■2010年3月14日 第12回 修了式 〜 1年間の感想など

 修了式では、井口理事長より、28名の塾生の方に修了証書が手渡されました。

 その後、塾生の方に、1年間を通しての感想を伺いました。

修了証の授与
[1年間の感想]
  • 八百屋塾で学んだことが仕事に生かされている。人前で話をすることが苦手なのだが、ここで学んだことを話せるので、とてもよかった。これからもいろいろと学んでいきたい。
  • 主催する料理教室に、八百屋塾で学んだことをフィードバックしている。ここで出会っためずらしい野菜や新しい野菜を料理教室に持っていくと非常に喜ばれる。

  • 八百屋塾で勉強している八百屋さんは、ここで学んだことを、消費者に充分に伝えてほしい。

  • 野菜の神様といわれた故・江澤正平先生の言葉に、「信者を増やしなさい。信用が大切。嘘をついてはいけない、嘘をついたら謝りなさい。信じているものを持ちなさい。信頼されていることへの自覚が大切。いい加減な情報、聞きかじりの情報は出してはいけない。対話のできるお店にしなさい。おいしいものを作って売りなさい。これからは野菜だけではない」というのがあった。これが基本だと思う。
  • 4月にサラリーマンを退職し、エンジニアの世界から、まったく分からない農業の世界に入った。われわれは、農作物としてものを見ているが、みなさんは商品として見ているということを強く感じた。お客さまがどう見ているか、どういうものを食べたいのか…。われわれ生産者としても、非常に気を遣わなければいけない、と思っている。

  • これまで、それほど多くの野菜を食べてきた経験はないが、ここでさまざまな野菜の食べくらべをして、感想も言った。食味や味の表現については、みなさんの言葉から学ばせていただくことが多い。
塾生のスピーチ
  • 正直、まだまだ舌が未熟なので、今後も八百屋塾で学びたい。作る側ではなく、あるときには消費者という立場で自分の作る野菜を見ていければ、と思っている。

  • 八百屋塾で勉強して、農家の発展のために貢献できるような人間になりたい。

  • 今年も1年健康で八百屋を続けられたこと、毎日来てくれるお客さん、毎月いろいろなお野菜を食べさせてくれる八百屋塾スタッフのみなさんに感謝している。

  • お客さまの前では恥ずかしくてあまり受け答えができないのだが、八百屋塾で学んだことは少しずつ身にはなっていると思う。なかなかそれを出し切れない。もう1年続けて、しっかり勉強するつもり。八百屋塾に来るのが唯一の楽しみ。

  • 横浜で野菜を納める仕事をしている。うちが納めた野菜はおいしい、と評価してもらえるようにがんばっている。横浜は、非常に、農家さんががんばっている地域。その思いを最終消費者に伝えていく活動も引き続きしていきたい。

  • 八百屋塾に通って今年で3年目になるが、楽しい授業で、気づいたら毎回出ている。かつて、店では、たとえば、ほうれん草を客寄せのために原価でいいか、などとやっていたのですが、そんな値段のつけ方でいいのか…、とか。最近は、野菜だけではなく、売り方などについても考えながら授業を受けている。知識は増えてきた。それをどう出せばいいのかが、まだ手探り状態。

  • うちの店は、去年よりも、まだ、売上げや利益が若干伸びている。何を大事にしてやっているかというと、「人」。団地まで配達したり、ゴミをついでに捨ててあげたり…。地域密着で、なんとかやっている。「このお店だから買いたい」ということを、10年間やり続けてきた。個人店だからできることを大切にして、これからも展開していきたい。地域によってやり方は違うと思うが、お客さんの声を聞きながらやっていけば、八百屋は残れると思う。みなさんと情報交換をしながら、やっていけたら…、と思っている。

  • 今までは、八百屋塾は「勉強する」「学ぶ」ためにあると思っていたが、今年は個人的にいろいろあったときに、八百屋塾が縁で知り合った方に助けてもらった。そういう面でも、とても感謝している。八百屋という立場で、おいしい野菜、果物をお客さまに伝える、というこれまで通りの活動はもちろん、心機一転、再稼働し、レストランのプロデュース、惣菜部門の立ち上げなどをやっていきたいと考えている。

  • 青果物とグロサリーを中心に扱う店をやっていて、今後は野菜に力を入れていきたいと思い、八百屋塾に参加した。同じ野菜を数種類いっしょに食べるという経験が今までなかったので、食べくらべをすると、こんなに味が違うんだな…、と驚いた。これをお客さんに伝えていければいいんだな、とヒントになった。今後は、「食べさせて売る」ということをやっていきたい。八百屋塾に通っているうちに、少しずつ人脈ができるのも魅力のひとつだと思う。

  • 野菜を作りながら、直売所を経営。八百屋塾で教わったことを、お客さまとのコミュニケーションに役立てている。いただいた資料をもとにPOPを作り、店に貼ったりもしている。これまでまったく料理をしてこなかったので、お客さまに食べ方を提案するのが苦手。ひとつの野菜でもいろいろな調理の仕方があるので、それをひとつずつ勉強していきたい。

  • 八百屋塾にいつも1時間早く来て、調理の先生方の手伝いをさせてもらった。野菜の下ごしらえの仕方も習うことができ、勉強になった。

  • 青果物のバイヤーをしており、八百屋塾で学んだことを、事業部の会議で話したり、社員に伝えたりしている。トキタ種苗への研修も非常に役に立った。今後も、勉強したことを会社の中に取り入れて、少しでも事業を大きくしたい。

  • 八百屋塾に通って5年になるが、ここで学んだことが、最近ようやく生かされてきたかな、と感じている。ここで習ったことを、どうしても次の日説明したくてしょうがなくなってしまい、つい、「自己アピール」してしまうのだが…。これからは控えて、勉強内容をレベルアップして、もっともっと野菜を売っていきたい。八百屋塾に来ると、知識と元気をもらえる。また来期も通いたい。

  • 去年からこの業界に入ったばかり。八百屋塾に参加して、「本当においしい野菜」というものを感じることができた。「いったい何なんだろう?」ということをすごく考えさせられ、勉強になった。これからも、ここで学ぶことを生かしていきたい。

  • スーパーの青果部担当をしている。正直、昔は、甘けりゃ売れると思っていたので、何でも「甘いよ〜」、と言って売っていた。八百屋塾に参加して、勉強してからは、正直に売っている。考えながら販売することを、ここで勉強させてもらった。

  • 一般参加なのだが、組合で企画していることを一般にも門戸を開き、貴重な話を聞かせていただけるので、ありがたい。八百屋塾でいただいた資料とメモをもとに、自分専用の辞書を作った。本業はフリーライターなので、この1年間に、八百屋塾で与えていただいたことを、次はぜひかたちにしたい。

  • 同じ品目で、違う産地のものを食べくらべる、というのは、個人できなかなかできない。いい経験をさせてもらった。今後、もっといろいろな野菜を食べくらべ、おいしい野菜を見つけたい。

  • 淀橋市場で豆腐を販売している。これまでは、どの豆腐も同じ味にしか感じなかった。八百屋塾に参加して、自分が売っているものを自ら勉強する姿勢が足りなかった、と感じた。自分からいろいろな勉強をしていかなければ、と思えた1年だったので、とてもいい経験になった。

  • 去年の4月にこの業界に入ったばかりで、それまでは一消費者としてしか野菜、果物を見たことがなかった。買うのはもっぱら定番ばかり。八百屋塾に参加して、勉強したものを見かけると、「これはあのときに食べた」「こういうものなんだ」「こういう産地があるんだ」というのを認識して、買って、自分でも食べてみようと思うようになった。

 塾生のスピーチのあと、山形の貴重な伝統野菜などを紹介してくれた山形県東京事務所の今田新さんから、お話をうかがいました。今田さんは3月いっぱいで山形県に戻られるそうです。

 また、いつも野菜の調達をしてくださっている東京青果の澤田さんがご定年間近、とのことで、花束の贈呈を行いました。

 その後、会場では、ベジタブル・パーティーを開催。野菜で作った見事なカービングのディスプレイ、さまざまな野菜で作ったヘルシーデザートなどがずらりとテーブルに並びました。

花束の贈呈
[今田さんのお話]
  • 山形県の人口は、110万人。販売農家は5万世帯あるといわれている。1戸当たり3.1人としても、15万人の方が農業に携わっている、という計算になる(実際は7〜8人という世帯もあるので、もっと多いとは思うが…)。つまり、人口の1/5強が農家。そこで、私たちは何ができるのか、というようなことをずっと考えてきた。

  • 県内では消費が足りないので、篤農家にがんばってもらって、県外にどんどん進出してもらうのはもちろんなのだが…。5万世帯の農家の中には、「がんばり方」を知らない方もたくさんいる。毎日毎日、草刈りをすることが、がんばることだと思っている。そうではなくて、収入に結びつけていただいて、専業農家になってもらいたいと考えている。それが、山形県の食べ物を繋いでいく、ということになると思う。

  • 山形県は、果物では全国で8番目だが、野菜に関しては23番目。県別では、まだまだ後発。今後も、山形の伝統野菜をみなさんに紹介したい。数が少ないので、販売までいかないものが多いが、赤根ほうれんそうのように、他もだんだんと販売に結びつけられたら…、と思っている。
[ベジタブル・パーティー]
パーティーのようす1
パーティーのようす2
パーティーのテーブル
かぼちゃまんじゅう
お芋バー
小松菜のシフォンケーキ
れんこんのタルト
野菜のカービング1
野菜のカービング2
 

【八百屋塾2009 第12回(修了式)】 実行委員長挨拶理事長挨拶前実行委員長祝辞講演・福島徹氏感想