■2009年11月15日 第8回 〜 研修旅行
 トキタ種苗(株)大利根研究農場 埼玉県北埼玉郡大利根町大字佐久間
◇圃場見学

●3班に分かれて圃場を見学

広い畑と、いくつものハウス。ここからたくさんの野菜が生まれる
キャベツ、大根、ねぎなど種類はさまざま
熱心に話を聞く塾生たち
●キャベツの圃場で  
キャベツの圃場で説明を聞く
キャベツを試食
●大根の圃場で  
いろいろな品種の大根がズラリ勢揃い
「41YR勝太郎」という大根

●ねぎの圃場で

 
ねぎの圃場で説明を聞く
「鋭山20号」、「なべちゃん」など
●イタリア野菜のハウスで
 トキタは、日本の種苗メーカーとして初めてイタリアに子会社「トキタセメンティイタリア」を設立。「Gusto Italia」(グスト イタリア=イタリアを食べよう)を展開しています。
 イタリアには多種多様な個性あふれる野菜たちがあり、欧州の食の原点といわれるイタリア料理の主役となっています。こうしたイタリア野菜を日本の気候風土に合わせて改良し、おいしい食べ方を提案するプロジェクトです。
めずらしいイタリア野菜がたくさん!

【アーティチョーク】

 和名は「朝鮮アザミ」。つぼみの中心にあるやわらかいガクと花托(かたく)を食べます。
 冬〜春が旬で、たけのこやゆり根に似た食感を楽しみます。イタリアの品種は全体にやわらかく、りんごの皮をむくように外側の部分を除くだけで楽しめます。咲いた花も美しく、イタリアの春の風物詩です。

アーティチョーク
フェンネル

【フェンネル】

 和名は「茴香(ういきょう)」。葉も種子も葉柄基部も利用できる便利な野菜です。葉はハーブとして肉や魚の匂い消しに、種子はスパイスや漢方として、葉柄基部はサラダ、スープ、煮ものに美味です。早生から晩生、丸型から長細型と多様な品種から、日本に適した品種を選抜、育種しています。栽培も簡単なのでぜひ挑戦してみてください。

【プンタレッラ】

 プンタは「尖った」という意味。プンタレッラはチコリーの一品種。カタローニャの尖った花芽部分です。冬から春にかけて、ローマの季節の野菜として親しまれています。調理法は芽を1本ずつ切り、縦に割って、ナイフで細く削ぎます。これを水にさらしくるっと丸まったものを、サラダに入れます。アンチョビ、オリーブオイル、バルサミコで和えるとローマの味が楽しめます。栽培は少しむずかしく、まだ研究中です。この野菜も旬を楽しむ野菜ですので、作型を一定に設定する必要がありそうです。8月から9月に播種し、30日で定植、春に収穫するのが栽培容易な作型です。一方、水菜のようなカタローニャは苦みが強いが、個性のある野菜です。プンタレッラ用とカタローニャ用は品種が別ですので使い分けましょう。

プンタレッラ
ファジョーリ

【ファジョーリ】

 イタリアのインゲン豆は日本のものとひと味違います。収穫は豆が肥大し、乾燥する直前。サヤがパリッと割れる前で、豆に水分の残っている時が収穫期です。スープに入れてトマトで味をつければイタリア北部の冬の味。つる性、つるなし性がありますが、つるのないインゲン豆を2度に分けて収穫するのが一般的なようです。

【ズッキーニ】

 イタリア語でカボチャはZuccha(ズッカ)。その小さいものがZucchina(ズッキーナ)、複数形がZucchini(ズッキーニ)。日本でも一般的になってきました。イタリアには、丸いもの、断面が星型のもの、花も食べるもの、色の薄いもの、黄色のものなど、さまざまなタイプがあります。ズッキーニは果実はもちろん、雌花と雄花、若い茎など、すべての部分が可食です。日本のズッキーニは輸送に耐えるように改良されていますが、イタリアのものはやわらかいのが特徴です。ウイルス病などに弱く、やや作りにくいですが、未熟な果実を花ごと収穫した「てんぷら」は最高です。

ズッキーニ
ルッコラ

【ルッコラ】

 ロケットと呼ばれる、日本で流通しているルッコラとは大違い。味も香りも強烈です。それもそのはず、種が違います。
 ロケットはEruca vesicaria
 ルッコラはDiplotaxis tenuifolia
 媚薬効果もあるらしい…?です。

【ラディッキオロッソ】

 チコリーとひと言に入っても1600品種以上あるようで、その形、色、味はさまざまです。イタリアで最も多く見ることができるのは、Raddicchio Rossoと呼ばれる赤チコリーの品種群です。これは、キオッジャと呼ばれる丸型赤チコリ。味もまろやか、ほのかな苦みは日本人の口に合います。

ラディッキオロッソ
 
 

【八百屋塾2009 第8回(研修旅行)】 トキタ種苗へ圃場見学ランチタイム