■2009年12月20日 第9回 〜 食べくらべ
◇サトイモの食べくらべ
  • サトイモは、埼玉の「土垂」、同じく埼玉の「蓮葉」、新潟の「帛乙女(きぬおとめ)」(大和早生)、千葉の新品種「ちば丸」を蒸して食べくらべ。

  • 山形の「甚五右衛門」と、埼玉の「八つ頭」は煮物にしたものを食べくらべた。

サトイモ(「土垂」と「ちば丸」)
[サトイモの感想]
  • 「蓮葉」は、サトイモを食べている!という感じがした。「甚五右衛門」は店で売ってみたい。個性があってすごくいいと思う。「八つ頭」がとてもおいしいので、今年は「八つ頭」を中心に売ってみようかな、と思っている。

  • 個人的にねっとりしたものが好きなので、埼玉の「蓮葉」がよかった。「八つ頭」はやや苦手な食感。山形の「甚五右衛門」は、埼玉のおいしいサトイモとそれほど変わらないような気も…。横浜でもサトイモがとれる。農家さんが代々受け継いでいるものを買ってくると、結構おいしいのがある。値段だけじゃなく、好みが重要ではないか。お客さんがどういうものが好きか、好みに応じて売り分けるしかない。

  • どちらかというとねっとり系が好きなので、埼玉の「蓮葉」がよかった。ねっとり感もあって食感もある「女早生」も好み。ただ、「土垂」は「土垂」でいいところがあるし、「八つ頭」もいい。要は、料理方法次第かも。

  • ホクホク感がちょっとある「土垂」が大変おいしかった。

  • 店頭で売っていても、なかなか食べくらべというのはできないもの。今日初参加だったが、それぞれに特徴があって、役に立った。
◇レンコンの食べくらべ
  • 茨城(金澄)、石川(加賀レンコン/白花種)、佐賀(泥ばす/金澄No.8)、新潟(だるま)、岡山(金澄No.1)、徳島(備中)、以上6種類のレンコンをゆでて食べくらべ。

  • 茨城産と、新潟のだるまレンコンは、輪切りにして油で炒め、唐辛子、酒、しょうゆ、少量の砂糖で調味したものも食べくらべた。
レンコン各種
[レンコンの感想]
  • 加賀と岡山のレンコンはパリパリ感がいくらか少なめ。ほかは、だいたいパリパリしていて食感はいいと思った。特に徳島のレンコンが、パリパリ感もあるし、口の中で噛んだあとの香りもよかったような気がした。

  • 関東地方では、小さい頃からシャキシャキした食感のものを味わってきているので、個人的には、やはり、シャキシャキしたものがいい。いちばんおいしかったのは、佐賀。甘みもあった。茨城のものは、味は淡泊だが、食べ慣れている感じ。加賀や岡山のレンコンは、ねっとり感がある。地方によって、レンコンのあり方というか、食感の感じ方がいろいろなんだと思った。
  • 佐賀のレンコンは、サラッとして歯切れがよく、おいしかった。茨城は味が薄い。加賀は思っていたよりも、ねっとり感が少なかったような気がした。徳島と岡山が、わりあいに、ねっとりとしておいしかった。

  • ゆでた中では、徳島(備中)のレンコンがパリパリとして、いちばん味もしておいしかった。加賀と岡山は、ちょっとパリパリ感が少なかった。

  • ゆでただけで味つけなしのレンコンをそのまま食べたのは初めての経験だった。佐賀産がいちばんよかった。徳島(備中)のレンコンは、かなり歯ごたえがよくて好みだった。茨城産はいちばん食べ慣れている感じで、食べやすかった。

  • 自分自身の子どものときからの食生活や、地元の食嗜好などによって好みが分かれると思う。自分は四国出身なので、レンコンのシャキシャキ感も好きだが、やわらかさやねっとり感を求めているところがある。どれがおいしいということではなく、その人の食文化と強く関係があるのでは…、と強く思った。
◇その他
  • 杉本さんが漬けた、「山東菜」の塩漬けと、「浮島大根」のぬか漬け、また、信州の伝統野菜「前坂大根」のからし漬けなどを試食。
 

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