阪万博が開催された1970年(昭和45年)頃、量販店が出てきて、小売の業態が変わってきました。一時は6万店くらいあった八百屋さんがこの時点で3万店を割り、今はもっと減っています。

  • 国の方針もあり、今後、量販店の直接取引が増えるだろう、といわれています。私がセリ人をしていた頃から、相場が高いときは量販店で、安いときは八百屋さんで買うという人がいました。全農など、大きく変わろうとしており、卸売市場も変わらざるを得ません。すぐの問題ではないにせよ、変化するということは頭に入れておいたほうがいいでしょう。

  • コンビニは、順調に伸びています。「走るコンビニ」といわれる移動スーパーも注目されています。「とくし丸」という移動スーパーが都内でも走っているようで、埼玉を中心としたベルクというスーパーもとくし丸と連携し始めたそうです。早くから移動スーパーに挑戦してきたお店はたくさんありました。ただ、時代が追いついていなくて、頓挫してしまいました。今は、高齢化などで、辺鄙な場所だけではなく、都市部でも買い物に不自由している方がたくさんいます。移動スーパーは、1日8〜10万くらい取り扱いがあるようです。やり方など、各自、いろいろ調べてみてください。

  • かつて、コンビニでは青果物は扱っていませんでしたが、時代の変化とともに、青果物を扱わざるを得なくなっています。バナナ、にんじん、じゃがいもなどを少しだけおいている店もありますが、しっかり品揃えをしているコンビニもあります。

  • ネットスーパーの今後の推移も注目すべきでしょう。ネットは、若い世代には欠かせないツールですし、使える高齢者も増えています。イオンでは、青果物ではありませんが、「店舗で体感、ネットで注文」と、店では商品を見るだけで注文はネットでする、というスタイルの店づくりを始めています。勤めている人が多く、家に配達されても受け取れないので、駅で受け取ったり、宅配ロッカーを設置したりと、いろいろな取り組みがされています。アマゾンには1時間配送とか、驚くほど早く届くサービスがあります。宅配については最近話題になっていますが、1985年(昭和60年)頃、ヤマトが宅配便を始め、4億9千万個くらいだったのが、昨年は37億4500万個だそうです。配送スタッフの働き方が問題になり、今、改善しようとしているところです。その他、ローソンの無人レジも話題になりました。レジを通らなくても商品が買えるシステムで、アメリカではすでにスタートしているようです。
◇八百屋さんに知っておいてもらいたいこと
  • 「地産地消」、「伝統野菜」という観点から、都内の八百屋さんには、ぜひ東京産の野菜に関心を持っていただきたい。都庁の方も、「ぜひ東京の野菜に関心を持ってください」と言っていました。どうしたら自分の店で売れるか、何らかの取り組みをすれば、結果に結びつくはずです。

  • 江戸東京野菜の定義は、「江戸期から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または近隣の種苗商により確保されていた昭和中期、40年頃までのいわゆる在来種または在来の栽培方法に由来する野菜のこと」です。

  • 都内の飲食店で、東京産の野菜を使っているところもあります。みなさんも、そういうお店に食べに行ってみてください。「自分の店でも何かできないかな」と、考えるきっかけになるかもしれません。以前、銀座のお店から、7センチの小松菜の注文が来たことがあります。市場には探してもなかったのですが、なんとかしましょう、と努力してくれた農家さんがいました。そうした声を聞き逃さないようにすることが大事で、そこに新しい道が開けます。どう解決するか、自分だけでは無理でも、八百屋塾の仲間の中にはいろいろ情報を持っている方がいますから、いろいろなものを結びつけたらいい、と思います。

  • 「旬の野菜推進委員会」が2003年に定義した「旬の野菜10箇条」によると、それぞれの地域で、最も適した時期に無理なく作れること。新鮮で、栄養分が豊富であること。安全性についても気配りがされていて、自然環境にもヒトにもやさしいことなどが挙げられています。

  • 日本人の主食である米の消費は減っており、野菜に抜かれた時期がありました。果物はほぼ横並びで推移しています。

  • カロリーベースの自給率は、40%とか39%とか、よく話題になるのでご存じでしょうが、野菜に関していえば、自給率は80%前後あります。果物は年間を通して海外から入ってくる率が高いので、自給率40%くらいです。

  • 国は東京オリンピック前の2019年には、野菜と果物の輸出1兆円を目標としていますが、まだ全体の5%、7500億くらいで推移しています。2020年の東京オリンピックの際、選手村などで使う食材には、GAPを取っていないなどの理由から、国産生鮮品の1%くらいしか対応できない、といわれています。場合によると、輸入して対応する必要があるかもしれません。選手村に食材を納入するには厳しい条件があるなので、覚えておいたほうがいいと思います。

  • 2014年(平成26年)の野菜の産出額は2116億円でした。都道府県別では、1位北海道、2位茨城、3位千葉、4位熊本、5位愛知、6位埼玉、7位群馬、8位長野、9位栃木、10位福岡。みなさんも、「今の時期はここの産地のものがいいよ」と言って売るはずですから、ベスト10くらいは頭に入れておいてください。

  • 品目別の出荷量は、1位が馬鈴薯です。ただ、でんぷんなどの加工に回るものが2/3くらいあるので、生鮮野菜としては6〜7番目かもしれません。2位キャベツ、3位だいこん、4位たまねぎ、5位白菜、6位トマト、7位レタス、8位にんじん、9位きゅうり、10位ねぎ。昔と違うのは、きゅうりがやや下がって、ねぎがベスト10に入っていることでしょうか。金額では、トマトやいちごが上位になります。

  • 市場の数は、東京は全部中央卸売市場で、67。地方には1159もの市場があります。これだけの市場があり、青果物等が流通しているということです。

  • 農業新聞には、産地のことだけではなく、今年のトレンドとか、いろいろな情報が載っています。また、フーデックスなどのイベントに行けば、産地の人はもちろん、お客さんもたくさん来ています。いつも、いろいろな情報にアンテナを立てて、自分の店に取り入れるものを考えてください。世の中は常に変化しています。あまり先走り過ぎると難しいですが、少し先を見据えて取り組む必要があるのではないかと思います。
◇質疑応答より

    Q:先日、娘と話をしていて、「なぜ東京産の野菜がいいの?」と聞かれました。田舎のほうが水も空気もきれいで環境がいいから、いいものができそう、ということでした。そういう考え方もあるか、と思ったのですが、田村さんが考える東京産の野菜のよさとは?

    A:食育が注目され、学校給食などでは、地元でできたものを使いましょう、といわれています。子どもたちに地元のものを教える、という意味もあるでしょう。日本の農業のレベルは高いので、普通に作っていれば、水や空気は問題ないと思います。地元で採れたものに親近感を持ち、それを消費するのはいいことではないでしょうか。「身土不二(しんどふじ)」といって、自分の回り4キロ四方くらいでできたものを食べるのがいい、という考えもあります。遠くから来ると、時間もエネルギーもかかります。だから輸入より国産、国産も近場のものがいい。ただ、12ヶ月間、すべての野菜が地元でできるわけではないので、より豊かな食生活のために、北海道から九州まで、その時期にできたものを食べている、ということだと思います。

 
『築地市場のセリ人が教える旬の野菜』

 塾生のタナカトウコ氏より、今回の講師を務めてくださった田村善男さんの著書『築地市場のセリ人が教える旬の野菜』の紹介がありました。

  • 本日の講師、田村善男さんの著書『築地市場のセリ人が教える旬の野菜』の編集をお手伝いしました。人気のラジオ番組で、田村さんが20年にわたり、旬の野菜について紹介されたものを一冊にまとめました。膨大な資料があり、大変な作業でしたが、私自身もすごく勉強になりましたし、八百屋さんにもお役に立つ内容がぎゅっと詰まっています。アマゾンなどで購入できますので、ぜひ参考になさってください。

タナカトウコ氏

  ■築地市場のセリ人が教える旬の野菜
    田村善男著
    叢文社刊
    本体¥1,200+消費税
    ISBN978-4-7947-0768-0

【八百屋塾2017 第1回】 挨拶講演「八百屋のありかた」勉強品目食べくらべ