私どもの資料に、「日本一おいしい幻の白菜」と書いてあります。「幻と言うけれど、結構出回っているじゃない?」という声も聞くのですが、今、出回っているものの多くは、「新理想」の系統で、「スーパー新理想」というものと、「新理想めぐみ」というものです。
もともとの「新理想」がとても病気に弱いものなので、生産が少なくなってしまった。収率も悪いので、見合う価格が取れないとなかなか生産できない。それで、今は、ほとんどの農家さんが自家用に作られているだけとなってしまったようです。
「新理想めぐみ」は、耐病性を強くしたものなのですが、味は昔の「新理想」より劣る、とされています。「スーパー新理想」は、根こぶ病の耐性をつけたものです。「新理想めぐみ」よりは「新理想」に近いということなのですが、根こぶ病の耐性をつけたものというのは、基本的に、ちょっと、芯のところがかたくなる傾向があるそうなんです。
市場に出回っている「新理想」としては、「スーパー新理想」と「新理想めぐみ」、あと、もともとの「新理想」も一部混ざっているかもしれませんが…。全部ごっちゃになっている、という話を聞いています。
茨城県は白菜の生産量が日本一なのですが、一度作るとなったら1反で4000玉とか、大規模になってしまう。それぐらい扱ってくれる方がいないと、なかなか生産には至らないということだったので…。これから、八百屋さんたちで、ぜひ「新理想」を売っていきたいと、団体になっていただければ、今後栽培していただけるかもしれないので、みなさん、よろしくお願いします。
「新理想」には“ごま”(黒い斑点)が出やすいとか、そういう面もあるのですが、対面販売の八百屋さんでしたら、「ごまが出ても食べるのはまったく問題ないし、味がいい!」と言って売っていただけると思いますので…。ぜひ、ご協力いただければ、と思います。
それから、もう一点。ほとんど知られていないと思いますが、数少ない茨城県の伝統野菜のひとつで、「浮島大根」というものです。
レンコンの一大産地でもある稲敷市の浮島地区というところで、昔から作られている大根です。首のところが細くて、お尻のところがネズミのような愛嬌のある形をしています。肉質は、とても水分が多くてやわらかく…。あと、横縞が入るのがこの大根の特徴なんです。
現在、自家用として、10数軒の農家のお年寄りが作られているだけになってしまっています。漬物や煮物など、昔ながらの食べ方で食べられているそうです。
本当に貴重な茨城県の伝統野菜なので、「浮島大根復活プロジェクト」を立ち上げました。まだ立ち上げたばかりなので、みなさんに味わっていただくとともに、復活プロジェクトのアイデアなどもいただけるとありがたいと思っています。よろしくお願いいたします。
今日は、杉本さんが、「新理想」白菜と「浮島大根」を漬物にしてくださったので、召しあがってみてください。以上です。ありがとうございました。
|