■2018年2月18日 第11回 プチヴェール・芽キャベツなど 〜 講演「プチヴェール・芽キャベツなど」について とぴあ浜松農業協同組合営農販売部 特販課 東京駐在所 久留島達磨(くるしまたつま)氏
◇芽キャベツ
  • 芽キャベツは、葉柄の根もとにつくわき芽が結球したものです。球は、高さ80cm程度の1本の太い株につき、1株でたくさんの芽キャベツがとれます。

  • 直径3cmを目安に、葉を残しながら、下から順に収穫していきます。根元を持って下にもぎとると簡単に収穫できます。

  • 収穫は3月まで。寒さにあたるとアントシアンで紫色になったり、節間が狭くなって実を圧迫し「はぜ」てしまうこともあり、正品の流通量が減少します。
とぴあ浜松農業協同組合営農販売部
特販課 東京駐在所
久留島達磨(くるしまたつま)氏
  • 静岡県は芽キャベツの大産地で、県全体で350トンほど出荷しています。JAとぴあ浜松の出荷は12月中下旬から3月上旬。県の2割弱、年間約50トンです。

  • 今年度は、10、11月、定植から2カ月ほどの時期に台風が2回直撃しました。圃場は水浸しになり、強風で根張りが悪くなってしまい、通常は3月上旬まで出荷できますが、1月いっぱいで収穫できない圃場もあったとうかがっています。

  • 芽キャベツは、切ると、キャベツ同様、芯があります。芯は火が通りにくいので、おしりのところから切り目を入れて加熱するといいと思います。油との相性がいいので天ぷらにするとか、シチュー、ポトフなどで煮込んでもおいしくめしあがっていただけます。個人的には、オリーブオイルにニンニクをきかせて、切れ目を入れた部分に少し焦げ目がつくくらいまで、3〜4分焼くのがおすすめです。
◇プチヴェール
  • プチヴェールは、増田採種場が芽キャベツとケールを掛け合わせて開発した品種です。独特の形と栄養価の高さが注目されており、近年、プチヴェールとは何か、というお問い合わせも多くいただいています。ビタミンC、E、β-カロテン、葉酸など、さまざまな栄養素を多く含む、ということですが、含有量など詳細については、増田採種場のホームページ(http://www.masudaseed.com/)でご確認ください。

  • JAとぴあ浜松では、12月下旬〜3月上旬まで、約15トン出荷しています。

  • プチヴェールの味は個人的にはブロッコリーに近く、結球していない芽キャベツのような形をしています。今年は台風の影響で株が曲がったり、丈が短くなったり、出荷できないものも多くありました。

  • 葉っぱはケールに近く、厳寒期の1〜2月には糖度が高くなります。ちょっとオーバーかもしれませんが、さとうきびのような甘さを感じます。葉は出荷していませんが、産地に視察に来た方から供給してほしい、と言われたこともあります。現状は葉だけ集めるのはむずかしいのですが、今後の課題として取り組みを始めていきたいと考えています。
◇葉付サラダオニオン
  • 当産地は、新たまねぎの大きな産地で、おそらく全国的にみて一番出荷が早く、年が明けて1月、市場の初市に合わせて出荷が始まります。

  • 「葉付サラダオニオン」として葉を残したまま出荷しているのが180トンほど。2月20日頃を目安に、葉を切って「サラダオニオン」として出荷が始まり、合わせて500トンほどになります。

  • 食べ方は、「サラダオニオン」の名前の通り、生食がおすすめです。辛みが少なく、スライスしてそのまま、かつおぶしやポン酢をかけるだけで、おいしくめしあがれます。

  • メディアにもよく取り上げていただき、テレビでよく「甘い!」と言われますが、お菓子ではないので、たまねぎ本来の甘みが楽しめる、とご理解ください。

◇黄たまねぎ
  • 黄たまねぎも新たまねぎの一種です。白たまねぎは首の部分が白いのに対し、黄色たまねぎはやや黄色がかっているのが特徴です。

  • JAとぴあ浜松では、黄たまねぎを6000トンほど1月〜4月上旬まで出荷しています。

  • 黄たまねぎも生でも食べられますが、加熱するとより一層甘みが楽しめます。

  • 新ものは貯蔵ものとは違い、煮込み料理に入れると溶けてしまうことがあります。新ものは火の通りがよいので、たまねぎの食感を残したい場合はご注意ください。

  • 出荷のピークは、かつては4〜5月でしたが、今は2〜3月です。新たまねぎを年明けから出荷できる理由のひとつは、産地が自家採種に取り組み、技術を磨いてきたからです。早いもの、形がいいものの掛け合わせで、出荷が早くなっていきました。これは、当産地自慢の生産者さんの腕があってこそ、と誇りに思っています。
◇スティックセニョール
  • スティックセニョールは茎ブロッコリーで、サカタのタネが、ブロッコリーと中国野菜のカイランを掛け合わせて作った品種です。カイランは中国では高級食材とされ、クセがなく甘いのが特徴です。

  • スティックセニョールの調理方法はブロッコリーと同じですが、食べる部分は花蕾ではなく茎です。筋はなく、歯ごたえを楽しむ野菜で、味もよいので、ゆでてマヨネーズをつけてもいいですし、パスタなどの添えものにもおすすめです。
◇サラダ菜
  • サラダ菜は年間100万ケース以上の出荷量で、水耕栽培のため回転も早く、安定した供給が行えます。レタスの代替や弁当の敷物ではなく、「サラダ菜」としての需要を目指しています。

  • 独特な形状を生かして「見せる料理」にお使いいただけます。バターヘッドと呼ばれるなめらかな歯ざわりが特徴で、油や生ハムなどと相性がいい食材です。

  • サラダ菜には、β-カロテンが玉レタスより豊富に含まれているといわれており、手軽に食べていただける野菜としておすすめください。
◇みる芽にんにく
  • 遠州弁で「みるい」は「やわらかい」という意味で、「みる芽にんにく」は、にんにくの芽のやわらかいものです。

  • 香りがマイルドなので、にんにくのにおいが苦手な方も食べやすいと思います。

  • 希少価値の高い野菜です。これを機に「みる芽にんにく」を覚えていただければ幸いです。
◇サラダセロリ
  • サラダセロリは、セロリのスプラウト、セロリが小さい段階で収穫したものです。小さくても香りはしっかりとしていて、彩りも映えます。

  • サラダの添えものや料理のアクセントとしてお使いいただけます。

  • 近年、お問い合わせが増加している品目の一つです。商談会に出展させていただいた際も、多くの方が興味を示しておられました。
◇質疑応答より

    Q:新たまねぎは、現在も自家採種されているのですか? 採種農家は何名くらいですか?
    A:現在も、複数のグループに供給いただいています。

    Q:サラダセロリの品種は何ですか?
    A:当産地のセルリーとはまったく別の品種です。

    Q:芽キャベツは3月半ばをすぎると2Lが多く、かたくなりますが、それは花蕾が上がってくるからなのでしょうか?
    A:常に同じ規格で出すようにはしているのですが、切り上りが近くなると、どうしてもB品は増えてしまいます。花蕾が上がることで実のつまる感覚はあるかもしれません。

    Q:JAとぴあ浜松さんは、品目、量が多い印象があります。全体でどれくらいつくっているのでしょうか?
    A:区画は東西南北約30kmあります。品目数は青果物のみでざっくり150〜180、約200といっても過言ではない青果物を生産者のみなさまからご出荷いただいております。

    Q:芽キャベツの売れ行きは伸びているのですか?
    A:お問い合わせは増えており、今後も特徴や食べ方をしっかり説明して、消費を拡大したいと思っています。

    Q:芽キャベツのA品とバラ品の違いは?
    A:バラ品は、外食の方や量販店のバイヤーさんに、実際にモノをご覧いただいてから出荷しています。まずは価格を押さえて供給し、たくさん売れる体制を作って消費を増やしていただくことを念頭に置いています。

    Q:昨日仕入れたプチヴェールのなかには、焼けの出ているものや球形がないものもありました。これから暖かくなったときにどのようになるのでしょうか?
    A:プチヴェールは「非結球芽キャベツ」です。暖かくなると色抜けや葉先の丸まりなどが生じます。その際日付を決めて全量規格を下げて出荷します。

    Q:サラダセロリは市場には出ていないのでしょうか?
    A:10〜15社の卸売市場さまへ出荷しています。

 

【八百屋塾2017 第11回】 挨拶講演「プチヴェール・芽キャベツなど」について勉強品目食べくらべ