Q:乳がんには糖分の摂りすぎがよくない、と聞いたことがあるのですが、本当ですか?
A:糖分に関してはそれほどエビデンスがないと思います。甘いものを食べないほうがいいといわれるのは、太ったらよくない、という意味ではないでしょうか。普通に食べているぶんには大丈夫です。
Q:アメリカのデザイナーフーズ計画では、にんにくが最上位に位置づけられていますが、この研究の信頼性はどうなのでしょうか?
A:デザイナーフーズ計画を発表したアメリカ国立がん研究所は信頼できる施設です。確かに、にんにくがフューチャーされています。にんにくをよく食べるイタリアやスペインで結果は出ていますが、日本人に当てはまるかどうかはわかりません。食べ過ぎなければいいと思います。デザイナーフーズのピラミッドは、アメリカ人には当てはまるということだと思います。
Q:今日お聞きしたような話を母親に伝えようとしても、「テレビではこう言っていたから」とか、聞いてくれないことがあります。うまく伝えるにはどうすればいいのでしょうか?
A:お母さまがかたくなに信じていること、やっていることのメリット・デメリットを考えて、デメリットがなければいいのではないでしょうか。「テレビを見ていたら専門家が言っていたから」なのであれば、「国立がんセンターの先生がこう言っていたよ」と、専門家に対しては専門家で対抗するのもひとつの手かもしれません。
Q:野菜1日350グラムを生でとるのは結構大変だと思うのですが、煮ものなどの料理、スムージーなどでもいいのでしょうか?
A:われわれの研究結果は漬物やジュースも含めており、生に限定してはいません。ビタミンCなど加熱などにより失われてしまうものもありますが、1日の摂取目安としてはあまり細かく考えすぎず、生野菜も煮ものも漬物もジュースもトータルで350グラム、でいいと思います。
Q:乳がんについて、検診を受けると発症のリスクが高まるという話を聞いたことがあるのですが、本当のところはどうなのでしょうか?
A:検診による放射線の影響はゼロではありませんが、基準よりはずっと下なので、マンモグラフィを受けるとリスクが高まるというのは考えすぎです。検診をしている国のほうが乳がんは多いというのは、積極的に「見つける」からです。また、がんの中には、致命的な影響を与えないものもあります。たとえば前立腺がんはある程度の年齢まで生きた男性はほとんどかかりますが、直接的な死因にはあまりなりません。それより寿命が先に来るからです。甲状腺がんや乳がんにもそういうことがあります。検診に効果があることは確かですが、見つかった乳がんを取らなくてもよかったという人は必ずいる。ですから検診は40歳以上としています。現在の医学では、まだ、個々のがんに関して、それが致命的なものになるかどうかまではわかりません。
Q:サプリメントなどで栄養を摂る人が増え、ものを噛む機会が減ると、なにか問題があるのではないかと思うのですが…?
A:私は咀嚼については調べていないので、わかりません。何か言うと、「専門家の意見」になってしまうので控えます。素人としてはそうかもしれない、とは思います。咀嚼について研究をしている方はいると思うので、調べてみてはいかがでしょうか。
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