■2017年10月15日 第7回 きのこ 〜 勉強品目「きのこ」について 東京青果(株) 岡田泰造氏 |
- 10月15日は「きのこの日」です。秋冬はきのこの消費が伸びるので、ぜひ販売に力を入れてください。
- 今日お持ちした「菌床シイタケ」は秋田、「原木シイタケ」は岩手です。今、9割は菌床で、品質は上がっていますが、原木シイタケの深い味わいは格別だと思います。
- 「ハナビラタケ」は群馬。白い花びらのようなきのこで、加熱しても食感が残ります。
- 「黒アワビタケ」は長野。中華で高級食材として使われます。味がよく、バター炒めや素焼きでもおいしいきのこです。
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- 「タモギタケ」は北海道。黄色が特徴で、だしがよく出るので鍋物におすすめです。濃いきのこの味わいが楽しめます。
- 「大黒本しめじ」は京都。「香りマツタケ味しめじ」のしめじがこれで、グルタミン酸が豊富に含まれています。栽培がむずかしいので高めです。
- 「カキノキダケ」は長野。原種エノキに近いきのこで、普通のエノキより甘みが強く、シャキシャキ感があります。鍋物などに重宝されています。
- 「ヤマブシタケ」は長野。栄養価が高く、記憶力を増進させる成分を含み、がん抑制、免疫力アップなどに有効だとされています。ほかにはない食感が特徴です。
- 「山ナメコ」は選抜して大きく作っているので、味噌汁だけでなく炒め物にも向きます。
- 「ヒラタケ」は新潟、この時期から出てくるものです。白い胞子が出ますが、カビではなく次世代の菌です。5℃以下の低温で管理すれば出にくくなりますし、出たら拭いて食べれば問題ありません。
- ピンク色の「トキイロヒラタケ」はごく一部でしか作っていないので、高級品です。火を入れると色はやや薄くなります。
- 国産の「マツタケ」は今年数が少なく、値段も高めです。
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◇「きのこ」の写真 |
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■2017年10月15日 第7回 きのこ 〜 勉強品目「マッシュルーム」について 東京青果(株) 有田淳氏 |
- マッシュルームには、ホワイトとブラウンがあり、ブラウンは原種に使いもの、ホワイトは品種改良を重ねて大量生産できるようにしたものです。同じ面積で栽培するとブラウンはホワイトより3割減となり、栽培がむずかしいのですが、需要はあるので産地にも努力してもらっています。
- マッシュルームは唯一、生で食べられるきのこです。ただ、生食するにはきちんとした鮮度管理が必要です。量販店さんにはクレームなどの問題にならないように、生食もできますが加熱して食べたほうがおいしい、と言って販売しています。実際に、火を入れるとうまみや甘みが出るので、シンプルに炒めると一番いいと思います。
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- 産地でみそ汁を食べたことがありますが、簡単でおいしいのでおすすめです。シイタケよりうまみ成分が多いので、ちょっと大げさに言うとシジミ汁のような濃厚な味になります。マッシュルームは90パーセント以上が水分で、加熱するとその水分が出てきてうまみになります。うまみを出すためには、切ったほうがいいと思います。
- マッシュルームのポタージュスープもおすすめです。マッシュルームをミキサーで細かくして、玉ねぎと炒めてペーストにします。あとは牛乳、水、塩、こしょうを加えて加熱するだけです。冬場は温かく、夏場は冷製スープでもおいしい。ペーストは冷凍もできます。
- ジャンボマッシュルームは、栽培日数は普通のものと変わりません。ひとつの菌に栄養を集中させることで大きくしています。肉厚で味が濃く、ステーキにするとおいしいのでお試しください。
- マッシュルームは、ほかのきのこより傘が黒くなりやすいのですが、胞子を出す準備をしている状態で、黒くなっても食べられます。うまみ成分はひだのところから出てくるので、むしろ黒くなったほうがうまみ成分は増えているはずです。触ったときにぬるぬる、べとべとしていたり、押したらスポンジ状にへこんでしまうようなら食べないほうがいいでしょう。
- 流通しているマッシュルームはほとんどが洗っていないものです。ピートモスという繊維状の培地を使用して栽培しているので、髪の毛のように見えるものがパックの中に入っていることもありますが、ピートモスは引っ張ると簡単に切れます。
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◇「マッシュルーム」の写真 |
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