■2009年9月13日 第6回 〜 勉強品目「レタス」等について 東京青果 野原氏・田原氏
◇レタスなど洋菜の商品説明
  • レタスは、日本語で「チシャ」。形状にあわせて、いろいろな品種がある。たとえば、「玉レタス」は、「クリスプ型ヘッド」。クリスプとは「ピッグバン」の反対語。収縮する、という意味。

  • リーフ系レタスの「サニーレタス」をいちばん最初に作ったのは、愛知県の豊橋。それを茨城に持っていき、婦人部のみなさんに作ってもらった。最初の年はものすごく安い値段でしか売れなかったが、収入は全部奥さんのものになるから…、と説得して、翌年はそこそこの値で売れた。そこから全国的に広まった。
東京青果 野原氏
  • 「サニーレタス」の名前は、当時、日産サニーというクルマが売れていたことからつけられた。「グリーンリーフ」は、茨城では、「グリーンカール」と呼ばれている。どちらも名付け親は東京青果の社員。

  • 「ローメンレタス」は品評会で最も評判がいいレタス。軸のところを嫌がる人もいるが、甘みという面ではいちばん。また、水分が少ないため、ドレッシングがよく混ざる。ふつうのレタスは水分が多いので、ドレッシングが薄まってしまう。
東京青果 田原氏
  • 「サラダ菜」は、昔と比べると、すっかり産地が様変わりした。いまは、九州、静岡、千葉の水耕。かつては、埼玉と東京が大産地だった。

  • 水耕栽培だから土耕より劣る、ということはない。水耕でも、農薬を使わないで作るのは非常に大変なこと。

  • 「ベビーリーフ」には、いろいろな野菜の葉が混ざっている。レタスはキク科の植物。アブラナ科やアカザ科など、キク科ではないものもミックスされている。

  • 「コールラビ」はブロッコリーの茎みたいなもの。大根のように、味噌汁に入れて食べてもおいしい。やや苦みがあるが、歯触りがよく、和食にもあう。コールラビはアブラナ科、ブロッコリーの一種。キク科ではない。

  • フランス原産の「エンダイブ」は、名称が非常にややこしい。「チコリ」も「アンディーブ」と呼ばれることがあり、英語読みでは「エンダイブ」。品種的にはほとんど同じ。

  • イタリア人は、「チコリ」、「エンダイブ」、「トレビス」、「プンタレッラ」など、苦みのあるものを好む。

  • 大田市場にあるホテルで、刺身に添える大根のツマのかわりに「エンダイブ」を使っていた。それが、すごくおいしい。ツマといえば大根という時代はもう終わったのかもしれない。こういった野菜で口直しをするのもいい。肉料理のつけ合わせにも最適。ただ、この不景気で、特殊な野菜は、需要が減る傾向にある。

  • 「トレビス」は、夏は長野、冬は茨城、香川など、日本国内でも結構作られており、年間供給できる。ただ、日本のトレビスは苦い、といわれることが多い。本当は、苦いのが当たり前。輸入のトレビスがなぜ苦くないかというと、鮮度が落ちているから。茨城産のトレビスを1〜2カ月冷蔵庫でねかせ、皮をむいて出せば、輸入とまったく同じになる。本当のトレビスは、畑で見ると、レタスと同じくらいの大きさ。輸入ものは、相当皮をむいているから、しまりがいい。

  • そのほかの特殊な洋菜としては、「マスタードグリーン」、「グラパラリーフ」、「アイスプラント」など。市場にはあるが、高級料理店に行かないと見かけない。工夫次第でおいしく食べられるのでは。
玉レタス ウイザード
◎産地:長野 JA佐久あさま
◎特徴:玉チシャ。クリスプヘッド型。球ないし扁球型にかたく結球。葉は扇形、切れ込みが深く、しわが多い。根ぐされ病対応品種。
玉レタス ラプトル
◎産地:長野 JA長野八ヶ岳
◎特徴:夏レタスの代表的品種。食味がよい。
リーフレタス(グリーン、サニー) ワールドマンズグリーン
◎産地:長野 JA佐久あさま伍賀
◎特徴:葉チシャ。結球しない。葉型は扇形や長楕円形。葉色は赤みがかった緑色。葉の切れ込みは、浅いものから深いものまであり、しわもないものも多いものもある。
サチマサンチュウ(サカタ)
◎産地:千葉 JA千葉みどり
◎特徴:掻きチシャ。韓国焼肉料理に欠かせない食材。葉先の色により、アカ・アオ等に区別している。苦みやクセがなく、食べやすい。
コスレタス(横浜植木 つるた種苗)
◎産地:長野 JA佐久あさま伍賀
◎特徴:立ちチシャ。ゆるく結球。砲弾型で葉が立つ。肉厚な葉を利用してシーザーサラダ等に活用されている。「ロメイン」とも呼ばれる。
サラダ菜(中原培養サラダ菜)
◎産地:千葉 植松農園
◎特徴:バターヘッド型。球ないし扇球型にゆるく結球。葉は円形、緑色。切れ込みはないが、しわは多い。
リーフレタスミックス(ベビーリーフ) イタリアナ
◎産地:茨城 S&B食品
◎特徴:赤からしな、水菜、辛子水菜、わさび菜、マスタードグリーン、レッドアジアンマスタード、ルッコラ、パセリ、イタリアンレッド、チコリ、イタリアンパセリ等。「ベビーリーフ」とも呼ばれる。
ルバーブ グラスキングバーベチュアル
◎産地:長野 JA洗馬
◎特徴:タデ科カラダイオウ属。和名を「食用大黄」。肉類の消化を助ける働きが認められる。整腸作用あり。サラダやデザートとしてよく使われる。
エンダイブ グリーン・カールド
◎産地:長野 JA洗馬
◎特徴:キク科ニガナ属。食物繊維の多い野菜。外側の葉にカロテンが豊富。便秘予防、美肌効果、むくみ解消など。苦みが強いので、内側に日光を当てない軟化栽培で作られる。
トレベス
◎産地:アメリカ
◎特徴:キク科キクニガナ属。「トレビッツ」、「トレビーツ」とも呼ばれる。「ヴェローナ」の結球タイプが「トレベス」と呼ばれる。食味は、少し苦みがある。
チコリー(エンダイブ)・ウイットルーズーム
◎産地:ベルギー オランダ
◎特徴:キク科ニガナ属。仏名「アンディーブ」、英名「チコリ」、和名「菊苦菜(キクニガナ)」。食物繊維、カリウムを含む。便秘改善、消炎、強壮作用、利尿作用、貧血症等に作用する。商品はできるだけ白いものを選ぶ。ほかに、「赤芽チコリ」と呼ばれるものもある。
[その他参考出品]
ブーケレタス
 
チコリ(赤)
アイスプラント
グラパラリーフ
コールラビ
 
スイスチャード
マスタードリーフ
パプリ甘

 

【八百屋塾2009 第6回】 実行委員長挨拶講演「レタス」勉強品目「レタス」商品情報食べくらべ