■2018年2月18日 第11回 プチヴェール・芽キャベツなど 〜 食べくらべ

◇プチヴェール、芽キャベツなどの食べくらべと試食

  • 春野菜として、プチヴェール、芽キャベツ、スティックセニョール、アスパラ菜をゆでて食べくらべた。

  • 料理は、プチヴェールの味噌汁、紫キャベツのサラダなどを試食した。
春野菜の食べくらべセット
食べくらべ・プチヴェール
食べくらべ・芽キャベツ
食べくらべ・アスパラ菜
食べくらべ・スティックセニョール
試食・春野菜のオイスターオイル
試食・紫キャベツとりんごのサラダ
雑柑類の食べくらべセット
雑柑類の食べくらべ
(はまさき)
雑柑類の食べくらべ
(ひめのつき)
雑柑類の食べくらべ
(津之輝)
雑柑類の食べくらべ
(土佐文旦)
雑柑類の食べくらべ
(甘平)
雑柑類の食べくらべ
(大将季)
 
◇調理について
[古川恭子氏より]
  • プチヴェールの味噌汁は、私が最近気に入っているもののひとつです。プチヴェールは包丁を使わず、手でOKですし、ひとり分だけ作るのも便利。煮過ぎないように、味噌を入れてから最後にプチヴェールを入れるのがポイントです。沸騰して1分くらいで十分です。インスタント味噌汁を温めて、プチヴェールを入れてもいい。色もきれいで、甘みがあります。ややキャベツくささはあるので、厚揚げ、油揚げ、揚げ玉などコクのあるものと合わせるとより一層おいしくなります。
古川恭子氏
  • 紫キャベツはかたいから苦手という人がいますが、酢に漬けるととてもきれいな色になります。夜刻んで一晩ドレッシングにつけておくと、やわらかくなって食べやすくなります。個体にもよりますが、アクがあるので、今日はせん切りにしてからサッとゆでました。やわらかそうなものは塩でもんでギュッと絞り、アクを出せばゆでなくてもいいと思います。りんご、クルミを合わせましたが、キャベツだけでもおいしくできます。

  • キャベツは身近な野菜ですが、じつはとても繊細な野菜です。私は、江沢先生が「キャベツは2週間おきに味が違うから、必ず食べてから売りなさい」と、おっしゃっていたのが忘れられません。冬玉と春玉だけでなく、2週間ごとに違うんです。外側の1〜2枚はアクが強いので煮ものではなく、何かとあわせて炒めるのがおすすめです。真ん中のやわらかいところは、ぜひ生で食べてください。せん切りにするときは、繊維を断つ方向で切るほうがなじみます。ただ、アクが出やすいので、炒めものをするときは葉脈と葉脈の間を手でちぎります。無神経にちぎったのと、葉脈を切らないようにちぎったのとでは味が違います。

  • オイスターだれは、レシピを配りました。今日の野菜は、緑黄色野菜の中でも特に栄養的に成績のいいものばかりですが、ほろ苦かったりアクがあったりするので、強めの味のものを合わせるといいと思います。マヨネーズでもいいのですが、ゆでたてにオイスターだれをかけるだけでとてもおいしいので、ぜひ使ってみてください。

  • 食べくらべのプチヴェールは、ゆでるとクシャクシャしているところに水が入るので、振ってから食べるといいでしょう。どれも水にはとっていません。ゆで汁に少し塩を入れました。ゆで時間は、芽キャベツ3分、プチヴェール1分です。



◇食べくらべ、八百屋塾の感想
  • 芽キャベツは非常にやわらかくて、プチヴェールに比べると甘みは少なめでした。プチヴェールは、シャキッとした食感とか葉の苦みは少なめで、中央のほうにやや苦みがありました。スティックセニョールはコリコリとした食感で、苦みが少なく食べやすかったです。アスパラ菜は食感がシャキシャキしていて、名前の通りアスパラのような風味と食感を感じました。

  • 芽キャベツを初めて食べました。かたい、というお話もありましたが、実際に食べたらとてもやわらかくておいしかったです。ほかの野菜もみんな初めてでしたが、どれもおいしかったです。一番好きなのは芽キャベツでした。勉強になったので、お客さまにすすめてみたいと思います。

  • 芽キャベツは大きさがちょうどいいのか、ゆで方が上手なのか、甘みが出ていて、とてもおいしかったです。プチヴェールは、まさに春キャベツの味。いい味を持っている、と思いました。アスパラ菜は茎がやや筋っぽく、葉は菜花みたいだと思いました。

  • 最近の芽キャベツはアクやえぐみをあまり感じなくなりました。

  • 今日食べた中で一番おいしかったのは、プチヴェールでした。芽キャベツは、以前はもっと苦みがあったように記憶しているのですが、それがなかったし、やわらかくておいしかったです。スティックセニョールは、最近食べる機会が多いのですが、茎がサクサクしていておいしかった。

  • 最初にプチヴェールを食べたら、あまりにもおいしかったので、ほかのものの味の印象が薄れてしまいました。芽キャベツも高いので、ここ何十年食べていなかったのですが、子供の頃に食べていたのはもっとほろ苦い味だった気がします。味が違ってきているんだな、と実感しています。八百屋には先入観があって、本当はいまの野菜の味を伝えなければいけないのに、自分の記憶や、勉強したことによる思い込みでお客さまに伝えていることがあるので、そういうところも反省しつつ、今後につなげたいと思います。

  • 芽キャベツは、同じグラムでも、3個より1袋のほうが買ってくれる気がするので、バラ品もありかな、と思います。

  • 芽キャベツはそれほどすごい量を売るわけではなく、10袋ぐらいとれればいいので、バラを自分で詰めても構わない、と思います。

  • グラム売りにするとロスがないので、おすすめです。

  • 私は「せとか」が好きなのですが、今日は「甘平」がすごく甘かったです。

  • 今日はおいしいものがたくさん食べられて、とても幸せな気分です。自分がすすめるとしたらスティックセニョールがいいかな、と思いました。


◇その他
12月に引き続き、静岡県清水の「朝福みかん」のご紹介がありました。
[望月稔之氏より]
 12月にも八百屋塾でご紹介しましたが、清水から、「朝福みかん」を持ってまいりました。
2月に入ってもぼけることなく、このくらいの味を保っているということを、ぜひ食べて確かめてみてください。やや酸は高いかもしれませんが、生産者が酸抜けをすることもできます。

 青島の早生系がお歳暮として出る前、12月1日〜15日くらいの間に、お歳暮商材として使えるので、ぜひよろしくお願いいたします。

 まだ量がなくて、現在は、6〜7人が作っているのですが、消費者が直接買いに来て、市場までいかない状態です。今後、産地化していけるようにがんばりたいと思っています。


望月稔之氏

朝福ちゃん(静岡)
 

【八百屋塾2017 第11回】 挨拶講演「プチヴェール・芽キャベツなど」について勉強品目食べくらべ