■2017年10月15日 第7回 きのこ 〜 食べくらべ

◇きのこなどの食べくらべと試食

  • きのこは、岩手の「原木シイタケ」と秋田の「菌床シイタケ」、新潟と長野の「ヒラタケ」を食べくらべた。

  • 料理は、きのこスープ、マイタケ天ぷら、マッシュルームのサラダなどを試食。

  • ときがわ町の児玉有定さんが作った「おがわ青山在来」の枝豆も試食した。
シイタケの食べくらべ
ヒラタケの食べくらべ
きのこスープ
マイタケ天ぷら
マッシュルームのサラダ
おがわ青山在来大豆の枝豆
◇調理について
[大石みどり氏より]
  • マイタケを料理に使うとき、黒くなるのがいやならさっとゆでるといいでしょう。うまみは多少減ってしまいます。

  • きのこ汁は、今日ここに並んでいるきのこのうち、生シイタケとマッシュルームを除いたすべてのきのこが入っています。きのこはグアニル酸なので、イノシン酸、グルタミン酸と合わせると相乗効果でさらにおいしくなります。

  • マイタケは天ぷらにしました。
大石みどり氏
  • サラダは、マッシュルーム、サラダほうれん草、オリーブオイルで炒めたベーコンが入っています。

  • 枝豆は3回洗って泥を落とし、多めの塩をまぶしてゆでました。
◇食べくらべの感想
  • おいしさ、深さ、鼻に抜ける香りなど原木シイタケのほうが菌床よりよかったです。ヒラタケは、長野もおいしかったですが、新潟のほうが味が濃かったと思います。

  • 原木シイタケのほうがあっさりした感じで、菌床は口の中にまろやかな味が残るような気がしました。食感は原木はシャキシャキ、菌床はしっとりしていて、原木のほうが好きですが、味は食べなれた菌床のほうが好みでした。

  • ヒラタケを作っている竹内くんによると、「ヒラタケは胞子がどんどん出てきてしまうので、出荷のタイミングがむずかしい」とのことでした。見た目の商品価値が落ちてしまうので、竹内くんが自分で食べておいしいタイミングというよりは、傘が開いていない状態、しっかりめで採っているみたいです。

  • 今の人たちは菌床しか食べていないので、それがシイタケの味だと理解して、将来的には原木を食べたとき「へんな味」と言われてしまうかもしれません。

  • 高齢の方のほうが原木シイタケを好む傾向があります。原木は生産に波があるので、店としては安定的に売れない、という悩みがあります。変色するのは水分量のせいで、たくさん出そうと思うと水が多くなって色が変わりやすいようです。

  • ヤマブシタケは、スポンジみたいで最初はあまり好きではなかったのですが、ごま油、塩、こしょうでナムルにするとおいしく食べられます。

◇その他
[渡邊一美氏より、児玉有定さんの枝豆について]

 ときがわ町にある「とうふ工房わたなべ」で、地元の大豆を使ったとうふ作りをしています。今日は、地元の農家、児玉有定さんが作った「おがわ青山在来」の枝豆を持ってきました。昔、お月見を「豆名月」とか「芋名月」と言ったように、在来種のおいしい枝豆はじつは今頃がシーズンです。「おがわ青山在来」は、さやの中に豆が2つしか入らない大豆で、効率は悪いのですが、味は抜群です。この大豆で作ったとうふを今年のとうふ品評会に出したところ、関東大会で優勝、全国大会で4位になりました。ゆでた枝豆を用意してもらったので、めしあがってみてください。

渡邊一美氏
 
[白戸啓子氏より、ときがわ町とのかかわりとご自身について]

 今日のきのこの講師、岩瀬さんとは日ごろから親しくさせてもらっています。ときがわ町にはいろいろな方たちがたくさんいて、本当に面白いんです。みなさん、自分の地域と自然をとても大事にされています。何度もときがわ町に通って、そのたびに心が動かされることが多いので、またいろいろな人たちを連れて行っては、自分も新しい発見をしています。

 私は、伝統野菜プロジェクトのメンバーとして、11月の「やっちゃ場マルシェ」に参加します。岩瀬さんにもご協力いただけるとのことで、うれしく思っています。これからも引き続き、ときがわ町を応援していきたいと思っています。

クッキング倶楽部「野菜の食卓」主宰
白戸啓子氏
 私は前職ではまったく野菜とも食とも関係ありませんでした。母が料理が得意だったのですが、年を取って料理ができなくなったとき、自分が何もできないと気づきました。デパ地下やコンビニに行っても、世の中には自分が食べたいものがない。何か違うな、と感じて、自分で野菜料理を勉強しました。そのうち野菜にどっぷりはまり仕事もやめて、野菜に関係する仕事がしたい、と思うようになりました。それで料理サロンを主宰し、野菜好きを集めて、野菜の切り方だとか加熱の仕方とか、料理を教えて13年目になります。

 また、今から4年ほど前に、『新聞で作るナチュラルエコバック』という本を出しました。そもそも、新聞で野菜のおすそ分けができたらいいな、というところからの発想です。いろいろな形のエコバックを新聞で作るのですが、本だけではわかりにくいので、ワークショップをあちこちでやっています。

 インターネットで、料理サロン「野菜の食卓」、「ナチュラルエコバック」や「ぬくもりエコバック」を検索していただければ、ブログなどがご覧いただけると思います。

 

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