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■2018年3月11日 第12回 修了式 〜 調理の先生のお話
長年、八百屋塾で食べくらべの調理を担当してくださった4人の先生方が今回で最後となり、代表して、大石みどり氏よりお話をいただきました。
[大石みどり氏より]
江澤正平先生と私の恩師である女子栄養大学の上田フサ先生が親しかったことがきっかけで、長年、栄大メンバーで八百屋塾の調理を担当してきましたが、今回で最後になます。長い間ありがとうございました。
私は、大学などで調理学を教えています。その経験から感じていることをお話しします。
今の若い人たちはポットでお湯を沸かすので、「沸騰」がわかりません。鍋でほうれん草をゆでるとき、鍋の周囲がフツフツしてきたら沸騰だと思っている人がいます。ほうれん草をゆでているときに「混ぜて」と言うと、鍋の中をぐるぐると菜箸でかき混ぜるので「上下を返す」と伝えなければなりません。また、ほうれん草を冷凍保存するときは、解凍後にもう1回加熱することを考えて、かためにゆでる必要があります。
大石みどり氏
今の人たちは煮物が下手だといわれますが、経験不足でどうやって作ったらいいのかわからない。調味料の順番は「さしすせそ」といわれますが、めんつゆがあるのでそれも知らない人が多いと思います。
野菜の褐変(茶色くなること)は水や酢につけて防ぎますが、皮をむいたじゃがいもは水につけておくことを知らない人がいました。放置して茶色くなってもヘンだとは思わない人、「これ、腐っているんですか?」と聞く人もいます。
さといもは冷凍保存できます。皮をむいて、1回の使用量ごとに分けて冷凍庫に入れます。煮るときは解凍せず、凍ったまま使うのがポイントです。さといもの煮方には、ぬめりをとるために一回ゆでてから煮る、煮汁の中にそのまま入れる、蒸してから皮をむいて煮っころがしにする、という方法があります。
野菜は繊維を縦に切るか、横に切るかで食感が変わります。ピーマンは、高齢者向けなら横、若者には縦がおすすめです。
キャベツのせん切りは、丸ごとを横半分に切って、上の部分だけを使うと切りやすく、芯が入らないのでやわらかく、おいしいせん切りができます。残りの下半分は、お好み焼きなどに使うといいでしょう。
キャベツの外側のかたい葉は、きんぴらにするとおいしく食べられます。
野菜をしなっとさせるのは塩水、パリッとさせるのは氷水です。
きゅうりの漬物をパリッと仕上げたいなら、8〜15%の塩分でなければ無理です。
千葉県には、九十九里浜の砂でなすを漬ける、という調理法があります。九十九里浜の砂には豊富に含まれている鉄分を利用した、独特のやり方です。
にんにくは野菜室で放置すると芽が出るので、凍らせます。香りが飛ばないように、まるのまま袋や瓶に入れて保存してください。スパゲティなどには凍ったまま使えます。
安いもやしをたくさん買っても、腐らせてしまっては元も子もありません。サッとゆでて、蒸れないように広げて冷ませばいいのです。
一般の方にとって、料理はとても遠いものになりました。野菜はカットしたもの、ミートソースやカレーはレトルトが売られています。これからは、親が子供に教えることはないでしょうから、野菜の扱い方、食べ方など、八百屋さんが教えてほしいと思います。
私自身、八百屋さんでいろいろと質問するのが好きです。プロとしての意見が聞きたいので、しっかり答えられるようになっていただきたいと思います。今のままでは手間のかかる野菜は売れなくなります。ぜひ、八百屋さんが持っている野菜、果物の知識を、消費者のみなさんに教えてあげてください。
※大石みどり氏より、資料「
野菜と料理
」を受講生に配布しました。
PDFにて資料をご覧いただけます。(「
野菜と料理
」の文字をクリックしてください)
【八百屋塾2017 第12回】
挨拶
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修了式
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調理の先生より
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基調講演「野菜摂取量とがんの関係〜データの真実と読み解き方〜」
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塾生より
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