Q:「千住ねぎ」と「千寿ねぎ」の違いをもう一度教えていただけますか?
A:「千住」は固定種、「千寿」はブランドねぎ、交配種です。
Q:伝統のにんじんにはどんなものがありますか?
A:現在あるのは、「馬込三寸にんじん」、「砂村三寸にんじん」、「滝野川にんじん」などです。
Q:江戸東京野菜一品一品の生産量はどれくらいあるのですか?
A:たくさん作ってみんなが買ってくれる、というところまではいっていません。比較的多いのは「寺島なす」ですが、今年は7月暑くて8月雨が多く、花が落ちてしまい、錦糸町駅ビルでの江戸東京野菜フェアにもだいぶ迷惑をかけてしまいました。ただ、私どもとしても、江戸東京野菜を現在のF1と切り替えたいなどとは考えていません。
生産者サイドとしても、買ってくれる人がいなければ作れませんから、今は、「○月にイベントがあるから作って」というようにお願いして作ってもらっています。たとえば、レストランに「月替わりのメニューとして、1ヶ月間きっかり、この伝統野菜がほしい」、といわれても無理です。季節限定、自然まかせですから、月の途中から始まって途中で終わることのほうが多い。最初にきちんとそういう話をして、了承してもらえなければ、受け入れないことにしています。
Q:江戸東京野菜をレストランに納めるときはどのようにしているのですか?
A:いろいろなケースがありますが、果菜里屋の高橋さんのように、レストラン専門で、江戸東京野菜と東京産野菜を扱う人もいます。江戸東京野菜をやろうという人にはそれなりの思いがあって、交配種と同じように扱おう、という人たちは少ないので、自信を持って売り込んでくれます。もちろん揃いが悪いとか、そういうことは明確に伝えないとトラブルが起きる原因になります。
Q:在来小松菜を作ってください、といえば作ってくれるのでしょうか?
A:埼玉あたりにも産地ができています。リクエストがあればやってみよう、という若い生産者もいると思います。
Q:江戸東京野菜と、東京産野菜の違いがよくわからないのですが…?
A:たとえば小松菜でしたら、タネを通して命がつながってきたものが伝統小松菜で、タネ屋さんが作ったタネを東京で作れば東京産野菜です。伝統小松菜は基本的に冬季限定です。タネ屋さんのタネは周年栽培できるように作られていますから、1年中あります。
Q:11月に東京農業祭があると聞いたのですが…?
A:11月2日、3日に、明治神宮の裏の宝物殿で農業祭が開催されます。芝生の広いオープンスペースにテントを立て、その時期に採れる東京の野菜と果物が集まります。毎年、江戸東京野菜コーナーを作っているので、ご来場ください。
Q:品川の八百屋さんの話は刺激になりました。ただ、伝統野菜は売りにくいのは確かで、スポット的に入れても売れる前に傷んでしまったりするのですが…?
A: 今日ご紹介した八百屋さんは、農家さんと太いパイプを持っています。農家と親しくなると、じょじょに広がっていくのではないでしょうか。私も、今日初めて江戸東京野菜の話を聞いたみなさんに今すぐ売ってください、とは思っていません。理解してやりたいと思ったらありがたいです。
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