■2017年4月9日
第1回 開講式
 2017年4月9日(日)、今回で18期目となる『八百屋塾2017』の開講式が行われました。

 勉強品目は、「ふき・山うど・うど等春の野菜、新野菜」。群馬県地域興しマイスター 担い手支援スペシャリストで、シニア野菜ソムリエの田村善男さんにこれらの野菜について解説していただくとともに、「八百屋のありかた」のテーマでご講演いただきました。

春野菜・新野菜の展示
中晩柑の展示
 
■東京都青果物商業協同組合理事長 野本 要二

 おはようございます。本日は日曜日で雨にもかかわらず、平成29年度の八百屋塾開講式に大勢のみなさんにお集まりいただき、まことにありがとうございます。

 八百屋塾は今年で18年目に入ります。長きにわたり、活気のある勉強会が続いていることは心強い限りです。今年も1年、みなさんにはぜひがんばっていただきたいと思います。

理事長 野本 要二
 昨年から、八百屋塾は農林水産省の後援をいただくことになりました。これもひとえに長年の実績が認められたためだと思っています。ただ、みなさん個々のお店の宣伝に農林水産省後援というのは使えませんので、その点はお気をつけください。

 今、流通業界はいろいろな面で変革の時期に来ています。青果流通業界では、農業の競争力強化プログラムが国会で審議されています。実施されるとなると、生産者、全農と市場との関係が大きく変わりそうです。期限の延長はしましたが、2〜3年後には必ず実行されるはずです。八百屋業界もどのように変わっていくか、みなさんとともに討論しながら、今後の方針を今から考えるべきだと思います。若いみなさんもどんどん参加して意見を述べてください。みなさんのチカラに期待しています。ただ、それには、みなさん個々のお店が順調にいかないといけません。IT化、グローバル化、キャッシュレス化など、複雑な世の中ですが、それぞれがスキルアップして、世の中の情勢について行けるような八百屋さんになってください。そのためにも八百屋塾という場所を利用して、仲間と討論し、流通業界の危機を乗り越えてほしいと思っています。

 私は、理事長の任期を迎え、5月30日の総会をもって、次の方にお譲りします。次期理事長は近藤栄一郎さん、私どもといっしょに江澤正平先生の薫陶を受け、八百屋塾の精神を受け継いだ方です。農林関係への造詣も深いので、安心しておまかせすることができます。長い間、ありがとうございました。ますます八百屋塾が発展し、みなさんのひとりでも多くが、お客さまに好まれる八百屋になってほしいと思います。今後とも八百屋塾をよろしくお願いします。

 
■次期理事長 近藤 栄一郎

 おはようございます。私も野本さんとともに18年前に八百屋塾を立ち上げたメンバーのひとりで、つい昨日のことのように思い起こすことができます。当時、私は青年会長で、江澤正平先生から、「八百屋の勉強会を開きなさい」と命じられ、2000年5月に第1回目が開催されたと記憶しています。

 発足当時は、ほとんどが東京の八百屋さんでしたが、前期八百屋塾の修了式には、名古屋・静岡・新潟などさまざまな地域から、また、八百屋さん以外の方も多数参加されていて、講師陣も多種多彩で、勉強会が続けられていることを大変嬉しく思います。

次期理事長 近藤 栄一郎
 江澤正平先生の薫陶を受けた気持ちを忘れずに、今後も八百屋塾を続けていきたい、と考えています。ぜひ、ご意見・ご要望をお聞かせいただき、八百屋塾と業界全体の発展につなげていきましょう。 今後ともみなさまのご支援とご協力をよろしくお願いします。
 
■実行委員長 西沢 好晴

 おはようございます。実行委員長3年目の西沢です。よろしくお願いします。

 これまでの八百屋塾は野菜の勉強に特化してきましたが、今年は「伝える」をテーマに進めていきたいと思っています。11月には、秋葉原の「やっちゃ場マルシェ」でイベントをします。野菜というものをみなさんがどう捉え、それを一般の人にどう伝えていくのか、八百屋塾はそれを学ぶ場所でもあります。

実行委員長 西沢 好晴
 今日は、野菜の気持ちになるために、「にんじんゲーム」をやってみたいと思います。みなさんは、にんじんです。2人1組でペアになって、にんじんの気持ちになって、思いを伝え合ってください。タネで土の中にいるとき、芽が出たとき、成長したとき、収穫されたとき、箱詰めされて輸送されるとき、市場に並んでいるとき、食べられるとき…。あなたがにんじんだったら、どう思うでしょうか。「土の中は暖かい」とか「さみしい」とか、「太陽の光はまぶしい」、「人間に食べられたくない」、「どうせ食べられるなら新鮮なうちに感謝して食べてくれる人のほうがいい」など、いろいろあると思います。 伝えることがテーマなので、答えに正解があるわけではありません。それぞれが思ったことを相手に伝えてください。

 ヒトは食べることで生命を維持しています。「いただきます」という言葉の中には、「あなたの命をいただいて、私の命に変えさせていただきます」という意味があります。われわれ八百屋は、野菜を扱う者として、そうした意味も伝えていかなければいけないし、野菜の気持ちをお客さまに伝えるのも使命ではないでしょうか。

 では、今期も1年、八百屋塾をよろしくお願いします。

2017年度 第2回八百屋塾
2017年5月21
日(日)


講演:「メロン
」について
講師:
農研機構 野菜花き研究部門
野菜育種・ゲノム研究領域
ウリ科・イチゴユニット 杉山充啓氏


テーマ:メロン


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【八百屋塾2017 第1回】 挨拶講演「八百屋のありかた」勉強品目食べくらべ